拒む者 第7話
アクァさんの魔砲。
それは時間を戻せる事。
時の魔法が発動したようですね?!
一瞬の違和感。
<彼女>が頼んだ通りに魔法を使ってくれたようです。
<彼女>は<私>の存在を素直に認めて協力してくれたのです。
それはもう一人の<私>には内緒でしたけど。
<私>の前には、<アタシ>に失礼な言葉を吐いた男子が居ます。
・・・そう。
見過ごす事は出来ませんよ。
だって、仮にも<私>に対しての侮辱とも採れたのですから。
だから・・・アクァさんに宿ってみたのです。
もう・・・<私>が誰かはお分かりですね?
アクァさんが幼い頃、宿っていたコハルですよ。
美晴を見守っていたのですけど、何だかとてつもなく心が折れた様なのです。
キャパキャパな衣装を身に纏っていたようですけど、こちらの男子に小学生とか言われて。
そんなに見た目が幼いのでしょうか?
同じ顔付ですけど、私と美晴は?
でも。
確かに美晴には・・・・膨らみがないような?
でもっ?!人間の男子はどうしてそんなことが気になるのでしょうか?
・・・あ。
当の美晴は気にしていたみたいですね、マリアさんと比べるから?
変なところに対抗心を持っちゃってますねぇ~。
ですから、ここは<私>の出番かと?
美晴に宿り直して、<私>を具現化してみせようと。
肉体迄宿り切って、変身してみようかって。
つまり~~~~ぃ。
「お?おい、一瞬で体つきが変わらなかった?」
男子の視線が突き刺さります。
まぁ、美晴の躰に併せて造られてあった衣装でしょうから。
少々胸周りがきつく感じます。
留めてあるボタンが今にも弾けそうですけど。
「いいえ!前から<私>はこんな体つきです!」
男子に言い返して、すっとしました。
小馬鹿にした男子の眼が真ん丸になっていましたから。
「ひゅぅ~っ!これはたまげたな。この学園にはナイスな子が多いなぁ!」
そういう男子はマリアさんと<美晴に化けた私>を観て言うのでした。
「そうでしょう?だったら美晴は麗しいとおっしゃいなさいな」
「ふ~ん、君の名はミハルって言うんだね?」
悪気はなかったんですよ、美晴のイメージを覆せたと思ったんですから。
「それにあの子はマリアちゃんって言うんだろ?
君とマリアちゃんの名を僕の学校でも披露目してファンを集う事にするよ」
・・・もういっかい。やり直すためにアクァさんとロゼさんに頼んでみようかな?
って、言うより。女神の天罰を与えた方が良いのかな?
引き攣る顔で男子を睨んだ時です。
目の前をおじ様達が通り過ぎました。
おじ様・・・いいえ。
目つきの鋭いスーツ姿の青年と壮年の二人連れ。
なんだか、この身体を視ていたようですけど?
「どうやら、嗅ぎ付けられたようですね。
<アタシ>の姿を知っていて、<私>を不審に思い始めているようですね?」
こうなると元の姿に戻るのは後回しです。
「誤魔化すつもりはありませんが、彼等には疑われないようにしないと」
彼等の素性は分かっていました。なにせ女神なんてやってますから。
「警察って公僕さんなんですよね。
しかも世界に魔法が戻っているのを知らしめようとしている。
だったら、魔法だけじゃない事を教えてあげるのも一興かな?」
小春神は悪戯心で言った訳ではないようです。
「どのみち、この後。
闘う事になったらバレちゃいますもんね」
<私>は美晴の顔で苦笑いを浮かべました。
・・・・・・あの?
コハルさん?そう言えば美晴はどうなったのですか?
「「すぴ~すぴぃ~・・・」」
寝てた!!
・・・・で?
コハルさん、当のアクァさんと魔女のロゼさん達は?
「えっとぉ~っ、美晴さんってどこに居るんだろう?」
まだ・・・出逢えていない時点なのですね・・・・なりゅほろ。
って?!魔女のロゼさん。何故に魔導書に書かなかった?!
「「ふっ!決まりきったことよ。忘れてたのよ!」」
・・・アカンやろ?保護者。
主役が総駄目状態では、期待出来るのは小春神以外に居ないじゃないですか?
あ。
そう言えば蒼ニャンはどうしているのでしょうか?
美晴の蒼き石に訊ねてみましょう。
「「・・・・・・」」
返事がない・・・・留守のようです。
だああああぁっ?!これはもう小春神に一任状態?!
全く以って、けしから~ん!
損な状態で。
コハルは何かを感じ取っているみたいですが?
闘いになると言っていましたよね?
一体何が起きるというのでしょうか?
あ、そう言えば。
数話前に、闇の者達が策動しているとか書いてましたねぇ(思い出した)。
とんまな3匹の魔王達が押しかけて来るとか来ないとか?
と、言う事は。
「新たな大魔王の目覚めを目論む者達が、ここを目掛けて押しかけて来てるのよね。
人間界に出て来られたら面倒だから、こっちから迎えに行こうかな?」
おお?!迎撃戦に打って出るのですか?
「折角のお祭りを邪魔するなんて、させはせん!・・・なんちゃって」
なんちゃって迎撃ですかコハルさん?
「私には光も闇も感じ取てる力が身に就いたんですからね。
悪魔達が近寄って来るのも判るんですよ」
おおぅ?!なんと便利な!
「でもぉ、どんな奴か、どれ程の異能を持つ者なのかは分からないけど」
・・・片手落ちって奴ですねぇ。
「美晴達のお祭りを邪魔する悪魔なら。
結界の中で勝負をつけてあげなきゃぁいけないからね」
警察のおじ様たちに見張られている状態でも、結界を貼れるのですか?
「闇の中から人間界に出て来る前に、私が出向いてあげよう」
積極的な迎撃戦って奴ですか?
「だからぁ~美晴。人間界に零れ出て来た邪操機兵は、任せるわよ?」
?!おおっ!!つまり?!
「マモル君にも奴等の動きが分っているみたいだったから敢えて手を出さずにおくことにする。
だって・・・マモル君にお節介者って言われたくないもん」
・・・コハルさんはマモル君が好きでしたからねぇ。
「マコトお爺ちゃんやミユキお祖母ちゃん達も来られているんだから。
任せて置いたら良いと思うんだ、人の世界は人の手で護って貰わなくっちゃ」
そうですね。何もかも背負い込む必要は確かに無いかと。
「だから美晴。あなた達はこの世界で闘ってね?私は押し寄せる闇を打ち破ってみせるから」
躰の中から抜け出す瞬間。
小春神は憑代の美晴へ頼んだのでした。
人の世界は人が護るようにと。
「お友達達と手を携えて。
仲間達と共に平和を守って。
それが光と闇を抱く者・・・人間美晴が、やらねばならないんだよ」
闇の結界が近付く。
人間界に向けて押し寄せて来たのは悪意の者達。
悪魔だけではなく、知るべき者達が<イシュタルの民>と呼んだ悪意の者達もやって来た。
そう!
魔鋼少女達の出番がやって来たようです!
にゃんと?!
犯人はコハルでしたか?!
迷惑なのは、アクァさんや魔女のロゼさんでした。
そして今、闇の力が近づいていたのでした。
いよいよ、魔砲戦が近づいて来ました!!
次回 拒む者 第8話
あなたはどうしてそんな目になった?永き時があなたを変えてしまったのか?