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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第2編 <魔鋼学園>
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母と子 その想いは 第8話

道魔達、犯罪を犯した罪で囚われた者を確保したのは。


マモルに導かれた警察官達だった。



作者注)キャラクターをお借りしました。

    ええ、勿論ご承諾を戴いております。


    どちらの誰かは・・・お読みくださればお判りかと。


    え?!分からない??じゃあ、後書きもお読みいただかなければ!!

学校理事長の立場を利用して、

女学生数人を拉致監禁した罪で訴追された道魔を、警察に引き渡した島田司令とルマ審議官。


夜の学校に、多数の警察車両が周りを囲む異常な状態となっていた。




制服警官達に周りを囲まれ、数名の男達が連行されていく。

その中に首謀者である道魔の姿も。



「会長?!今直ぐ釈放の手筈を!」


道魔重工業の顧問弁護士が警官を押し退けて近寄ろうとする。


「弁護士でも近寄るのは禁じられておりますよ?!」


私服刑事が止めに入るのを、


「君!この方をどなたと思うんだ?!

 道魔重工業の会長でもあられるんだぞ!」


弁護士が押し退け言う事を聞かせようとするが。


「ほう?!その会長様が犯罪を犯されたのに釈放しろと?

 それで、弁護士がしゃしゃり出て来たと。

 残念ですがね、僕は検事から逮捕状を貰ってんですよ。ほら!」


早口でまくし立てる茶髪の刑事が、逮捕状を弁護士に突き付ける。


「くっ?!

 こんな事が許される訳がないっ!その検事は頭がおかしいに決まってる!」


弁護士が口惜しさに刑事に向けて言い募るが。


「文句があるなら法廷でされたらどうですか?

 あなたも弁護士なら、それくらいの事は判断出来るでしょう?」


反対に言い負かされてしまった。


「糞がぁっ!

 道魔会長、今しばらくの御辛抱を。早急に保釈の申請に執りかかりますので」


連行されていく道魔に諂う弁護士が、逮捕状を懐に仕舞う刑事を睨むと。


「お前、どこの所轄だ?なんという肩書なんだ?」


茶髪の刑事を指す。

弁護士に振り向きもしない刑事だが、背中で応えたのは。


「ああ、ボクですか?所轄じゃないんですけどね。

 警視庁の和泉いずみ・・・捜査一課長のイズミ。

 またの名をFCO<ファーザー・コンダクターオペレーション>のイズミって呼ばれてますよ」


挿絵(By みてみん)


