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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第2編 <魔鋼学園>
156/219

決闘!ゴットランド 第5話

黒ニャン現る!


そしてやっぱり・・・ミハルは損な娘!

ダックマンはミハルが構えたまま動かないのに苛ついていた。


ー なんだ?!なぜ構えも見せずに動かないのだ?


隙だらけにしか見えないが、もしかするとそれが構えではないかとも思えて来る。

実力の程はアトラクションの中で観てきた。

黒髪の少女は役者達を悉く一太刀で斬り伏せた・・・魔法を放ったかのように。


遊具のライトサーベルを一閃する毎に、斬り倒していたのだから。


ー たったの一太刀で勝負を決める気なのは間違いないだろう・・・


観てきたことから考えて、ダックマンは迂闊に手を出し兼ねていたのです。


「くくくっ!そうは問屋が卸さんぞ!」


敢えてここは黒髪の少女が焦れるまで待つ事にしたみたいですね。



石柱の上で見下ろすアヒルの着ぐるみ VS モップを片手に持つミハル

勝敗や如何に?!


乞う!ご期待あれ!



・・・・って。


あの?!両者動かないんですが?






宝珠の中から飛び出て来たのは黒ニャンコダマの姫御子コハル。

勿論、ミハルの身体の中での話ですけどね。


「ミハル!アイツから闇の気配を感じるの!」


突然耳にではなく頭の中に話しかけられたミハルが身体を硬直させる。


「だっ誰?!どこかで聴いたような声だけど?」


口に出したのではありません、だって身体が固まっているのですから。


「ミハル・・・私だよ。大魔王の姫御子コハルだよ!」


「・・・とうとう空耳が聞こえるようになっちゃったか・・・」


信じていないのか、それともボケたのか?


「真昼間で、おまけに廻りに一杯人が居るのに・・・現れ出る筈が無いもん」


信じていないようですね・・・


「うにゃぁっ?!ボケられちゃった!

 今はボケてる場合じゃないのよミハル!相手は闇の属性を持つ魔法使いニャのよ!」


黒ニャンは必死に説明しようとしています。


女神あおニャンからミハルを護るように頼まれたのニャ!

 こんな姿になってるから分からニャいかもしれないけど!」


ニャ語を話しかけて来る黒ニャンに、ミハルは胡散臭いと疑いをかけて。


「さっきからニャーニャー言ってるけど。

 本当のコハルちゃんだったら、アタシよりしっかりした口調で話すわよ?」


「ニャァーっ?!まだ信じてくれないニャー?!」


・・・だから、コハル。黒ニャンになった経緯を教えないと。


「うう~っニャンてことニャの・・・一から説明してるほど時間はないニョよ?!」


頭に響くニャ語に、いい加減ミハルも癇癪を起しそうですよ?


「あなたねぇ・・・そのニャーニャー言うの辞めてくれないかしら。

 でないと・・・頭の中から噴き跳ばすわよ?」


「ニャっ?!・・・分かったニャ・・・シクシク」


あ~あっ?!コハルを泣かせちゃった。

と、言いますか。いつの間にやら言葉使いがミハルじゃ無くなっているような?


「えっ?!あれ?どうなってるのコレ!」


気が付いたようですねミハルも。


「にゃははっ!ごめんねミハル。女神様の言い付けだから躰を貸して貰うわね」


やっと身体が動いて言葉が出ました。

勿論、コハルの声が出ていたのです。


「ニャによコレぇ?!どうしてアタシが毛玉になってるのぉ?!」


悲鳴をあげるミハル・・・損な?!

強制チェンジさせられ、魂に封じられたミハルが自分の姿に驚愕したようです。


「黒いニャンコダマって・・・おばちゃんっ!またコハルちゃんに悪いことしてるんだね!」


流石、察しが良いミハルです。

ですが宝珠からの返答は来ませんでした。


「おニョれ!伯母ちゃん謀ったニャー!」


黒ニャンにされたミハルが、身体の中で吠えていますけど?


