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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第2編 <魔鋼学園>
106/219

魔王 襲来  第5話

現れ出るのは?


闇に囚われたミハルに助けは現れるのか?!


彼は、必ず甦ると約束していたから・・・

彼が・・・闇の中に蘇る。


堕神・・・ルシファー。

いいや、闇の中で息衝くのは?


蒼き光を纏う者。

闇に在りて光をも纏う者。


全能の神ユピテルに貶められた墜神ルシファーは、闇の力を纏う神として蘇る。



 ずおおおおおおぉっ



巨大なる魔法陣を背に、忌み嫌われる死神達を率いて。

黒き影が永久とこしえの中から帰って来た。


挿絵(By みてみん)


「「我が愛しき者に手を下さん輩には制裁を。

  我が名を穢す者には殲滅の裁きを・・・与えんものなり」」


紅き瞳が闇を貫く。

金色の髪が靡く時、死神達は恐懼する。


「「我が名は堕神ルシファー。蘇りしは護らんが為・・・」」


進み来る堕神の足元には、黒き影が纏わり着いている。

その影には、幾千万の醜き妖魔が呻いている。

堕神により踏みつぶされる苦悶に、身を悶えさせているように。


「「我が名は堕神ルシファー。人を愛し、人の世の為に神に闘いを挑んだ者なり」」



  ずざざざざざぁっ


魔族が怯え、悪魔達が平伏す。


堕神とは。

堕ちた神とは・・・



「「大魔王ルシファー様が戻られる・・・世は人の世となれり!」」



人類を守り、人類の為に神世から舞い降りた<大魔王ルシファー>。

付き従うは、志を同じくした魔王達とその配下。

その数・・・数千万。






「じゃあ・・・姪っ子ちゃん。後は任せたわよ?」


ニャンコダマになっている女神が、ノーラを咥えながら頼んで来る。


「うん、ノーラちゃんを宜しくね伯母ちゃん」


やや苦しげな声でミハルが答える。


「分かったわ。それじゃあ行くから、ルシちゃんに会ったら宜しく言っておいてね?」


それとなく。

何気なく、女神がその名を言った。

方や理を司り、殲滅の女神にもなれるミハル。

方割れの堕神は、闇に潜む者。

普通なら相容れない対極の二人なのに、いつ知り合えたのか?

どう言う関係なのか・・・姪っ子ミハルには教えて貰えていない。


「伯母ちゃん、アタシに宿る堕ち神さんって?

 どういった経緯があったの?」


それとなく・・・それとなく訊いたつもりだったが。


「ふふ~ん、教えない!」


ニャンコダマはウィンクを返し、ノーラを咥えたまま消え始める。


「ちぇっ・・・けちんぼ!

 それじゃぁ・・・ルシファー叔父さんに直接訊いちゃうんだから!」


冗談のつもりだったが、女神は消えながらこう叫んだ。


「やぁ~めぇ~てぇ~っ!そんなことしちゃ駄目ぇ~にゃぁ~っ!」


消えろ・・・大人しく。


「・・・嘘に決まってるのに」


半ば呆れてミハルが呟いた時には。

ニャンコダマとノーラが消えた。

つまり、結界から脱出できたという事。


 どくん・・・


さっきからずっと響いてた心臓の音が、女神が居なくなると一段と激しくなる。


「もう・・・耐えられないかも。

 チェンジするのなら、早くしてよルシちゃん」


目の前が段々と暗くなっていく。

何度も経験した事のあるトリップ状態に、ミハルは墜ちていった。





目の前で有り得ない事が起きた。


ミハルから蒼い何かが湧いて出たと思ったら、途端に結界を破られてしまったのだ。


「なっ?!なんだとぉ?」


逃げ去られたかと思ったが、目の前にはミハルが居る。

但し、虜にしていたノーラが消えていなくなってはいたのだが。


「まぁ・・・用無しが居なくなっただけなら・・・良いか?」


睨みつけたミハルには、女神の魔力が消えているのが分かる。


「ふんっ?!女神のヤツ、勝ち目がないから宿り主を置き去りにしたのか」


勝手な憶測でモノを言う魔王ランドだったが。


「それなら。手始めにこいつを玩具にして遊ぶとするか」


一言呟くと、右手の先に紅い魔法リングを形成する。


「おい!そこの黒髪女!

 今からお前をこうやってくちょんくちょんにしてやるからな!」


小馬鹿にしたランドが右手のリングを後ろに放り投げた。


「着弾したら・・・こうなるんだぞ!」


リングが地表に落ちると。


 カッ!


物凄い閃光が奔り。


 グワッ!


爆裂が起き。


 ズッダダァアアアアァンッ



クレーターを穿ち、爆発した。

直径50メートルほどのクレーターが出来上がり、猛烈な煙が舞い上がる。


「そらそら?どうしたんだ?

 怖気付いたのか?黙っていないで何とか言ったらどうなんだい?」


挿絵(By みてみん)


勝手に舞い上がっているランドの前で、確かにミハルは動きを停めていた。

眼も、口も・・・爆風を浴びる髪の毛も・・・動かない。


風に髪が動かない?


それが意味している事とは?






魂が、その姿を観ていた。


黒い影がそっと近寄ってきて、ミハルへ話しかけて来るのを。


「「私のコハル。久しぶりだね?」」


懐かし気に話して来る影が、ミハルの魂に近寄って来た。


「「二年ぶりかな?人間の世界では・・・」」


光と闇を持ったミハルの魂に照らされて、現れ出でた者の姿が模られた。


「「少しの間に見違えるくらい成長したようだね、コハル?」」


微笑みかけて来る金髪で紅き瞳の・・・


「ルシちゃん、やっと逢えたね?<九龍の珠>事件以来かな?」


「「ああ、そうだよ。あの頃はまだ幼さの残った少女だったのに。

  もう、コハルって呼んだらいけないのかな?」」


優し気に想い出を語るルシファーに、ミハルは首を振ってこう答えた。


「ううん、ルシちゃんには、コハルって呼んで貰いたいの。

 ミハル伯母さんに悪いから・・・それに、アタシはアタシだけのルシちゃんで居て欲しいから」


両手を拡げてミハルが走り寄る。

幾度となく命を救って貰った・・・堕神に。

大魔王としてミハルの元に現れたルシファー。

闇の中では神の力は縮小されるから。

光と闇を知る彼は、魔王として結界に訪れたのだ。

悪魔の力を身に纏い、悪しき闇を滅ぼす為に。


ミハルはルシファーと共に闘うのか?!

宿りし大魔王に身を任すというのか?


さぁ、闘いはこれから始まるのだ!


次回 魔王 襲来 第6話


君は悪魔と神の間に居た・・・が、君こそが人間なのだ!と、彼が教えてくれたから・・・

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