決闘!ゴットランド 第3話
アヒルの着ぐるみを被った敵?!
ミハルは闘わざるを得ないのでしょうか?
ダックマンが躍りかかって来た・・・が?!
「はいっ!次の組が入場しまーす!」
アトラクションの係員がミハルを連れ出しに来てしまったのです!
「えっ?!嘘っ?」
退場を求める係員に抱えられるミハルに斬りかかる事も出来ず・・・
べしゃん・・・・・
アヒルの着ぐるみは・・・顔面から落っこちて?
「なっ?!なんで・・・こうなるのよ?!」
突っ伏したまま、ダックマンが悪態を吐いている・・・のでした。
「ミハルぅ~っ、残念やったなぁ」
連れ出されたミハルがしょげかえっているのを見て、マリアが慰めるのに。
「にゃはははっ!どんまいどんまい!」
ノーラは大笑いしています。
「ノーラ姉さん、嗤い過ぎだよ」
姉を注意するローラが、救いですねタブン。
がっくりと肩を落としているミハルに、3人が口々に元気つけようとしていますが。
「うん、時間制限があったから・・・しょうがないんだけど」
「そやそや。時間があったらミハルが完全制覇してたやろな!」
うんうん頷くマリア。
「きっと・・・本気で闘う事になったんだろうな」
「うんうん!本気で闘えばミハルが勝ったノラね!」
間違いないと言い切るノーラ。
「魔法戦にもなってかもしれないよね」
「ほうほう?魔法戦に・・・って?!なに言うんですかミハルさん?」
びっくりの発言にローラが問い質す・・・と。
「折角の休日なのに・・・闘う様に仕向けられちゃったんだよ」
「えっ?!(×3)」
ミハルの発言に、3人が訳も判らず訊き返した時。
「待ちなさい貴女!
ここからはアトラクションなんて関係が無いわよ!」
甲高い声が降って来た。
「貴女との勝負、きっちりとつけさせて貰うから!」
3人が振り仰いだ先に居たのは・・・
「あああっ、やっぱり。こうなっちゃうんだよねぇ?」
肩を落としてミハルが嘆いた。
いつの間にか現れ出たダックマンが、園内に建てられてある石柱の上に佇んでいる。
着ぐるみのアヒルスーツ姿のままで。
「き・・・緊張感ってモノが・・・ないな」
マリアが呆然と見上げてる。
「ま、まぁ。これもアトラクションの一部なのかな?」
ポカンと見上げているローラが訊いて来た。
「にゃはは~っ、ウケるぅ~!」
ノーラは完全にアトラクションの一部だと認識したようです。
「これってつまりなんだ・・・時間延長って奴なんか?」
「いやぁ~、そこまで優遇してはくれないでしょ?」
「ひゃははっ!やっちゃえミハルぅ~!人形ゲットノラ!」
約一名、煽ってますが。
ミハルはため息を吐くと、ダックマンに質したのです。
「あのぉ?あなたをやっつけたら・・・リィーン様人形を貰える?」
・・・そこかぁ~いぃっ?!
<そんなに・・・欲しかったの?> と、全員がミハルをジト目で観てますよ?
「だっ、だって・・・欲しいんだもん」
・・・だ、そうですが?如何しますダックマンさん?
「くっ?!貴女・・・本気でそう思ってるの?」
流石のダックマンも訊き直さねばならないでしょう。
「本気もモモノキもないわ!
アタシはその為にアトラクションをやったんだから!」
・・・まぁ、不純な動機ではないが。
「むむむっ?!もしかして、貴女本気なの?」
まだ・・・疑われてますが?
