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南沢茉莉花

俺の名は皐月蒼さつきそうだ。

最初だから自己紹介をしよう。

4月から常葉ときわ高校の1年生だ。

年齢は15歳。誕生日は5月13日。好きな物は、チーズ、一人でいること。嫌いなものは、人間だ。

二回目になるが俺は人間が嫌いだ。


人間には3種類存在すると思う。

1つ目は、団長的な人。いわゆるボス的な人である。

人を自分の思うどおりに動かしたい人である。

まるで、人を駒だと思っているのではないか。


2つ目は、家来である。

上の身分の人に従わないと嫌われる。

そのような気持ちが働いて、相手に合わせて自分のしたいことがあまりできない人である。

これは、個人差があるだろう。


そして3つ目は、ソロプレイヤーである。

団長みたいに、人を引っ張ったりするのがめんどくさい。

家来みたいに、上の身分の人に従っているだけなのも嫌だ。

自分がしたいことを邪魔されずに生きたい。

それが、皐月蒼の考え方である。


といっても、自分より上の身分の人が存在しない人はほとんどいないだろう。

例えば、先生や親とか…。

自分がしたくないことを命令されたときだってある。

そのときは、適当に屁理屈を言って命令にしたがってますよアピールをする。

このとおり、俺は、合理主義である。


ただし、俺もしたくないことでも、することだってある。

一つ例にしてあげると勉強だ。

将来、楽しむために勉強をしているわけだ。

俺は、今、人生を楽しいと思っていない。


客観的に見ると、「人と関わりを捨てて楽しくなれるはずがないだろ。」と思うだろう。

皐月蒼自身にもわかっているのだ。

人は本来、他の人と喜びを分かち合ったほうが楽しめるということを…。

しかし、合理主義であるため、皐月は「人間と関わりを持ったって面倒くさいだけだろ。」といったような屁理屈を並べてしまう。


しかし、1年後の高校二年生になったとき、皐月蒼は人生を楽しいと思っている。





4月8日

入学式

俺にとって、入学式なんてどうでもいいと思っている。

何故どうでもいいかって?

それは、入学式にでたところで何か得られることはあるだろうか。いや、ないだろう。

よって俺は今、屋上で勉強をしている。


屋上からは体育館の様子がかすかに見える。

入学式がちょうど終わったタイミングで屋上を出て職員室に向かう。

遅刻したということで、先生に連絡するためだ。


「失礼しまーす。」


とてもだるそうな口調で俺は言った。

しかし、職員室には先生は誰もいなかった。

ちょっと早すぎたか。職員室の前で先生を待つことにしよう。


5分後


「カッカッカッカッカッ」


ヒールの音だろうか。高い音が廊下に響く。

音の速さからして走っているようだ。


「カッカッカッ…。」


突然高い音が途切れ。鈍い音がした。

廊下の方を見ていると女性が転んでいた。

俺は、その女性に近づいて手を差し伸べた。


「大丈夫ですか?」


そう声を掛けると、女性は俺の存在に気づいたらしく、顔を赤くして、恥ずかしそうに俺の手を取って立ち上がった。

その女性は、身長が145センチくらいでとても小さく、幼い顔をしていた。

髪は肩にかかるくらいの長さで切りそろえてあった。


「あっ、はい。大丈夫です。」


「あのー。もしかして、先生ですか。」


この女性は、制服ではなく、スーツを着ていたのだ。


「やっぱり、先生にみえないですよねー…。先生は今年新任できた、光川夏子です。」


「そうですか。俺今日学校来るの遅刻したんで職員室来たんですけど。一年生でどうすればいいのかわからないので教えてもらっていいですか?」


「今日入学式なのに遅刻したんですか!?遅刻には気をつけてくださいね。遅刻は担任の先生に言えばいいだけですよ。ところで、君の名前とクラスを教えてもらってもいいですか?」


「俺は皐月蒼で、たしか1年2組だったと思います。」


「皐月君!?1年2組の担任は私なの!よろしくね!」


「こちらこそよろしくおねがいします。」


たまたま担任の先生だったため、遅刻の連絡の手間が省けてよかった。

光川先生は、職員室の奥の方へと行き、多くの紙を持って来た。

どうやら、何か忘れ物をしたようだ。


そして、俺と光川先生は一緒に1年2組の教室へ向かった。





「ところで先生はなんで職員室に戻ってきたんですか?」


「放課後、抜き打ちで英単語のテストをするから戻ってきたんです。」


「ぬっ、いや、そうなんですね。」


思わず、抜き打ちテストなのに言っちゃっていいんですか?


