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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第1編<輝け!魔鋼の少女>
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魔鋼の魔女っ子 Act3

最初の一回はコハルの姿を借りたミハルが闘うのです。


そう・・・チートな女神が・・・ですよ。


作者注・)今回は少々画像表示が重たいかもしれません。Gifがあります

闇の結界が光に覆われる。


古より数多の闇を打ち破って来た伝説の魔砲。

数知れずの伝説を創って来た伝説の光。


闇に怯える人の間に、希望を与え続けて来たひかりが蘇る。




魔砲少女となったコハルの手に蒼き魔法石が握られ、


「よぉーく観ててねマリア。これがめがみ魔砲ちから

 この子に授ける魔鋼マギカメタルの威力・・・」


右手の魔法石デバイスを槍に変えた。


「それが・・・女神ミハル様の?」


眼を見開き凝視するマリアに。


「そう・・・めがみの顕れ、ミハル神槍デバイスロッド

 そして闇に放つのは・・・」


女神に同化されたコハルがデバイスロッドを振りかざし、闇の者に指向ポイントする。


「コハルの異能ちからで放つ、全力全開ーシャイニング・ブレイカー!」


双刃の先端部に金色の光が収束し・・・


「シューットォ!」


巨大な光が闇に向けて放たれた・・・・



挿絵(By みてみん)




闇に覆われて何も見えなかった空間に、一粒の光が瞬いた。


「ここは?!アタシはどうなっちゃったの?」


今の今迄、傍に居てくれたマリアの姿も観えない。

闇に覆われた状態だから観えないのかもしれないと思ったコハルが、マリアを呼ぼうとした時だった。


「聴こえてるかな、姪っ子ちゃん?」


どこかで聴いた事のある女の人の声が話しかけて来る。


「あなたは今、闇を知ってしまった。闇に抗おうと思ってるんだね?」


声は確かに聴いた事があると感じた。

どこかで・・・そう。


「お姉さん!コハルに話しかけてくるのは魔法の石に居る人だよね?」


フェアリアでリィーンを名乗った王女から授けられた、蒼き魔法石から聞こえてくる声だと判る。


「あたり!そうだよ姪っ子ちゃん。

 どうしてあなたが持っているのかは分からないけど。

 きっとあの御方おかたが譲ったんだよね、あなたに必要なのだと思われたんだよね。

 私が目覚めた時にはあなたの手に渡っていたんだから」


女性の声が直接耳に入って来る。

魔法の石からの声が言ったのは、元々石に宿っていた訳ではないと教えていた。


「今、私は再び現世まで戻って来れたの。

 永い・・・とても永い時を越えて。やっとここまで辿り着けたの。

 本当ならあの方の元で目覚める筈だった。

 そうなる為に最期の瞬間に渡しておいたのだから」


少しだけ声のトーンが悲し気に替わる。

話しかけて来る女性の声は何を願ったというのだろう。

何を自分に求めるというのだろう?

声は初めに自分の事を<姪っ子>と呼んでいたのだが・・・


コハルは黙って話を聴いていた。


「でも、今となってはこの状況が教えていると判ったの。

 なぜ姪っ子に託されたのか、なぜ今目覚める事になったのかが。

 全て・・・あなたが持って生まれた運命さだめに因るものだって・・・ね」


声は何を告げようとしているのか、何が自分の運命だというのか。


「あなたを知って漸く解ったのよ。

 めがみが最期の瞬間に願ってしまった事に因って、

 新たな運命の子が産まれてしまったのだと・・・解ったの」


躊躇したように言葉が途切れた。

声は自らを女神と言った。

その女神が何を願ったと言うのか?何が運命だと言うのか?