「はいはい、ミハルはそこで大人しくしててね。

 私が闇の魔法使いから護ってあげる、大事な者を・・・ね!」


あれ?!そうでしたっけ?

コハルはミハルの欲望を知らない・・・みたいですね?


「コハルちゃん・・・あにょ。言い辛いんだけど?」


「うん!ミハルは黙って待ってて。アイツから闇を切り離すからっ!」


あーーーーーっ、完全に思い込んでしまってますね。

コハルは人を疑う事に慣れてない・・・大魔王の姫御子なのに、清純過ぎますね?

蒼ニャンから訊いたとこを鵜呑みして、ミハルを護る為だと信じ込んでいるみたいです。


「そ、そう?・・・じゃぁコハルちゃんに任せるニャ?!」


黒ニャンになってしまったミハルが、身体の支配権を移譲しました。

これで完全にコハル復活・・・いや。

まだですっ!


「ミハル・・・これを外しちゃうからね?」


モップを取り落として、コハルが紅いリボンに手をかける。


「闇避けのリボン・・・外すからね」


そうです!コハルは未だ闇の属性を誇示する者ですから。

お祖母ちゃんから貰った紅いリボンを着けている訳にはいかないのです。


「コハルちゃん・・・捨てたら駄目ニャよ?」


「分かってるわそれくらい。お祖母ちゃんから頂いた大切なリボンだもの」


お祖母ちゃんっ子のコハルですから、宝物なのでしょう。




 シュル・・・・



紅いリボンが解けると・・・


「これで半分は闇の力が使えるよミハル」


呟いたミハルの顔がコハルと入れ替わる。

殆ど瓜二つだから解りかねるが、二人の異能ちからが混ざり合ったのが判る部分があったのです。


「左目に映ってるんだよ、あなたが持ってる闇の魔法力がね」


コハルの瞳と同じ。

紅く輝く瞳の色。


チェンジした今、コハルの魔力を受けて左目が赤く染まっていた・・・


挿絵(By みてみん)


右目は元からの蒼いままで、左だけが赤く光っているのです。


「着ぐるみの中に居る人に言っておくわ。

 剣術の前に、心を取り戻さないといけなかったのよ。

 人であり続けたいと思っているのなら・・・ね!」



ミハルだった者が、身構えて言い放った。

黒髪を靡かせる少女がアヒルの着ぐるみに構えた!

素手で・・・真剣を両手に携える者に。





「なっ?!なんだと?」


対峙している少女がモップを手落した。


次の瞬間、今迄感じていた虚ろ気な雰囲気が変わった。

まるで別人のように、まるで人が変わったかのように。


紅いリボンを解いた少女の黒髪が、風もないのに靡いたのが判る。


「なるほど・・・やっとやる気になったという事だな」


着ぐるみの中でニヤリと嗤う。


「そうでなくてはいけない。やっと相手になると決めたんだな!」


コハルの出現を知らないダックマンが吠えた。

闘う意思を確認し、今迄とは違う少女の表情を観て・・・


「むぅ?!瞳が・・・色が、代わったのか?」


今の今迄黒味を帯びて蒼く光っていた左の瞳が、赤みを帯びているのが見えた。


「それが戦闘色って奴なんだな?

 本気を出す証って奴なんだな!」


細く笑むダックマンが、両手の剣をクロスさせて構えた時。


「最期に言っておくから。

 手加減なんてしなくても良いわよ、着ぐるみの中に居る()()()()()よ!」


少女から戦闘開始の合図が放たれた。


「ほざけ!得物も持たずに真剣が受けれるものか!」


吠えるアヒルの着ぐるみが、石柱から飛びかかった!

真一文字に斬りかかるダックマンと、何も持たないミハルに宿る姫御子コハル。


勝負は一瞬で決まる筈。

もしコハルが防御出来ないのなら、ダックマンの剣を防ぐ手立てが無いのならば。

これは?!

まさかの乗っ取り!

黒ニャンコダマがとうとう人間界に?!


一方ミハルと言えば・・・喜んでないか?


次回 決闘!ゴットランド 第6話

これは?!もしかして?まさかの・・・時を司る魔法?

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