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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第2編 <魔鋼学園>
143/219

闇を振り撒く者と輝ける魂<悪魔と神の狭間>第11話

漸く・・・中ボス戦もお終いです。


やっと、騒がしかった闇との間にも別れの時が?

何が起きたのかも分からない。

突然襲った頭痛に、気を失っていたから。


「あ・・・あたたたぁっ」


頭を抱えて痛みに耐える・・・何が起きたかも分からずに。


「どうしちゃったんだろう?

 コハルちゃんを待っていた筈・・・だったのに?」


消えたモニターを回復させようと、予備電源を知れべている時だった。

頭に衝撃を受けた感じがしたと思ったら、気を失っていた・・・


「まるで・・・誰かに殴り倒されたみたい・・・痛たたぁ」


たん瘤を押さえて、ミハルが蹲っていると。


「「あら・・・お目覚めのようね姪っ子ちゃん」」


頭上からニャンコダマの声が落ちて来た。


「あ、伯母ちゃん?!あたし・・・どうしたのかな?」


気を失う覚えが皆目わからないと訴えてみたら、頭上の女神ニャンコダマが言うには。


「「どうもこうも無いわ。姪っ子には観なくても良いってこと」」


「はぁ?!意味わけ・・・判んないんですけど?」


いや、待て。


「あのぉ?!その言い方だと・・・伯母ちゃんが?」


「「・・・黙秘権を行使します・・・」」


怪しい・・・いや、確信犯か?!


どうやらニャンコダマが怪しいと睨んだミハルだったが、どうして気絶させたのかを先に考えた。


ー アタシに観るなって・・・知られないように?

  それって、コハルちゃんの身になにかがあったの?


結論を導き出す前に訊いてしまう。


「ねぇ伯母ちゃん?!コハルちゃんはどうなったの?

 まだ戻って来ていないんだけど・・・何があったのか知らない?」


「「・・・とうに・・・帰ったわよ。闇の世界へ、ね」」


今度はあっさりと答えられた。


「えっ?!どうして?アタシには何も言わずに?」


さっきまで。気を失う前まではそこに居た筈のコハルが?


「どうしてアタシを気絶させたの?!

 コハルちゃんには、もっと聞きたい事があったのに?

 もっと一杯知りたい事があったのに、教えて欲しかったのに?!」


「「・・・だから・・・よ」」


ニャンコダマが目の前まで降りて来て、ミハルの問いに答えた。


「「あのは姪っ子と対する力を宿している。

  堕神の娘なのに、大魔王の姫御子・・・強力な闇の力を使う者。

  姪っ子ミハルには強力過ぎる闇を纏っているの。

  いくら<光と闇を抱く者>だからって、大魔王級の闇に浸蝕されかねないわ」」


友達として、同じ姿をする者として接していたミハルに忠告し、


「「あれ以上闇の力に触れていれば、あなたも同じ者となる。

  いいえ、あの子の力を観てしまえば、それを求めてしまい兼ねない。

  自分にも姫御子の力を手にしたくなってしまう・・・今では無くても」」


躰に宿らせていれば、お互いが求めあう事になりかねないと。


「そんな・・・だからって。

 あたしが欲しがるとは限らないじゃない?!」


観ても居ない姫御子の圧倒的魔力に、ミハルは言い返すのだが。


「「観なくて良かったのよ。

  もしも、ソレを観てしまったのなら。

  あなたはきっとあのを懼れ、やがて力を欲しがる筈・・・

  姫御子と同じ・・・闇の魔力というものをね」」


ニャンコダマはコハルへ、警告ともとれる注意を与えるのだが。


「あのは・・・コハルちゃんは?

 お別れを言ってくれなかったの?」


はぐらかす様にミハルが訊いた。

本当はいつまででも一緒に居たかったのに。


「「お別れ?誰と?お別れを告げる必要があるのかな?