っと言いそうになってしまった。

そんなことを言うと他の人に言うなってしつこく言われるに違いない。

そんなめんどくさい地雷に踏むわけにはいかない。


どうやら光川先生は廊下で転んだことといいどじを踏む体質があるようだ。

見た目といいさらに先生に見えなくなってきたぞ…。


そういえば常葉高校に合格した人が貰える書類のなかに紛れて英単語のプリントがあったから怪しいと思ったんだよな。

もしかしたらテストがある可能性があるとは思っていた。

だから、入学式をさぼって勉強したわけだが功を奏したのでよかった。



俺が通っている常葉高校は県内でもトップクラスの進学校だ。

なので、抜き打ちテストがあったって仕方ないと思う。

俺が常葉高校を選んだ理由は近いからだけだ。

決して偏差値が高いから選んだわけてはない。

学校に近いことは登校する時間をあまり使わずにすむ。

別に偏差値が低い学校でも勉強すればいいだけだから所詮どこの高校でも変わらないと思っている。


今は12時過ぎ。

予定ではこのあとご飯を食べ1時から3時まではクラスごとでオリエンテーションになっていた。

そのあと英単語のテストか…。

二時間もさらに勉強することが可能だ。

オリエンテーションを真面目に受けるなんていう選択肢は元からない。


そんなことを考えていると教室に着いた。

教室は思ったより静かだった。

同じ中学校同士が固まって話しているだけで騒がしいとは程遠かった。


「みんなー。自分の席に戻ってくださーい。」


あれが先生!?めっちゃ可愛いんだけど。といったふうに光川先生を子供っぽいと一部の男子たちが笑っている。

教室はざわざわし始め自分の席に戻ろうとする人は少なかった。


「みんな聞いていますかー?皐月君もそんなところにたってないではやく教室に入ってください。」


どうやら俺は教室のドアの前に突っ立っていたようだ。

そして俺は教室に入り自分の席につく。

俺の席は窓から二列目の一番後ろだ。






すると、3人の男子グループがはなし始めた。


「あれが皐月なのか?あいつ入学式来てたっけ?」


どうやったらそんな目になるんだ。と思うくらいつり目なやつが言った。

こいつを「eyeの角度は45°」と言うあだ名にしよう。

某○ウチューバーの挨拶のパクリだが気にしないでほしい。

あだ名なのに名前より長いじゃないかっと思ったのも気にしないでほしい。


「いや、入学式来てなかったぞ。」


これが普通だ。とでも主張しているかのようなんの特徴もない顔のやつが言った

こいつのあだ名はんー。そうだなー。てかなんで毎回あだ名つけようとしてるんだ俺。

つい普通すぎてあだ名が思い浮かばなかったためになんでこんなことしてるのか疑問に思ってしまったではないか。

まあ、「村人A」とでもしておこう。

結局、あだ名つけるのかよ。


「入学初日から遅刻かよ。」


eye の角度は45°が言った。

やっぱなげーな。このあだ名。


2人がゲラゲラ笑う。

小さく集まって聞こえないように気を使ってくれているのが丸聞こえだぞっと言いたくなるくらい声がでかかった。

小さく集まった意味あるのかよ。

すると笑っていなかった3人目の男が


「二人ともそんなに笑ってるけどあいつ高校入試二位とかなりの差をつけて一位だったらしいぜ。」


「「まじか。」」


二人が言った。


「しかも、入試一位のやつは入学式に新入生代表として新入生代表の言葉を二、三年生に言わないけねーのに断ったらしいぜ。先生たちがすごい頼んでたのに何を言ったのかわからねーけど理論的に言って先生たちを納得させたらしいぜ。」


