母と子 その想いは 第7話
遂に戦いの場になるのか?!
でもなんだか静か過ぎません??
さぁ!活劇の始り・・・
・・・・・
・・・・・・・・
の、筈では無かったのか?
魔鋼剣を部屋の外に居る気配に突き付けた・・・ミハルの耳に。
いや、その前に目に飛び込んで来たのは?!
「あ・・・伯母ちゃん?!」
宙に浮かぶ蒼毛玉。
今迄姿を晦ましていた女神が瞳に映る。
「にょぉーほほほっ!観念しなさいよねぇ!」
高笑いを吠え、現れ出た・・・
「観念って・・・今迄どこに行ってたの?」
てっきり道魔理事長の部下が押し込んでくるかと思いきや、現れたのは女神だった。
「伯母ちゃんってば、今迄何をしていたの?」
突き付けていた魔鋼剣を降ろして、ミハルが訊ねる。
「決まってるじゃない!真打登場よ!」
「あの・・・もう首謀者を捕まえたんですけど?」
ミハルだけじゃなく、マリアもローラも眼を点にしてニャンコダマを見上げる。
「にゃっ?!にゃんとっ?!・・・き、気にしちゃ駄目よ」
なにがどう気にしちゃ駄目なのか・・・
「この建物に潜んでいた悪漢達は、みんな弟夫婦に捕まったのよぉ!」
顔を崩してニャンコダマが吠える。
「え?!とういうことは?」
ミハルが部屋の外に目を向ける。
二人の気配が、室内からも感じられて・・・
「皇都魔鋼戦闘団だ!大人しく縛に着け!」
「営利誘拐の容疑で逮捕します!」
ミハルの両親が銃を手に飛び込んで来た。
「あ、マモル君とルマまま・・・・」
ぽかんっと。
ミハルが眼を二人に向ける。
「司令・・・それに審議官・・・いつこちらへ?!」
キャプテンであるマリアも、半ば驚いて訊ねるしかなかった。
「そこに居るのが道魔理事長。いや、主犯である道魔だな?!」
「は・・・はいそうですが(棒)」
頷いたマモルが、胸ポケットから御紋付の手帳を取り出して。
「私はIMSの司令島田です。
貴男には誘拐と詐欺、その他数十の嫌疑がかけられています。
逮捕令状も先程届きましたので、只今身柄を確保させていただきます。
・・・貴男には黙秘権があり、我々の質問に答えなくても・・・以下省略!」
つかつかと道魔に歩み寄ると。
「僕等は警察ではないのでね。
我々の流儀でやらせていただきますよ・・・この糞ったれ!」
伸ばした手が胸倉を掴み上げ、もはや罪状認否を通り越して。
「おいっ!お前の罪は赦し難いんだぞ!
このまま撃ち殺したって誰も文句は言わないだろう。
そのお前に最期のチャンスを与えてやるんだ、有り難く思え!」
ブローニングを鼻面に宛がい、マモルが凄む。
「いいか?!一度しか言わないぞ。
ノーラ君達の母親をどこに隠している?
・・・早く言わないと・・・僕は気が短いんだ・・・」
チャキッ!
自動拳銃の切り替えボタンを射撃位置に据える音が、道魔にも届いた。
「ば、馬鹿な?!無抵抗の人間を撃つというのか?!」
もがく犯罪者は勝手な言い草で、銃身から逃れようとした・・・が。
「人間?
お前が・・・か?!嗤わせるなよ人の皮を被った悪魔め!
これまでお前が行って来た事を知らないとでも思ったか?!」
「ひぃっ?!こいつは狂人だ!
誰か弁護士を呼んでくれ!こいつを豚箱にぶち込んでくれ!」
震え慄く道魔。
しかしマモルの追及は終わらない。
「悪魔に弁護士など来る訳がない!
最期だ・・・答えるのか答えないのか?!」
ジャキッ!
