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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第1編<輝け!魔鋼の少女>
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魔鋼の魔女っ子 Act2

マリアはコハルに宿る者の正体を知った気になる。


コハルに宿る者の正体とは?!

なぜ女神がコハル自身に宿れなかったのかをも・・・

叫んでしまってから気付いた事がある。


マリアはコハルの中に宿ったと言う紫色の光の正体に。


「コハルに宿ったのが闇だとすれば、なぜ奴等は捕らえようとしているんや?

 ファーストだとすれば、なぜ自らの下僕に囚われねばならないんや?」


闇の者達が挙ってコハルを追い求める訳は・・・


「コハルに宿ってるのが闇の化身では無いという事になる。

 少なくても覚醒しているのとは違うという事になる・・・

 自らが闇の者だとは認識していない事になる?!」


闇の者達はコハルに宿った力を欲しているのだと。

覚醒を促すか、若しくはその力を無理やり自分達の物にしようとしているのだと。


「そうか、それで女神はんはコハルの魔法石に宿ったんか。

 闇の者からコハルに宿った力を護る為に!」


ネックレスを覗き込んで気付いた。

蒼き魔法石はコハルを護る為だけではなく、世界を闇から護らんが為に譲られたのだと。


「前にコハルが言ぅていたリィーンちゅぅ人も、気付いていたんやな。

 コハルの異能ちからの事を。

 コハルが受けてしもうた宿命って奴を・・・」


コハルに宿るのは確かに悪魔の呪いなのかもしれない。

だが、異能ちからは覚醒を迎えてはいない。

それを喰い止める為に女神は宿った、蒼き魔法石へ。


そう考えるのが筋だと。


悪魔の異能ちからを宿し、女神の加護を与えられた少女。

もしも悪魔として覚醒するのであれば、ネックレスが拒むだろう。

幸いにして悪魔が目覚めなければ、女神が守護し続けるだろう。


「そうか・・・それが本当なら。

 世界は闇から救われる。悪魔の復活なんて起こり様がない!」


女神の片鱗を観た事で、マリアの心は力強くそう思えた。


女神ミハル様、どうかずっと・・・ずっとコハルを護ってやってください」


願いをネックレスに告げ、


「ウチも及ばずながら護り続けますから。

 魔砲少女として・・・守るべき人を護る者として」


想いを新たに言い切った。





「なんで?マリア、抱き着いてるのぉ?!」


想いを胸に、コハルを抱きしめていたのだったが。


「ふむ・・・なかなか・・・柔らかいな」


ピクピクするコハルを無視して、


「こんなに柔らかいとは・・・お目覚め?」


ムニムニ身体を揺すり、気が付いたのかと聞いたのだが。


「なにやってるのよマリア!他の人に変な目で見られちゃうでしょーっ!」


全然気にも懸けていない・・・というか。


「コハル・・・気絶してたんとちゃうんか?」


訳が判っていない。

唯、眼を開けていただけだと思っていたのだが。


「ちゃんと起きてましたから!

 マリアがなんだか訳の分からない事を言ってたから黙って聞いてただけ!」


本当にそうなのか?


「だって、アタシに悪魔が宿ってるとか女神様が光臨したとか。

 二つも宿られたら二重人格どころか3重人格じゃない!」


そう考えるのか?


コハルの答えにマリアの方がキョトンとする。


「アタシはアタシなの!他の誰でもない、コハル様なのよね!」


間違ってはいない。何も可笑しくはない。

唯、そう願いたいとは思う。


「そ、そうやな。コハルの言う通りなんやな」


「でしょーっ?!」


朗らかに笑うコハル。

自分に対して向けてくれる笑顔。

この微笑みが永遠に、自分へ向けてくれると願わずにはいられない。


「ま、そうやったら。このまんまのコハルで居てぇーや?」


ポンと肩に手を添えて、マリアも笑い返した。


時間にしてどれくらい要したのか。

分かったのは、もう無理してファーストを探す必要が無いという事。

そして自分が護らなければならないモノを見つけれた事。


マリアは漸く自分の居場所が判ったと思った。


「コハルを護り、コハルを助け出す・・・そうや。

 それがウチに与えられた運命なんや!」


宿られたコハルを闇から護り、闇から解き放つ。

心に秘めた約束を、一人の魔砲少女が誓った。





「マリア・・・ちょっといいかな?