まあ、そういうこともあったなー。

先生だけでなく生徒にまで伝わってると思わなかったけど…。

おかげで先生たちにとっては有名人になってしまった。

光川先生は新任だったから知らなかったのだ。


そういえば3人目のやつにあだ名つけるの忘れてたぜ。

忘れるくらいならあだ名つけなくてよくねって思ってるかもしれなないが、一人だけつけないのもなんか尺だからつけるとしよう。

人に優しくしないとね。

「長い前髪で前が見えねぇ。」でいっか。

前髪長すぎて目を確認できないし。

○津玄師の歌の歌詞を丸々パクってしまった。

著作権大丈夫かなぁー。

それにしてもあだ名と言っていいのかわからなくなってる。

考えるのがめんどくさいとかそういうわけじゃないからね。


「そこの3人はやく席に座った方がいいよ。先生が困ってるじゃないか。」


そんなことを言ったのは爽やかイケメンの男子だった。

クラスの女子たちはすでに「キャーカッコいい!」「先生の心配もするなんて紳士すぎ!」

といっている。

ほとんどの女子たちは興奮状態だ。







オリエンテーションが始まった。

光川先生の自己紹介から始まった。


まあ、そんなことはどうでもいい。

俺はこれから勉強するのだ。

そう思いつつ英単語のプリントを鞄から出して覚え出した。

朝家で多少やったから大体はわかる。

けど、完璧にはできていない。

完璧にするために英単語プリントとにらめっこする。

すると、隣の人が何か話している。


「ねぇ」


まあ、俺に話しかけてるわけではないだろう。

話しかけるなオーラも醸し出してるし。


「ねぇ、ねぇってば。」


こんなに言ってるのに反応しないやつくそだな。


「聞こえてるのに聞こえてないふりするのやめてもらえます、かっ!」


最後の一語の力強い言葉と共に急に左腕の二の腕が痛くなった。

右腕を見ると細くて長い指が握りしめていた。

その手をたどるとそこには美少女がいた。

栗色の長い髪に、顔は小さく、鼻は高くスッとしていて、肌は白い。

ただし目は細くしてにらんでいて、薄ピンク色の唇をした口はへの字に曲がっていて、頬っぺたはふっくら丸くしている。

怒っているようだけど可愛いかった。


「もしかして、俺に話しかけてました?」


おそるおそる聞いてみる。


「そう!君に話しかけてたのに全部無視するんだもん。イライラしたんだからねっ!」


声は高くて、可愛い声をしていた。

どうやらくそだったやつは俺だったらしい。くそがっ。


「ごめんごめん。俺に話しかけるなんて全く思いもしなかったから。ところでなんで話しかけたの?」


「ああっ。そーだった。なんで英語のプリントしてるか知りたかったんだっ!」


「えーと。実はオリエンテーションのあと抜き打ちで英語の単語テストがあるんだよ。そのテスト範囲がこのプリントだから勉強してるっていうわけ。」


「抜き打ちっ!?なんで君そんこと知ってるの?高校からもらった書類に書いてあったっけ?書いてなかったと思うんだけどなー。抜き打ちだから書いてないか…。なんで知ったの教えて教えてっ!」


顔を近づけて聞いてくる。

思わず可愛い顔に見とれてしまった。


「わかった。わかった。話すからちょっと離れてくれっ!」


彼女は何をいっているのか理解するのに数秒かかり、自分が何をしていたのか自覚すると顔を赤くして素早く距離をとった。


「話していいですよね?」


「……あっ。お、お願いします…。」


ちょっと話を聞ける状態か不安だったけど、なぜ英語のテストがあることを知ったのか話した。

話しているときはさっきのことは忘れたかのように紳士に話を聞いてくれた。


「そんなことがあったんだ!君って結構悪い子だね。入学式サボるし、なっちゃん先生が口を滑らしたこと言わないしねー!」


「なっちゃん…?」


「光川夏子先生だから、なっちゃん先生!先生可愛いし合ってるよねっ!」


いきなり先生をそんなふうに呼ぶなんてすごいなーこの子。

そんなことに感心する俺だった。





こんな会話をしている間に、先生からの話は終わったらしかった。


「次にみんなに自己紹介してもらいます。出席番号順に発表してください。」


自己紹介とかだるすぎるだろ。

どう自己紹介しよう…。

自己紹介をする人はみんなから笑いをとったりしてうまいこと話している。

クラスから好印象をもらえるためには…。

いや、好印象なんかもらえなくてもいっか。

そんなことに時間をかける必要はない。


ついに俺の出番が来た。


「皐月蒼です。よろしくお願いします。」


騒然としていた教室が静まり返った。

ああ、もうボッチ確定だな。

それを狙っていた訳でもあるけどね。

ボッチでいることで他人から邪魔されて自分のしたいことに支障がでずにすむ。

自分のやりたいことを我慢して他人に会わせることなんかない。

故に、ボッチになることは悪くない。いや、むしろみななるべきだ。

みんな、ボッチになろう!


