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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第2編 <魔鋼学園>
133/219

闇を振り撒く者と輝ける魂<悪魔と神の狭間>第1話

挿絵(By みてみん)


今回から始るのは<光と闇を抱く者>達のお話。

コハルとは?ミハルという娘は?

一体どうして生まれ育ったというのか?


本当の出来事を紐解かねばならないところまで来てしまったようです・・・

魔王ポーチの前に立ちあがった二人の娘。


輝を纏うミハルと、闇の姫御子であるコハル。

尤も、コハルは堕神ルシファーの娘でもあるのだが。


金色を纏う<零号機>に、再び光が戻った。


電力を喪失した筈の機体が、なぜ動けるのか。

どこからその力を与えられたというのか?


「みんなが私を助けてくれてるの!私の大切な友、大切な仲間。

 コハルを姫御子として迎えてくれたみんなが!」


紫の髪を靡かせるコハルが、魔鋼機械に動力源として魔力を与える者達を知らせる。


ー この子達が?!コハルちゃんを手助けしてくれてるの?


躰をコハルに貸しているミハルの魂にも、彼等の姿が見えていた。

機械に手を指し出す、数十・・・いや、数百の縫いぐるみ達の姿が。


「そう!みんな私のお友達なんだ。

 ミハルにはどう見えているか分からないけど、みんな良い子達なんだよ?」


姫に傅く者とは言わず、コハルは友と呼んでいる。

堕神ルシファーに傅く者達ではあるのだが、敢えて臣下の者とは言わない。


「私が闇に目覚めた時から、ずっと慰めてくれた子達。

 自らの姿を私の好みに合わせることも厭わず、ずっと傍に居てくれるの」


機械の周りに揺蕩う縫いぐるみ達の表情は、どれも優しげに見える。

心から姫御子を想い、力になりたいと集まって来たのだろう。

まるでそうする事で、自らの願いも果たそうとでもいうように。


ー この子達には邪な気配は微塵もない。

  それどころか、温もりさえも感じられる・・・


ミハルは大魔王の姫御子に集う縫いぐるみ達に、親しみを感じ取っていた。

闇の者だというのに、邪心が感じられないのに不思議な親近感を覚えていた。


ー 人の温もりにも似た・・・優しさと愛おしみを感じる。

  この子達は何を願っているんだろう?


同じ闇の者だというのに、光を求めているみたいに思えてしまった。


「それはね、ミハル。

 いつの日にか元の姿に戻る、失われたあるべき姿に戻りたいのよ?」


返って来たコハルからの答えに、集う縫いぐるみ達が一斉に震えた。

懼れ怯える訳でもなく、姫御子の温かさに感動したようだ。


震える縫いぐるみの中から、一体のライオンみたいなモノが進み出て来ると。


「「姫御子様、こちらに居られますのが?」」


魂のミハルを指し、


「「新たなる神子みこなのですな?」」


珍しい物でもみるように、しげしげと観察して来る。

ライオンモドキの縫いぐるみに見詰められたミハルが、お辞儀しながら名を名乗る。


ー あ、あの、初めまして。

  アタシはミハルって言います・・・どうぞ宜しくお願い致します!


名を語った瞬間だった。

機械に集っていた数百の縫いぐるみ達が、一斉にどよめきを起こした。


 わいわい!ざわざわっ!


件のライオンモドキも太い眉を跳ね上げて、


「「ミハルぅっ?!今確かに女神を名乗ったよな?

  俺の知っているミハルとは別ものとしか見えんが・・・」」


辺りのざわめきに振り返り、ばたばたと手を振って呼び寄せる。


「「本当にミハルなのか?それにしてはチッコイようだが?」」


ざわつく縫いぐるみから訊かれたミハルが首を捻ると。


ー あのぉ・・・もしかして。

  君達が言ってるのはミハル叔母ちゃんのこと?


 ざわわわわぁっ!


答えた瞬間に、一際大きなざわめきが起きる。


「「伯母ちゃんだってぇ?!

  女神の姪とでも言うのか?!お前は何者なのだ?!」」


声を荒げる縫いぐるみ達。

その言い草にカチンときたミハルが。


ー 言ったでしょう!アタシはミハル、女神ミハルとは別人なの!

  あなた達の言う女神ミハルの姪で、島田しまだ 美晴ミハルなの!



 どわああああぁっ!


縫いぐるみ達が驚愕のどよめきを起こした。



「「コハル様、姫御子様!

  これは一体何としたことなのですか?!

  こともあろうに輝の御子に宿られるとは!」」


しわがれた声を上げた縫いぐるみが、コハルに質して来ると。


「あら爺。元々私はミハルの中で目覚めたのよ?

 元の躰に宿って何が悪いというのかしら?」


「「で、ですが!

