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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第2編 <魔鋼学園>
153/219

決闘!ゴットランド 第2話

久しぶりに羽を伸ばす4人組。


そこでミハルはチャレンジしました。

<リィーン人形>をゲットする為に(邪)

爽快な、やられ方をしてくれる。


紛い物のライトサーベルが触れただけで。

アトラクションとはいえど、プロのスタントマンだった。


「わぁ!そんな吹っ飛び方もあるんだぁ!」


逆に撫で斬ったミハルの方が叫んでしまうくらい、見事な倒れ方だってこと。


既に大方のチャレンジャーが脱落した中で、ミハルは一番目立っていた。


「この調子だったら、もう直ぐ手に出来るよね!」


そう。

ミハルが全力で挑むのには、理由があったから。


「リィーン人形は誰にも渡さないっ!」


・・・幾分邪なる理由でしたが。


チャレンジャー数人と、アトラクション係全員を撃破出来たら貰えるという等身大の人形。

<フェアリア>資本のラミルカンパニーが、造った王女リィーンを模した人形。

美しいドレスを纏う金髪の人形が、どうしても欲しくなったミハルが挑んでいたのです。


まぁ、チャレンジャーの中で本気で闘う人なんてミハル以外にはいませんけどね。


「おい・・・あの紅いリボンの。剣戟のプロじゃね?」


「ホントー、マジやってるー」


「笑えるぅー、完全に浮いちゃってるよねー」


アトラクションを映し出すテレビの前に、人だかりが出来始めた。


「あちゃぁ~っ、ミハルの奴完全にマジ切れしやがってるやん?!」


マリアが集まり出した人だかりから弾き出されて額を押さえてる。


「ホンと、完全に出来上がっちゃったね?」


ローラもテレビの中で剣を揮うミハルに頭を抱える。


「やぁ!そこだ!やるノラ!ほれ!ほれ!」


約一名、ノーラだけはミハルに同期シンクロしていますけど。


「残り二人だノラッ!これは完全ゲットだノラ!」


映し出されている残り人数を観て、ノーラが喝采を叫んでいます・・・が。


「此処までは行く人があるんだけど、問題はアトラクションの主だよねー」


「そうそう!ダックマンには勝てないと思うよねー」


集まった人の中から、アトラクションが完遂出来ない訳が零れだした。


「ダックマン?どんな相手なんですか?」


良く知っているらしい女の人に、ローラが訊いてみると。


「あら?知らないの。ここの主で二刀流のアヒルおじさんの事よ?!」


「二刀流?アヒルおじさん??」


女の人がアトラクションに書かれてあるポスターを指して教えてくれた。

ポスターに描かれた背広のアヒルは、二本の双頭剣を持っている。

が・・・強そうには見えない。


「なぁ~んだ、あんなのがボスキャラだったらミハルが勝てるに決まってるノラ!」


言い切ったローラに周りの人達が一斉に振り返ると、女の人が教えてくれた。


「あなた、ホントーになんにも知らないのね。

 あのダックマンに日ノ本剣道代表が負けたのよ?

 テレビや雑誌でもちきりになってたのを知らないの?」


「・・・ほえぇっ?!本当ですか・・・ノラッ?!」


やはり、ラミルカンパニーは普通じゃなかった?

単なるアトラクションなのに、本職でも敵わないと?


3人が見上げるテレビの中で、それが本当だと知らされる事になる・・・



「後一人だよね!どこに居るんだろ?」


もう室内に隠れる処なんて見当たらない。

不意打ちをかけられる状況にはない。


「早くしないと制限時間切れになっちゃうよ!」


アトラクションだから次のお客さんの為に時間制限がかかっていた。

タイムアウト・・・つまり完全撃破出来なければ、人形も貰えない・・・


「出てきてくださーい!最期の人ぉー!」


ミハルは焦り、呼び出して決着を着けたいと願ったのです。


「アタシっ!リィーン人形がどうしても欲しいんですっ!」


その・・・欲深き事・・・善き哉。


と、その時!


