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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第2編 <魔鋼学園>
155/219

決闘!ゴットランド 第4話

蒼ニャンと黒ニャン・・・


なにやら動き始めるようですね?

真剣・・・二本の剣を持つアヒルの着ぐるみ。

対峙するスポーツウエアの少女は、半分に切られたモップを手にしている。


取り巻いた観衆から、やんやの声援が飛んで来ていた・・・のですが。



「こりゃぁ~、ミハルも目立ってもうて仕方ないやんなぁ」


「そっだねぇ~、ミハルぅファイトぉ!」


「ねぇさん辞めときなよぉ」


観衆に呑まれる3人が、停めることも出来なくなる程の人垣が造られてしまった。


「周りの人達は、アトラクションだと思い込んでるんやろな?」


「それは・・・どう見てもそう思うよ」


「にゃははっ!ミハルぅ~やっちまえーノラ!」


二人を余所に、ノーラだけが盛り上がってるようです。


石柱の上に佇むダックマンが、少女に剣を向けている。

他の場所で同じ光景を観ていたのなら別だが、ここはテーマパーク内。

着ぐるみが本物の剣を持っていたにしろ、パフォーマーとしか映らないだろう。


観衆達は少女がアトラクションで最後まで残っていたのを知ると、余計に迫真の演技を求めて来る。


「早く斬りあえよ!剣戟ってやつをみせてくれよな!」


「そうそう!どうせダックマンが勝つんだろうけど、そこのチンチクリン娘も頑張りなさいよー!」


「そういやその、さっき最期まで残ってたんだよな?

 それもアトラクションの一部だったのかぁ?」


勝手な事を観衆達から浴びせられ、停め様がなくなってしまった・・・


「ひん・・・恥ずかしいし、情けないよぉ」


モップを持ったままミハルが嘆く。


「誰でも良いから、この状況を何とかしてよぉ?!」


なまじ対峙してしまった自分が恨めしい。

折角の休日だったのに、なぜこんな目に遭わなきゃならないのか。


「こんな事になるなんて・・・リィーン様人形が欲しかっただけなのにぃ」


・・・まだ言ってますが。


「なにをぶつくさ言っている!

 お前がその気にならなきゃ始まらないんだぞ!」


シクシク泣いているミハルに、ダックマンが剣を突きつけて。


「アタシを倒さなきゃぁ人形は渡さないし、お前は切り刻まれるんだぞ!」


物騒な言葉を投げて来るアヒルの着ぐるみ。

言葉だけじゃなく切っ先も危ないんですけどね。


「お前が闘うのを躊躇うのは、自信がないのではないな?

 目立つのが嫌なだけなのか?それとも他に理由があるのか?」


何時まで経っても構えようとしないミハルに、ダックマンは苛立ち・・・


「それなら仕方がない。

 貴女が闘わざるを得なくしてやろうじゃないか!」


剣先をノーラに向けて来たのだ。


「にょっ?!アタシを斬るつもりなんだぁ!きゃーきゃー!」


・・・喜んでますけど?ノーラは。


「ほざいていろ!そこの赤リボンの娘が闘わないのなら、お前を最初に斬ってやるぞ!」


「きゃーきゃー!斬られるぅ~」


全然切迫感がないノーラ。


「もしかして・・・本気でノーラちゃんを斬る気なんじゃないでしょうね?」


お・・・ミハルの口調が変わった?!


「アタシになら剣を向けても良いけど。

 友達に剣を突きつけちゃったら・・・許さないよ?」


おお?!ミハルが怒った?


「アタシを唆す為に、友達を出汁にするのは・・・いけないんだよ?!」


モップを持っている手が振り下ろされる・・・闘う意思を見せている。


「そうか?!ならば今から闘えば良い。

 そうすればお前の友達には手を出さないと約束しよう」


ダックマンが剣先をクロスさせて凄んで来た。


「そう・・・それなら良いけど。

 その姿のままでアタシに勝てると思うのならね」


着ぐるみを被ったまま闘おうとしているダックマンに、ミハルが最後通牒を与えた。

つまり、ダックマンの剣術を見切っていたのか?


「ほざけ!着ぐるみを着た状態だからと言って、貴女に負けるとでも思ったのか?」


「言っておくけど、アタシを怒らせちゃったら・・・タダじゃおけなくなるよ?」


睨みあう二人の間に緊張感が奔る・・・かと思いましたが。


「リィーン様人形・・・貰うからね!」



 ズベッ



ダックマンも友達3人も、ずっこけましたとさ。


まだ・・・ミハルは拘ってるようでした。







「あのぉ・・・青ニャン?」


黒毛玉状態のコハルが呼んでいます。


「なによ、その青ニャンってのは?!」


蒼ニャンコダマが振り返る。


「いやあの・・・呼びやすそうだったから。

 私は黒ニャンコダマだし、女神様と区別するのはちょうど良いかなって?」


「青ニャン・・・いいわ。そう呼べば?」


何やら女神も納得しているようです。


「はい。じゃ・・・青ニャン。どうしてこんな所に連れ出したのですか?」


コハルは文句が言いたいようです。


「やっと餡ころ餅が造れたと思ったのに・・・食べたかったのに」


あ・・・そう言えばミユキお祖母ちゃんと造るって言ってましたね?