  今はルシファー様の姫御子として振舞われなければならんのですぞ!」」


爺と呼ばれた狒狒ひひの縫いぐるみが、声を荒げて進言すると。


「判ってるわ爺。でもね、ミハルは護らねばならないのよ。

 まだ輝に目覚めた訳でもないし、愚か者達によって迷惑を掛けられているんだもの」


モニターに映る<八岐大蛇>に目を向けて言い返した。


「「そ、それは・・・確かにそうですが。

  あ奴等の処分なら、私目共にお任せいただければ済む事なのではございませぬか?」」


取り付く島無しと狒狒の縫いぐるみが言い募るのだが。


「爺・・・今私はね、とっても気分が良いの。

 もしかしたら、運命が換えられる様な気になってるの。

 それを邪魔する奴等から、ミハルの大切な人を取り戻さなきゃいけないの!」


ー コハルちゃん・・・ありがとう


狒狒に向けてと言うより、集う僕達しもべたち全てへ向けて。


「だからっ!私はミハルと共に立ち上がるの!

 輝の御子と手を携えて、今やらなきゃならない事に全力で立ち向かうの!」


 おおおおおぉっ!


姫御子の決意に共鳴する縫いぐるみ達。


「「その決意、並々ならぬとお受けしましたぞ!

  微力ながらこの爺も、助力致します故に」」


「「我等も!姫御子と共に在らんと誓います!」」


狒狒を始め皆が、皆。

コハルに付き従うと誓った。


ー ホントーに。コハルちゃんも良いお友達がいるじゃないの!


姫と呼ばれるコハルには、こんなにも慕ってくれる者達が居るんだと。

ミハルも嬉しく、頼もしく思えた。


微笑むミハルの傍に、先程のライオンモドキが寄り付居て来ると。


「「それにしてもなぁ・・・ミハルって呼ぶのは問題だな?」」


もう一度しげしげと見廻して。


「「俺の知ってるミハルはなぁ。こう・・・どんって力強かったがなぁ」」


魂のミハルに鍵爪を突き付けて、残念そうに言って来た。


ー ほぇっ?!・・・って!こらぁっ、どういう意味よ!


どうもこうも・・・ライオンモドキは、うむむっと眉間に皺を寄せて。


「「姪っ子ならば知ってるだろう?

  ミハルは俺達の仲間だったんだぜ?

  光と闇の両方の力を持ってたんだ・・・人間だった時にはな!」


ー えっ?!知らないよそんな話。伯母ちゃんが光と闇を?


慌てて訊き咎めたミハルを感じたコハルが、ライオンモドキのグランを嗜める。


「こら、グラン君!今はそんな話は後にしてよ。

 私は邪魔する者を排除しなきゃならないんだからね!」


姫御子に咎め立てられたライオンモドキが、慌てて口を塞いだのだが。


ー ちょ、ちょっと?!

  ミハル叔母さんがどうして二つの力を持つ者だったのよ?

  それにどうして人だったのに女神になんてなれたのよ?


父であるマモルの姉だとは知っていたが、今の今迄理由なんて聞いた事が無かったから。


コハルに、周りに集う縫いぐるみ達に訊いたのだが。


「その話は後で。

 今はあの中に捕らえられた魂を助けるのが先でしょ?」


あっさりとコハルに断られてしまった。


ー う・・・うん。そうだよね、早く助け出さないといけないもんね。

  判った!今の話は、全てが終わった後でしようね!


ミハルはそう言ったのだが、コハルは軽く頷くだけに留めた。


ー グラン・・・君とか言ったよね?

  君もミハル伯母ちゃんの事を知ってる独りなんでしょ?

  片付いたらお話を聞かせて貰いたいんだ、アタシにも!


口を噤んで冷や汗を垂らすライオンモドキに、ミハルが頼んだが。

狒狒にもコハルにも睨まれたグランは、何も答えようがなくなっていた。


ー それじゃあ!

  アタシ達、友達みんなの力で取り戻そうよ!

  あの中に囚われた人の魂を、闇の魔鋼機械から!


促す声は凛として。

集う者を仲間ともと呼んだミハルの声に、集った全ての魔族が頷いた。

中ボス戦が続いていますが。

戦いよりもコハルの周りに居る者達が気になりませんか?


なりますよね? ね??


気になるというのでは仕方が有りません。

紐解いて行くとしましょうか?←強制


次回 闇を振り撒く者と輝ける魂<悪魔と神の狭間>第2話

闇を祓う者。それは以外にも魔王の娘として君臨していた?!ミハルには関係ないよ?

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― 新着の感想 ―
[一言] なんだかんだとみな優しい(笑) 小うるさい爺やも、姫様ぁー!!と、神経をすり減らしながら後を追いかけているのでしょう。 親ってさ、問題ごとは自分がさっさと手を出した方がサクッと片付くから…
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