「姪っ子ちゃん、私はあなたを護りたい。

 昔の私の様に<光と闇を抱く者>として生まれて来たあなたを。

 女神になる前の、私そっくりなあなたの事を・・・<真の闇>から護り抜きたいの」


声は神託を与えた。

女神は力を与えんとしていた。


「この意味が解るようになるまで。

 ミハルが真の闇に立ち向かえるようになるまで。

 めがみことわり女神ミハルは守護神として宿る事にするわ。

 この石に・・・蒼き魔法の石の中に・・・」


コハルの前で蒼き魔法石が浮き上がり、闇を蒼白き光で覆いつくしていく。


「ミハルちゃんが求める時、めがみ魔鋼ちからが放たれる。

 姪っ子ミハルが闇に立ち向かう時、あなたの力を形に変える。

 運命に抗う時、新たな魔鋼マギカフルメタルの騎士となれるの」


ひかりがコハルを包み込んだ。

包まれていくコハルに聞こえてきたのは。


「ミハルが魔鋼を呼ぶ時には、こう言えばいいのよ。

 <<シャイニング・チェンジ>>って。魔鋼マギメタ騎士ナイトになりたければ・・・」


遠退いて行く声が最期に言った。


「シャイニング・・・チェンジ・・・」


思わずつぶやき返し、光に包まれた。


蒼き光に・・・






躰が勝手に術を放った。


恐怖の的だった闇の者に。

自分にはない筈の魔砲の光が闇の者を一瞬で消し去った。


闇の結界までも・・・


「「ふぅ・・・久しぶりに撃つ魔砲って、やっぱ痺れるねぇ」」


どこか遠いところで声がしたように感じたが。


「あ、ああああっ?!凄すぎます女神ミハル様ぁ!」


マリアの声がすぐ傍で聞こえてくる。


「「あ、マリア!無事だったんだね?!」」


・・・と、呼んだつもりだったのに。


「「あれれ?!声が出ないよ?」」


・・・しかもマリアの方に顔を向けれない。


「「なんで?なにがどうなってるのぉ?」」


状況が把握出来ていないコハルが動転したが。


「「あらら?姪っ子ちゃん、今頃起きたみたいね?」」


頭の中に直接女神の声が届く。


「「あの、何がどうなっているのかを教えてください」」


どこに居るか姿も見せない声の主に訊ねてみたが。


「「あっと・・・もうこんな時間なのね?タイムリミットみたい。

  詳しい話はこの子にでも訊いてみてね、姪っ子ちゃん」」


あっさり、断られてしまった。


「「あ、待ってよ!あたしはこれからどうすればいいの?」」


断られたコハルがどうしたら良いのかと問いかけたが。

声の主は一言だけ教えてくれただけだった。


「「あー、そうそう。変身を解くにはね、こう言えば良いんだよ。

  <<ターン・オブ・エンド>>って。つまりぃ、元へ戻れって事ね!

  じゃぁね、可愛い姪っ子ミハルちゃん!」」


頭の中から女神ミハルが消えたように感じた。

軽い眩暈を直す様に、コハルが頭を振ってからマリアを観る。


「あ・・・元に戻った?!」


やっと自分の身体を取り戻せた・・・と、思うのは。


「すっごぉーいぃですぅ!女神ミハル様ぁ!」


きらきらした目で自分を見詰めるマリアを観れたから。


「あ、あのね。マリア?」


「はいっ!なんでございましょう?」


きらきらした顔と瞳で見詰められる。


「もう・・・コハルだから。戻ったの!」


「・・・・え?」


物凄い落胆の顔をされた。

で、身体中を眺めまわされて。


「コハルに戻ったの?!なぁーんだって・・・コハルぅっ?!」


ドン引きされる・・・


なぜ?


「コ、コハルに戻ってるって?!じゃあ、コハルは魔砲使いに?」


マリアに騒がれてやっと自分の姿を観る余裕が出来た・・・のだが。


「にゃっ?!ニャンですかこの服は?!」


ひらひらの紅いリボンが胸を覆う。

蒼いラインが入った白い魔法上着、コルセットタイプの内着。

各部に金色の魔法金具が着けられた黒いインナーとショート丈のパンツ。

ライトブルーのニーソックス。紅いラインの入った丈の短いブーツ・・・


「魔・・・魔法衣って奴なの?」


自分の姿を見回して、目をぐるぐる回してしまうコハルに、


「そ、そうみたいねコハル?

 女神ミハル様が残して行った訳じゃないんだよね?」


「どうなのかそうなのか・・・訳、わっかんなぁーいっ?!」


訊いたマリアも訊かれたコハルも一度に叫ぶ。


「教えて!女神ミハルさぁーん!」


白い魔法衣を着たコハルの胸元で、

デバイスと化した蒼き魔法石が、ひかりを瞬かせていた。



「はぁはぁ・・・どうしよう・・・」


泡を喰ったコハルが息も切れ切れに訊く。


「どうするもこうするも・・・なっちゃったんだから」


腕を組んで考えている真似をするマリア。

本当は仲間を見つけられて喜んでいるのだが。


「結界ももう直ぐ消えるから・・・帰らないとね?」


変身を解くように勧めて、コハルがどうするのかと様子を観る。


「うーんっ、魔法少女ってもっとこう・・・何て言えば良いかなぁ。

 ひらひらのスカートとかを穿くものじゃないのかなぁ?」


・・・ジト目でコハルを観てしまう。


「それにもっと可愛らしいステッキとかを持ってるものじゃないのかなぁ?」


・・・ジィ~トォ~


「ねぇマリア、魔法の服だったらさぁ、変えれないのかなァ?」


・・・ブチ


黙って聴いていたマリアが水晶銃をコハルに向けて。


「あのねぇ、遊びで魔砲使いなんてやってられないんだから!

 服にはそれぞれの属性が宿っているものなの!

 服が気に入らないのなら、技を磨くしかないんだから!解りましたか?!」


脅し文句の様に叱りつける。


「だぁ~ってぇ・・・パンツなんだもん・・・ブツブツ」


叱られたコハルがイジイジと指を弄んで愚痴る。


「あ・・・なるほど。そーいうことね?」


ポンっと手を打ったマリアが。


「大ジョーブ!結界の中でなら、敵しか観てないから!」


「あ、そーか!それならいいかな?」


・・・


眼を合わせた二人が同時に、噴き出した。


「あははははっ!コハルようこそ魔砲少女の世界へ!」


「あははっ!お願いしますせぇーんぱぁい!」


碧と紅の魔法衣が躍る。


掴んだのは魔砲まほう

蘇ったのは魔鋼マギカメタル


そして手を取り合うのは、仲間しんゆう・・・


挿絵(By みてみん)



やはりというか。

圧倒的な戦闘能力を女神ミハルが見せつけた。


だが、コハルが変身した瞬間をマリアは見ていなかった。観れなかった・・・

もう一度変身する時は目を離さないで於こうと誓うのでした・・・


次回 魔鋼の魔女っ子 Act4

それぞれの想いを君達は話す・・・そう、その意味が持つ重さを知る事になっても・・・


ミハル「ミリア、あなたはどうして悲しき眼で見詰めるの?何があなたにあったというの?」


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