「日ノ本でアタシのアトラクションを完遂した人はいない。
その第一号になって有名になりたい・・・んじゃないの?」
「は?!なにそれ?アタシはリィーン様人形が欲しいだけですけど?」
二人の視線が火花を・・・散らさない。
ひゅぅううううぅ~~っ
二人の間を風が過っていきました・・・
「あのぉ・・・お二人さん。これからどうする気なんや?」
傍で観ていたらギャグにしか思えないから、マリアが不毛な言い合いを停めに入った。
「人形が貰えないのなら闘う意味がないもん!」
自己主張をするミハル。
「マッ待て!これだけ前ふりしておきながら闘わないのか?」
何としても闘いたいダックマン。
柱の上を見もしないミハルが、決め台詞を言いました。
「貰えないなら・・・ヤダ!」
「なっ?!」
驚愕するダックマン?!
「こ・・・こうなったら!意地でも闘わせてやるわよ!」
強硬手段に訴えるのも辞さなくなったのか?
「貴女の躰を切り刻んであげるからっ!この剣でね!」
おおっ?!もはやアトラクションではなくなった!・・・のか?
何処からともなく二本の剣を取り出し、両手でクロスに構えるダックマン。
「おい・・・あいつ。マジで切れやがったのか?」
ダックマンが掴んでいる剣を観たマリアが、白刃が本当の剣だと分り・・・
「おいっ、冗談は止せ。ここは一般の人達が遊びに来る場所だろーが!」
ダックマンという着ぐるみの中に居る者に忠告したのだが。
「ほ~いぃっ、ミハル。これでも使って!」
お気楽なノーラが、清掃作業中のおじさんからモップを奪って投げて寄越した。
「ああ~っ?!ワシのモップぅ」
損なおじさんが返してと手を伸ばしていましたが・・・
「ごめんねぇ~っ、もし壊れたらダックマンに請求してよねーノラ!」
ノーラはいけシャーシャーと拒絶した。
「わっ?!ノーラちゃん・・・ホントにもうっ!」
投げて寄越されたモップを取り、ミハルが柄の先をダックマンに向けた時。
ビッ!
ダックマンの剣が薙ぎ払われた!
コロリ・・・・ン
一刀のもとに切断されたモップが転がっていく・・・
「ふはははっ!どうする?!次は貴女を斬るわよ?」
ダックマンが一撃を与えて、再び石柱の上に飛び上がりました。
これでダックマンの剣が真剣だと確認できた訳ですが。
つまり・・・遊びじゃないと判ったのです。
「貴女が負ける時・・・タダでは済まないわよ?」
自分が負けるなんて、一言も告げない。
自信を窺わせる着ぐるみダックマン。
「そう、闘わなければね・・・死んじゃうかもね?」
ダックマンは本気でそう言ったのか?
だって・・・ここってテーマパークじゃん?じゃん??
「おい・・・マジかよ?」
マリアが咄嗟にミハルを庇おうとしたが。
「あ、マリア。ちょっと待って!」
周りを観ていたローラが停める。
ざわざわ わいわい
周りにはいつの間にか、人だかりが出来ていた。
「みんなアトラクションだと思い込んでるみたいだね?」
「なっ?!なんだとぉ?」
ローラはマリアを停めて、注目を浴びているよと教えてくれた。
「にゃははははっ!ミハルは有名人になるぅ~ノラ!」
はた迷惑なノーラには受けているようですけど・・・
「ど、どないするんや?ミハルをほっとけへんやんか?!」
相手は真剣を以って闘おうとしているのだぞ・・・と。
二人に停めるべきだと、マリアが言い返したのですが。
「いやぁ、もう無理だよマリア。あれ・・・見て」
ダックマンに切られたモップを、構え直したミハルを指し。
「本気で闘う気になったみたいだよ、ミハルさんも」
ミハルの眼が蒼く輝いているのを教えて来た。
あらら・・・
なんだか雲行きがおかしくなってきましたね?
ミハルは強制的に戦わされるのでしょうか??
次回 決闘!ゴットランド 第4話
あのぉ~っ、蒼ニャンコダマの呼び方に不満が・・・え?!損な?