ブローニングが道魔の額に宛がわれた。
マモルの人差し指がトリガーに掛かる。
「ミハルぅ・・・今日のお父様って・・・男らしいなぁ」
マリアが眼をウルウルさせて訊いて来た。
「まぁ・・・ね(悪乗りしてるだけだと思うよ?!)」
こそこそ・・・二人が話し合う傍で。
「司令って・・・カッコいいなぁ」
ローラが何かとんでもない誤解をしていたようだ。
単にマモルが脅しをかけ、口を割らせようと嘯いているだけなのに。
「島田司令、どうやら話して頂けないようです。
代わりに私が訊いても宜しいでしょうか?」
短機関銃を片手に持った、ルマが微笑みながら近寄って来る。
「うわっ?!ルマまま・・・マジ切れしちゃってないっ?!」
ミハルにはマモルよりも、ルマの方が怖いと思えた。
ー だって・・・微笑みながら眼が座ってるもん・・・
子供だから・・・母の恐ろしさは身に染みて判ってる。
この場合、子供として出来る事は。
「あの・・・道魔のオジサン?!
早くしゃべっちゃわないと、とんでもなく酷い目に遭っちゃうヨ?」
ぼそっとミハルが警告を与えて、見下ろしている。
「だって、ルマまま・・・マジ切れしちゃってるもん」
つんつんと道魔をつついて、ルマの眼を指す。
「なにを・・・ひぃっ?!」
蒼い瞳を澱ませ、上から見下ろして来るルマの顔は微笑みながらも<嗤って>いた。
「話してくださいますよねぇ?
私・・・話して下さらないと。
身体が自分の意志で動かなくなってしまいますのよ?」
マモルを押し退け、道魔に歩み寄ったルマが。
ベシ
ヒールで道魔の足を踏みつける。
「ぐぁっ?!お、お前っ!何をしているのか解って・・・」
「言いましたよね?私・・・自分の意志で、動けないんですもの・・・」
ガシ グシャ
ルマの靴底が、次々に道魔へと堕ちる。
「ぎゃああぁっ?!」
激痛に悲鳴をあげる道魔・・・
「・・・怖ろしい・・・」
「ミハルのお母さんって、怖いんだね。あはははは(空虚)」
マリアとローラが、思いっきり退いた。
「だから・・・早く話せば良かったのに。ルマままは容赦って言葉を知らないんだから」
冷や汗を掻くミハルが、我が事のように道魔へ同情した。
「言う!言います!言いますから辞めてくださいぃっ!」
足蹴にされる道魔が、堪らず観念して果てた。
しかし。ルマの蹴りは終わらない。
「早く白状しないと。蹴り殺されちゃうぞ?」
銃をホルスターに納めて、マモルが言い放った。
ゲシ ゲシ ドッゲシ
「ひぎぃっ?!いだぁいっ!辞めでくだざぁーい!
二人の母親は此処にはおりましぇーん!
魔鋼機械の実験台にしましたからぁ!」
ぴたっと、ルマの足が停まる。
「我が社の新型機兵のブレーンに使ってしまいましたぁ!」
ドギョッ!
ルマが踏みつぶした。
「なんて事を!悪魔かお前はっ!」
言い放つ前に踏みつぶしていた・・・ルマが。
「きゅぅ・・・・」
悶絶し、気絶して果てた道魔を置いて。
「こうしちゃいられないわよ皆!」
振り返ったルマの表情は真剣そのもの。
「武器製造会社の新式<翔騎>に使われたのなら。
間違いなくアレよアレ!魔鋼力を悪用されてしまう悪魔の機械よ!」
ルマは嘗ての世界に存在した暗黒魔鋼騎を知らせる。
魔法使いの魂を封じ込める、悪魔の仕業・・・いや。
「みんな、今直ぐ<大鳳>に戻りましょう!
ここからは<翔騎>での戦いになるわ!そうですね司令?!」
ルマがマモルへと許可を求める。
「うん、ルマの言った通りだ!
何とかして救い出す方策を練らないと・・・闘うだけじゃ助けられないぞ!」
命じたマモルに頷き、ルマが3人の魔鋼少女へ。
「IMS出動!
只今より、本行動は<翔騎>戦となります。3人共、良いわね?!」
ルマの命令に、マリアとミハルが敬礼を捧げる。
二人が敬礼をするのを観たローラも、遅ればせながら敬礼を真似たのだった。
遂に出動か?!
マモル達が呼び寄せた警察に、連行される道魔達。
警視庁捜査一課が出張って来ました・・・
・・・・
・・・・・・・・・
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「ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生の愉快な非日常・シリーズ」より
あの・・・方が登場します!
次回 母と子 その想いは 第8話
あなたは真実を追い求めた旅人・・・その名はFCO和泉