 あれって・・・なんだか分かる?」


不意に。

突然に緊迫した声が聞こえてしまった。

コハルの口から・・・


「なんや・・・?」


振り向いたマリアの眼に飛び込んで来たのは。


ブロック塀の上に佇む、黒い影。

しかも、白昼堂々と。


人形をした影はマントを被り、包帯塗れの姿を顕わにしている。

既に周りは赤黒いベールで覆われ始めていた。



「アカン!こんな白昼堂々と戦える奴なら、相当な実力の持ち主なんや!」


咄嗟にコハルの手を掴み逃げ出す。

闘えば倒す事も出来るだろうが、こちらも手痛い痛手を被る。


しかも、今はコハルに宿る者の正体を知ってしまったから。


「逃げるんやコハル!」


手を曳き逃げる、後ろも振り返らず。


だが。


「そんな・・・もう?」


赤黒い結界に取り囲まれ、逃げ場を失った。


「闘うしかないのか?!」


マリアはリュックに入れてある水晶銃を掴みだすと。


「コハル、ウチの後ろから離れたらあかんで?」


呆然と口を利くことの出来ないのか、黙ったままのコハルに命じた。


「護ってみせる!女神はんの助けがなくったって!」


構えた水晶に異能ちからを求め。


「我と共に闘え水晶!」


変身トランスフォーメーションを唱えた。


紅いベールが少女を包み隠す。

黄緑色の髪飾りが金色を纏い、ピンク色のマントが翻る。


紅い髪、マリンブルーの輝きを放つ瞳。


魔砲少女は紅きマントを翻して攘誕ジョウタンする。


「紅き情熱のマリア、闇を撃ち祓います!」


掲げた水晶銃に魔鋼のカートリッジが装填される。

水晶銃が碧く光り、魔鋼ちからが籠められた事を表した。


「コハル!今の内にどこか安全な場所へ!」


隠れなさいと言ったつもりなのだが、当のコハルは固まったみたいに動かない。


「どうしたのコハル?!早く!」


促すマリア目掛けて敵人形から鍵爪が襲い来る。


コハルの盾にならんとする魔砲少女が鍵爪を防いだが。

繰り出されてくる次なる手に、マントを引き裂かれてしまった。


「くっ?!やはり手強いっ?!」


防戦するマリアは、コハルに手を伸ばす相手を牽制するのがやっとだった。


「このままではいずれ・・・」


二人共敵に打ち負かされて・・・


「だったら・・・せめて相討ちになれば。コハルだけは護れる!」


自分を身代わりに、盾になってでもコハルを護ろうと考える。

そうする事しか今の自分には方法が無いと。


「コハル・・・」


気絶でもしているのか、動かないコハルに別れを告げようとした時。


「駄目だよ、駄目なんだよ。諦めちゃ・・・」


コハルの口から・・・ではなく。


女神ミハル様?!」


蒼き魔法石が光を放ち浮き上がる。


「今は精神世界の端に位置しているから、姿を見せれないの。

 力だって晒せない・・・でも、あなた達を護らねばならない。

 このきぼう女神ミハルは!」


蒼き石がコハルの頭上にまで飛び上がると。


「もう・・・託すしかないの。

 本当はもっと光あふれる世界で託したかった・・・

 だけど、赦せない!友を庇おうとする子に危害を加える闇なんて!」


蒼き魔法石が双璧たぐいまれたるひかりを撒き散らした。


「我が名は女神ミハル

 この子の名もミハル!

 私の力を授け、私に成り代わって闇を討伐する魔鋼の少女!」


光の中から現れたのは。


白き魔法衣に包まれた蒼き髪の戦士だった。


蒼き髪、コバルトブルーの瞳を闇に向けて輝かせる。


白い魔法衣に大きな紅いリボンが胸元で揺れている。


蒼いラインが入った上着<胸部装甲>・・・


ゆっくりと右手が上げられ、指すのは闇の者。



「この子に宿る力は闇を討つ。

 私はミハル・・・この子と同じ名を持つ女神ミハル。

 闇の者よ、闇に戻るのなら覚えておくが良い。

 この地に戻りし女神が居る事を。少女達に危害を加えるのなら容赦はしない。

 この子に託した力に因って、お前達の野望は潰えるのだと心しておくが良い!」


女神ミハルの声が精神世界となっている結界に響き渡った。


女神ミハル様・・・?」


マリアは目を疑う。

今、目の前に佇んでいるのはコハルのままだったから。

以前に見た女神とは別物だったから。


「あ、この姿はね。この子が持つ属性を模ったモノらしいのよね。

 ちょっとばかり子供じみてるけど・・・まぁ、それはそれで・・・」


苦笑いするのはコハル。

女神の顔じゃない、いつものコハルの顔だった。


「しょうがないのよ、ここは結界とはいっても完全な精神世界じゃないから。

 姿を見せれるのは無理なんだ。だから・・・ね?」


コハルに宿ったミハルが。


「この子は今眠っているんだよ。初めの一回だけ、私が闘ってあげる。

 その記憶だけは身体に残しておく事にもするから・・・観ておいてね?」


変身したコハルの身体を使うという女神ミハル

マリアに微笑んでから、闇へと振りかえり。


「どうせ、帰る気なんてないんでしょ?

 この子の姿のままだから・・・小馬鹿にしているんだよね?」


右手にネックレスを掴んだコハル=ミハルが闇を睨みつける。


「だったら、受けてみる?

 女神わたしの魔砲を・・・ハンパないからね?!」


力を出せないと言っていた女神が、自信たっぷりに言い切った。


「だって、この子にも流れているんだもの。

 私と同じ宿命さだめの血が、お母さんから受け継がれた・・・」


コハルの蒼き魔法石が変化する、一瞬で。

二股に先端が別れた槍へと。


「月の女神ミハル異能ちからを・・・ね!」


金色の光が辺りを震わせる。

金色の力が辺りを照らす。


挿絵(By みてみん)


そう、姪の身体を使ったミハルの号砲が、今・・・放たれる!



女神ミハルが力を預けた。

いや、女神がコハルになった・・・


放たれるのは女神の力?

撃つのはコハル自身の魔砲?


マリアの目に映るのは?!


次回 魔鋼の魔女っ子 Act3

君は新たな魔砲少女の光を目撃する!


ミハル「放つのは魔砲。撃ち払うのは神のひかり。私は真実を求める女神ミハル

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