左隣の彼女の方を見ると「へぇ~。」といっているような変な笑みをこぼしている。

なんだよその笑み。

めっちゃ気になるんですけど!!


次々と自己紹介は終わっていく。

次は左隣の彼女だ。


南沢茉莉花(みなみさわまりか)です。よろしくねっ!」


男子たちは南沢を漠然と見ていた。

スタイルが良く可愛いからしかたないだろう。

ほとんど自己紹介変わらないのに回りの反応が俺と全然違う。

外見の効果恐るべし。


彼女は席に座ると俺にもう一度俺にしか聞こえない声で自己紹介をした。


「私は南沢茉莉花。よろしくねっ!私のことは茉莉花って読んでねっ!そ・う・くん♡」


あざとい。

実にあざとい。

これは人望が暑く人気が出るだろう。


「いきなり名前呼びはきついって。苗字で読んでもいい?みなみ…痛っ」


「何て言いました?」


彼女の表情は口元は笑ってるけど目が笑ってなく、左腕の二の腕を握ってきた。

ちなみに初めに握られた時よりも痛い。

女子なのに握力強すぎだろ。

40キロは固いな。


「わかった。わかった。ま、茉莉花…。」


きつい。まじできつい。

恥ずかしくて顔から本当に火が出そうだ。

さらにこんなこと男子に聞かれてたらボッチだけど回りの視線がきつくて辛くなるよ。


「よろしい。」


南沢、いや茉莉花は勝ち誇ったような表情をしていた。





オリエンテーションが終わった。

英語の勉強をしたかったのに茉莉花がずっと話しかけてくるせいで全然勉強できなかったじゃないか。

無視しようとしたら左腕を握ってくるし。

まじで痛いからやめてくれ。


「今から英語の単語テストをします。」


光川先生がそう言うとクラスメイトは「えー。そんなことに聞いてないんですけどー。」と口々にいっている。


「常葉高校は進学校です。勉強をサボっているとついていけなくなりますよ。サボらないように常葉高校では抜き打ちテストをすることが多々あります。皆さんこれからは気を付けてくださいね。それではテストを配りますね。今日は最初のテストなのでテストを回収するのはやめておきます。試験時間は20分。終わったら隣の人と答案を交換して丸つけしてください。テストを始めてください。」


問題は50問だ。

満点とれるかは不安だが頑張ろう。


「終わってください。」


おそらく満点だろう。

思った以上にできた。


「蒼くん。回答用紙交換しよっ。」


「わかった。」


茉莉花のテストを採点した。

驚くべきことに満点だった。

一応言っとくけど、可愛いからおまけしたとかじゃないからね。


「驚いたー?絶対できてないと思ったでしょー。」


図星だ。

ここは無言で貫こう。


「認めたらどうですかー。にひひ。」


「変な笑いかただなー。」なんてもちろん言えるはずもなかった。



 


この日はこれで学校が終わりだった。

すぐさま席を立って帰ろうとした。


「じゃーねー。蒼くん。」


声でかい。

回りからの視線が痛い。


「ばいばい。また明日。」


周りの人(特に男子から)鋭い目で見られて、今日の学校生活は幕を閉じた。





家に帰って自室に行き制服から部屋着に着替えてベットに仰向けになる。


目を閉じて今日の振り返りをする。

今日は大変だったな。

今日だけじゃなくてこれからも大変だ。

茉莉花がいるからなー。


「はぁ。」


ため息をつくと。急に聞いたことがない声が聞こえた。


「ため息なんかついてなんかあったのか?」


目を開けると目の前に小人が空中に浮いていた。

赤い髪の毛をしていて、防具を着て、左の腰辺りには剣を装備していた。


「お前、誰?」


反射的に言葉を発した。


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