茶髪の刑事が応えた瞬間、弁護士は声を詰まらせた。


「お、お前があの・・・<ファザコン>和泉?!」


なんとか絞り出した声が耳に届いたのか、刑事の足が停まり。


「その呼び方は・・・的を得てませんね?」


少々相手を揶揄からかったように髪を掻き揚げたのだった。





「ほぅ?!警視庁にもまともな人種が残されていたようだな?」



一部始終を観ていたマモルが、手配されていた車両に乗り込んで来た。


「どうかしたのですか司令?」


微睡んでいないマリアが、後部座席から訊くと。


「うん、利権に左右されない人が居たんだなぁってね。

 正義を貫く気概がまだ残されていたんだなぁって、嬉しく思ったんだよ」


「そうなんですね、あの警察の人が・・・良かったですね」


助手席に座ったマモルに答えるマリアも微笑んでいたが。


「司令。ウチ・・・私達の出撃はいつになるのですか?」


警察が出張って来た事で、隠密に作戦を執り行うのが難しくなったから。

強行作戦が執り辛くなっていた。


「うん・・・そうも言ってはいられないよなぁ。

 なんとか魔鋼機械に取り込まれたローラ君のお母さんを救出しないと」


「はい、事は一刻も争うと。ローラも心配でしょうから」


手配された大型バンに乗るIMSの魔鋼少女達は、休息を執りながらマモルの命令を待っていた。


作戦は強硬手段に訴えても、救出するとしていたのだが。


「相手の首謀者が連行されたのを知り、配下の者達がどう出るのか。

 大人しく従うのか、若しくは抗うのか。

 間も無く回答して来るだろう・・・それまでは待機するしかないだろう」


腕を組んで部下からの連絡を待つ。

じれったい時間が過ぎていくのを、黙って待つより他なかった。


「でも、もし道魔重工業側が承諾しなければ。

 その時こそ強硬手段を執らざるを得ない。

 相手に迎撃の時間を与える事になりはしないのかしら?」


運転席で<大鳳>との連絡を受け持つルマ審議官が、夫でもある司令に訊いた。


「その時はその時だ。

 実力行使には手筈を踏まないといけないからな。

 相手がどれだけ防衛線を整えようと、相手は一般人なんだから」


今回の事件に関わっている者が、

イシュタルの民と言われる闇組織とは無関係な相手であることが、却って疎ましく思えた。


「相手が人外な奴等じゃないのが、却って問題なんだよ」


闇に組みする者が相手なら、どれだけ無茶を繰り広げても問題にはならないが。

敵になるのが普通の人ならば、刑法に準じた令状も捜査も必要になる。

その上での交戦ならば致し方が無いとも言えるのだが。


「もう一度忍び込みますか?」


話を聴いていたマリアが、時間の浪費を嫌って促す。


「駄目だよマリア君。

 今度は敵になる人達も警戒しているし。

 それに忍び込んだとしても助け出す公算がたたないからね」


「そうよ。みんなをこれ以上危険に晒せないわ」


前席の二人にそう告げられて、マリアは反論できなくなる。


「まぁ、もう少しお待ちなさいな。

 私はみんなの大切な身体をお預かりしているのですもの。

 マリアちゃんだってミリア公使から、先走らないように念を押されているのよ。

 本国に還るまでの間に魔鋼の技術を習得するのが、元々の目的だったでしょう?」


本国フェアリアに帰る日までの間だけ、マリアはIMSに配属されていた。

本来なら外国人であるマリアには、日の本の秘密機関に入れる筈も無かった。

そこをマモル以下数名の意見により、IMS自体が極秘であったから一転許可された経緯があった。


「はい・・・分かってます」


母がまた自分の行動に口を挟んで来たのかと考えたマリアが塞ぎ込む。


「あ、でもねぇ。ミリア公使・・・いいえ。

 ミリアさんはね、母親として当然の話をされただけだから。

 危険に娘を晒すのを、嫌われただけなのよ?」


「・・・はい」


言い出しっぺのルマが、機嫌を損ねたと言い換えたのだが。


「お母さんはいつもそうなんです。

 お父さんが行方不明になってから、ずっと私を過保護に育てようとするんです」


俯いてしまったマリアが、母ミリアに対して不満を漏らす。


「そうかしら?当たり前じゃないのかしらねミリアさんが言うのは。

 母なら誰だって娘が可愛いものよ?母ならばこそ護りたいに決まってるもの」


ルマは運転席からマリアへ振り返って微笑む。


「過保護と感じるくらいなら、マリアちゃんに愛を注いでいる証だと思うけどな。

 母から観たらそれ程でなくても、娘から観たら自由を束縛されて感じるものだわ。

 でもね、確かな事は一つだけ。

 それはミリアさんが、母として当然の想いを抱かれているって事ヨ」


俯いてしまったマリアへ、母としての想いを知らせたかった。


「だってマリアちゃんも、お父様が返って来られた時に怪我でもされていたら嫌でしょう?

 二人が無事に再会出来る様に心配するのは、当然じゃないかしら?」


「お父さんと・・・無事に?」


俯いていたマリアがルマを見上げる。


「そう。

 母ならば、そう願うのは当たり前の話。

 いつでも逢えるように。

 一刻たりとも心配しない時はない・・・こんな部隊に配属されていたらね」


魔鋼の少女とはいえ、無敵でも不死身でもないのだから。


「伯母さん達が過ごして来た騒乱の時代ではね。

 ほんの一瞬先の命も保証されなかったのよ?

 どんなに心配しても、いつ死が訪れるのか分からなかった時代を経験してしまったから。

 マリアちゃんのお母さんも、そうした時代を生きて来たからね?」


微笑んでいるルマの顔に、翳りが滲んだ。


「だから、あなたのお母さんは誰よりも想うの。

 無事に帰って来てくれるようにって・・・」


後部座席の片隅で眠るミハルを垣間見て、ルマの想いはマリアへ告げられた。

自分共掛け合わせ、想いが届く様にと。


「ルマ審議官・・・ありがとうございます」


素直にお礼を述べるマリアに、話を黙って聴いていたマモルが。


「いつの日にか必ず。

 マリア君のお父さんを見つけて連れ戻す。

 その為のIMSでもあるんだからね、僕達は決して諦めちゃいない。

 その日まで、ミリアさんもマリア君も躰を大事にしなきゃいけないんだよ?」


諭す様に。

言い聞かせるように。


そして鼓舞するように、マリアを励ます。


「はい!司令、審議官!ウチ頑張ります!」


瞳を輝かせ、マリア本来の顔になって答えるのだった。



逮捕連行されていく道魔達を見送る大型バンで、情報を待っていたマモル達に一報が入ったのはそれから僅か数分後の事だった。





警察車両に数名の犯罪者達が乗せられた。


FCO(ファザコン)和泉いずみ課長が道魔を確保した後。

もう一人の刑事が、トンでもないものを見てしまったことから起きたのは?

 





ようこそ!「「成宮ワールド」」へ!


FCO和泉刑事とは?


https://mypage.syosetu.com/858748/

「成宮りん」様の、


https://ncode.syosetu.com/s3504d/

「ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生の愉快な非日常・シリーズ」から。


主人公のファザコン・・・・和泉いずみんさんです。


現在も連載中!


https://ncode.syosetu.com/n0151ft/

「ファザコン警部補とシスコン巡査の愉快な非日常:その3~ダイイングメッセージ【CSV】の謎を解け~警察の中の警察に届いた密告状が暴く15年前の真実!シルバーアクセサリーと失踪美女が明かす連鎖する殺意」


にて、和泉アキヒコさんの活躍がダイレクトに読めますよ!


「成宮 りん」様、ご承諾ありがとうございます。


で?!これでお終い?


いいえ!


次回 母と子 その想いは 第9話

もう一人の刑事が見たモノとは?2人の刑事は国家権力をどう感じたのか?


そうでぇーす!明日もっ!どなたかが出演してくださいます!

さて!明日も・・・乞うご期待!


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