もしや・・・途中で連れ出されて怒っているとか?


「食い気魔神か、コハルは!

 この状況をどう見ているのよ、ミハルがピンチなの見りゃー分かるでしょうに?!」


おや?そう言えば二人はどこに居るのですか?


「相手が着ぐるみだからって油断しているのよ姪っ子は!」


「どう見ても…そうとしか思えませんけど?」


まだブチブチ帰りたそうに言うコハルに、女神がミハルの<蒼き宝珠>からダックマンを指して。


「良いことコハルちゃん。あの中に居る者は闇の力を持った魔法使いよ!」


「はぁ~っ、闇の魔法使いですか・・・・ええっ?!」


やっと状況が飲み込めたようですコハルにも。


「ほっ本当ですか?私には何にも感じられませんでした!」


惚けた着ぐるみと対峙しているとは思っていたが、まさか闇の魔法使いとは思ってもいなかったと。


「それじゃあ、ミハルも気付いていないんじゃぁ?」


「まさに・・・それよ!」


コハルが訊き直すと、青ニャンが断じた。


ダックマンが闇の魔法使いだとすれば、ミハルに間違いなく危害を加えて来る。

まして、ここは人だかりの多い場所、周りの観衆にも被害が及ぶ恐れがあった。


「た、大変です青ニャン!この場所ではミハルの異能を示せないのでは?」


コハルはミハルの能力を衆人環視の元に曝け出す暴挙を見逃せないと言う。


「まさに・・・それよ!」


黒ニャンコダマは、連れて来られた訳を納得した。


一般の人に魔法を曝け出せば、事態は一挙に不都合になる。

ミハル個人もそうだが魔法を世間に晒せば、とんでもない事にも為り兼ねない。


「どうしましょう!陰から護るって言っても・・・」


「まさに・・・それよ!」


・・・・・他に云う事はないんですか?


ごほんっと青ニャンが咳払いしました。

黒ニャンが女神の一言を待っています・・・


「まさに・・・そこが問題なのよ」


答えになってませんが・・・


「あの?どういうことでしょうか?」


ほら、突っ込まれた。


「うおぉっほんっ!人間界に魔法が蘇っているのを大概の人はまだ知らないわ。

 まして私達の存在なんて、知られちゃぁいないのよね。

 もしもミハルが魔砲なんて放とうモノなら一大事。

 世間にあっという間に広がってしまう・・・勿論悪い意味で」


「なるほど・・・隠密剣士になれってことですね?」


おお?!察しが良いのか、はたまた思い込んだのか?

青ニャンは静かに頷きました・・・黒ニャンが返して来た事に。


「その通り。

 ここは黒ニャンの出番。私が干渉すれば光が零れ出る事になるからね。

 元々宿っていたコハルちゃんなら、ミハルとシンクロしても問題が無さそうだから」


「にゃるほど!元の鞘に収まれと・・・

 闇には闇の力で対抗すれば良いと!」


御明察!流石は大魔王の姫御子コハルであーる!


・・・とは、口が裂けても女神あおニャンは言わないが。


「そう言う事。コハルちゃんを出張らせてきた甲斐があったわ」


いや、連れだして来たのは青ニャンでしょうに?


「分かったかしらコハルちゃん。

 あなたがサポートしてやれば鬼にカナブン・・・金棒。

 あのフザケタ着ぐるみを成敗して来なさい!」


ビシッと青ニャンが命じました。


挿絵(By みてみん)


「らにゃぁっ!」


ビシッと・・・黒ニャンが応じました。



その様子を陰から見守っていた剣士グランが腕を組みつつため息を溢していましたが。


「ミハル・・・お前って奴は。

 いくら<自分も餡ころ餅が食べたい>って思ったからって、コハル様を出汁に使うなよ」


ふかぁーく嘆いています。


「ほぉーほほほっ!何の事かしらぁ(冷や汗)」


蒼ニャンコダマはしらばっくれて笑うのでした。


・・・だんだん女神オリジんミハルが闇落ちして来たような気がしてます・・・

「らにゃぁっ!」・・・・だとぉ?!

黒ニャン・・・また蒼ニャンコダマに騙されてるんだよ?

たぶん・・・タブンね!


一方ミハルは?

ダックマンと闘うのか?闘わないのか・・・どっちやねん?


あ。思わず地が出た・・・・w


次回 決闘!ゴットランド 第5話

ダックマン・・・もしかして君は?!魔法使いなのか?!

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