  コハルはいつでも傍に居るし、いつだって現れるわ。

  姪っ子が強くなれればね・・・

  姫御子に勝るとも劣らないぐらい強くなれたらね」」


心の内を読んだのか、ニャンコダマがくるりと背を向けて教えて来た。


「強く?アタシにもっともっと強くなれって?」


紅いリボンを揺らすニャンコダマを見上げて、ミハルが訊ね返すと。


「「そう。それがあの子の願いでもあるのだから」」


背を向けたままの女神ニャンコダマが、はっきりと言い切った。


「強くなれ・・・そう言ってくれたんだ、コハルちゃんは」


頷くミハル。その願いは、幼き日と同じだと思えた。


「「・・・ちょろいわね・・・」」


ぼそっと・・・ニャンコダマが溢す。

背を向けているからミハルには分からないが、ニャンコダマは細く笑んでいた(←悪い顔)。


何かを感じ取っているミハルは、殴り倒された事を忘れているようだ・・・








超望遠のレンズに映るのは・・・


「漸く・・・決着をみたようだね、ルマ」


「うん、あの子達にも感謝しないと。それに義父おとう様にもね」


衝撃砲の座席に凭れ掛かったルマが微笑んでいた。


「まぁね。まさか、あの子を導入してくるなんて。

 僕達の想定外の人選をしてくるんだからなぁ、マコトって親爺は」


リンクされている左側のモニターに映された少年をちらりと眼にして。


「今回だけは感謝しておくよ」


凭れ掛かるルマの手を取った。



蒼い<輝騎>・・・<2号機>がトレーラに戻っていた。


「御苦労シキ君、実機の具合はどうだったかね?」


マイク越しに慰労を告げたマコトへ、モニターに映る少年がマスクを脱いだ。

紫の髪、紅い瞳が涼やかな、端正な顔立ちの少年が映っている。


「「はい、もう少し調整が必要かと思います」」


あれだけの攻撃力を見せたのに、シキは十分ではないと答えて来る。


「ふむ。パイロットが感じたのなら、まだ実戦には出せぬな」


腕を組んだマコトが、モニターの少年に答える。


「「ええ、ミハルが乗るには力不足でしょうね」」


目元まで垂れていた髪を掻き揚げて、シキが笑った。



<2号機>の収容を終えたトレーラーが、幹線道路を戻っていく。

秘密の工場へ、秘密の部隊へと・・・






「くっそっ!動力が足りないやんけ!こんのぉっ!」


当たり散らすマリアが、無線機に吠える。


「まだ予備電池は届かへんのか?!」


つい、地が出てしまう。

苛立つ心を押さえられなくなっていた。


「ミハルはまだ闘こうてるっちゅーのに!」


もう待てない、こうなれば無理やりにでも・・・


「司令!ウチ、脱出してミハルの元へ行きます!」


辛うじて無線機は<大鳳>と繋がっている。

電力が無くなった<1号機>で、マリアが吠えると。


「「脱出の必要は無いわ、マリア」」


猫田2尉が、停めて来た。


「なんでですねん?ミハルを助けんとアカンでしょうに?!」


苛立ちが声を荒げさせてしまう。


「「落ち着きなさいマリア。もう何もかもが終わったのよ」」


「・・・はぁ?終わった・・・って?!」


モニターも映らないから。

マリアには何が何やら分からないだけ。


「「もう直ぐ回収車両が着くわ。

  それで本艦まで戻れば良いの・・・分かりましたね?」」


「・・・マジ・・・でっか??」


口をあんぐり開けたマリアが、腰が抜けたように座り込んでしまった。

自分の知らない内に、ミハルが片付けてしまったのかと。


「ミッハルゥー!やるやんけ!」


何も知らない・・・マリアが、ミハルの手柄だとばかり思い込んで喝采を叫んでいた。






「良かった・・・良かったねローラ君」


緊急脱出ハッチに腰かけたミハルが、二人の抱負を眺めている。


ニャンコダマに頼んでから僅かの内に、ローラが駆けつけて来ていた。


「どうやら。マモル君達は知っていたんだな。

 コハルちゃんが救い出してくれていたのを・・・」


蒼き宝珠の中には、ニャンコダマの気配は戻ってなかった。


「ノーラ君のお母さん、法子さんだったっけ。

 やっと解放されて、無事に帰れて良かったね」


蒼い<翔騎>ユニホームを着たローラと抱き合う母の姿に、ミハルはほっと一息吐いていた、


「うほほーいっ!ミハルぅ、ようやったなぁ!」


「げ。マリアちゃんだ・・・」


振り向くと、回収車に乗せられた<1号機>とマリアがそこに居た。


「キャプテンとして褒めてとらす!でかしたでミハル!」


「あ・・・あはははっ。ありがとン」


笑うマリアに、口を濁すミハル。


「しっかし・・・派手にやったなぁ。

 これ・・・どう結末がつけられるんやろなぁ?」


マリアが周りを見回して訊いて来たのだが。


「そーだねぇー・・・竜巻が来たって事で・・・ないか」


ちょっと考えたふりをして、いい加減な理屈を捏ねてみせたが。


「んな訳で通るかいな。辺り一面穴ぼこだらけやで?」


ふんっと鼻息荒くマリアが制して来ると。


「だっねぇー?」


まるで他人事ひとごとのようにミハルは笑って見せるのだった。








それから丸2日が経っていた・・・



「えええええーっ?!どうしてっ?!」


驚愕にミハルが叫び声をあげていた。


「どうも・・・こうもないわな」


片肘を着けているマリアがそっぽを向いていた。


教壇の前に立つ姿を見せられて。


「あ、あのぉ・・・宜しくお願いだ・・・ぼそ(ノラ)」


白銀色の髪、青味を帯びている瞳。

すらりとした体躯、それに纏われた・・・


「ローラ君・・・じゃなかったノーラさんっ?!」


横に座る弟・・・モトイ、妹と同じ顔の女の子が?!


「あらま?島田さん、お知り合いなのね?」


太井先生に聞き咎められたミハルが、慌てて首を振ったが。


「ローラさんの双子のお姉さんらしいのよ、仲良くしてあげてね?」


「あ・・・えっ?!ど、ど、どう言う事なんでしょうか?」


ミハルがローラとノーラを見比べて、泡を喰っていたが。


「そー言う事で、宜しくにゃ、ミハル・・・のらっ!」


しっかり面倒をかけられそうに思えるのだが。


「ぎゃぁっ?!マリアちゃん、ローラ君!どうしてこうなったのぉっ?!」


ミハルを細い目で観て来るノーラに、助けを求める損な


「運命って奴やな・・・ご愁傷さんやでミハル」


「ごめんねぇー、どうしても姉さんがここに編入したいって駄々を捏ねたから」


マリアはそっぽを向く、ローラは訳を話すだけ。


そして件のノーラと言えば・・・


「これでもう離さないからな、<光と影の中の人>!」


しっかりとミハルの手を掴んで嗤い掛けて来る。


「それを言うなら<輝と闇を抱く者>だよぉ?!」


涙目のミハルが言い返していた・・・



一件落着?!



大団円・・・には程遠いけど。

ミハルの周りには新たな友が!


そしてローラ達母子にも、シアワセが戻ってきたようですね。


功労者だったミハルには、とんでもないオチでしたが。

平和って・・・いいな


次回 ミハルの秘密 第1話

ミハル・・・損な子にはどんな秘密があるのでしょう?

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