「あなた・・・日の本の剣士なの?」


どこかから呼ばれた。


「ここまで来たのは褒めてあげる。

 まぁ、遊びだからね・・・でも、アタシは違うよ?」


声は上から聞こえて来た。


「そこね!」


ミハルが咄嗟に見上げる。

天井から吊り下げられたライトを。


そこに居たのは・・・アトラクションの主だった!




「おーっ!遂に出て来たわよ。あれがダックマン」


ざわざわと観衆が盛り上がる。

画面にはミハルを見下ろしているパフォーマーが居た。

アヒルの着ぐるみを纏い、紺のスーツを着た・・・アトラクションを代表する剣士の姿があった。

両手にはそれぞれ剣が持たれ、辿り着いた者を阻まんとしている。


「あの中に居る人って、きっと世界王者か何かじゃないの?」


「いやいや。きっと魔法でも使えるんじゃね?」


がやがやワイワイ・・・


テレビを見上げる観衆は、勝手に盛り上がっていたのです。


「大丈夫かなミハルさんは?」


ローラが心配してマリアに訊くと、テレビを見もせずに。


「まぁ、相手がどうあろうとミハルは全力で挑むやろーな」


勝敗に拘らず・・・という意味で答えるのだが。


「ミハルぅー!勝たないとお昼ご飯奢って貰うからねーノラ!」


勝手な事を言うノーラは、どっちの味方なんでしょう?


3人が見詰めるテレビの中で、ミハルとダックマンの勝負が・・・






「残念だが。あなたの目論見は潰えたわ」


ダックマンから女性の声が知らしめて来た。


「ホントーに残念ね、良い動きしていたから勝負になると思ったけど・・・」


着ぐるみのダックマンから最後通牒が・・・




 ビビビィーッ!




「えっ?!ええええぇっ?!」


サイレンの音と共に、辺りが急に明るくなった。


「「時間制限です、お疲れさまでした」」


スピーカーからのガイダンスが無情に知らせて来た。


「あああああぁっ?!そっ、損な?」


がっくり肩を落としたミハルの上から、ダックマン役の声が落ちて来る。


「ホント、あなた・・・損な娘なようね」


お客に対しての言葉とも思えない。

通常なら慰めの言葉をかけて来る筈なのに?


「どうしても剣を交えたくなったわ。

 相手になってあげようか?こんな玩具の剣じゃなく・・・これで」


肩を落として脱力しているミハルへ、ダックマンが挑戦して来た。

しかも、手に取りだして来たのはアトラクションのライトサーベルじゃなく。


「この剣で・・・貴女の悲鳴を聞かせて貰おうかしらね?」


光を反射する・・・本物しらがねの剣だった。


「あの・・・もし、もしアタシが勝ったら人形が貰えますか?」


・・・こだわるちゃんなミハル。


「・・・無理」


・・・あっさり否定するダックマン。


「・・・じゃぁ、辞めておきます」


試合を断るミハルに、ダックマンはずり落ちそうになる。


「なぜよ!この雰囲気なら受けて立つんじゃないの?!」


ダックマンはミハルの態度が想定外だったのか、苛つく様に声を荒げるのですが。


「だって・・・それって真剣じゃないんですか?

 アタシこう見えても剣舞を心得ていますから、剣の見分けぐらい出来るんですよ」


あははと苦笑いを浮かべて、ダックマンを煙に巻こうとしたのですが。


「ほぅ?なるほどね。

 日の本に伝わる剣舞か・・・面白そうだな!」


ダックマンはミハルが背を向けて退出していくのを見下ろして・・・


「ならば!どうしても斬り合いたくなった!」


剣を閃かせて躍りかかって来た!




おやぁ?!なにか着ぐるみが出て来ましたが?

アヒルの着ぐるみ・・・ダックマン?


なにやらミハルに挑みたかってますが・・・・


次回 決闘!ゴットランド 第3話

勝負は意外や本当の勝負に発展?なぜ拘るんだろう?

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