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現状:森林騒乱②でした!

一万文字OVER、気合入れました!!

次話投稿は一週間以内です

※翻訳の設定を話と齟齬があったため書き換えました。

 ・・・俺の出だしはいつもそうです。

 うん、もう覚悟は出来てるし仕方ないのは分かっている。俺の異世界ライフ人生における標語はもう確立している。

 そう!! 「どうしてこうなった!?」である。


「えぇと、思い出せ。なんでこうなっている・・・? 俺は一体何をしでかしたんだ?」


 頭の中で一体何があってどうしてこうなったのかを必死に考える。頭なのか体なのかわからないけど。


 よし、粗方思い出した。

 確かオークと戦闘中だったコボルド達に助太刀して、何匹かの犠牲は出てしまったが無事に助け出した。

 その後にゴブリン達と合流して、ジェネラルオークがどこに行ったのかを考えていたんだよな?

 それで・・・オークの行動理念からエルフが目的だってわかった。・・・そこからだな。

 その時の反応に驚いたもんだよ。




「成る程、流石は我らが主君。そのご慧眼、お見事です!!」

「そこまでじゃないと思うんだけどなぁ・・・」


 何をご謙遜をと笑うのは刀コボルド・・・コクヨウ。

 うん、間違いなく俺への忠誠メーターは振り切れている。目を輝かせながら、こちらを見やるコクヨウに居心地が悪くなる。

 俺はそんなだいそれた立ち位置には居ない筈のにんげn・・・スライムなんだよ


「主君・・・アタイ達頑張ったよ・・・褒めて?」


 そういってこちらを見やるのは無手コボルド改めキク。

 なんだろう。このコボルドを見ているとなんだか庇護欲が湧いてきてしまう。

 思いっきり撫でていると、何やら後ろから冷たい殺気が・・・


「わはは。流石犬コロ、我らが主人にごまをするのが上手い」

「僻むな、臭鬼」


 コクヨウと雄ホブゴブリンBコトヒラの両者が激しく火花を散らしている。何もそんなくだらない喧嘩しなくてもいいじゃないか。

 あらら、ハルウ達もちょっと機嫌悪そう・・・。


 仕方ないので全員に触手を伸ばしてやることにする。

 全員といっても幹部クラス?の奴らだけ撫でてやっている。後ろで物欲しそうに指を咥えているコボルドとゴブリンは無視しよう。

 コクヨウ達とハルウ達はわかるんだけど、なまじ人間に近いゴブリンを撫でるのはなんだかなぁ。


 コボルド達は俺のことを「主君」、ゴブリン達は「主人」、ハルウ達は「アルジ、リーダー」と呼んでいる。・・・むず痒い

 まぁ、配下にしたのは俺だし仕方ないんだよな。魔物の世界は地位が重要な意味を持つらしい。

 その中でもトップというのは配下からすると、恐るべき存在、心の底から信頼する存在、他者を圧倒する存在である。

 俺なんかがそんな地位に居るのが本当にいいんだろうか・・・そう漏らすと全員が全員笑いながらあなた以外に誰がいるというのです?と屈託のない笑顔を向けてくる。


 ちなみにコボルドとゴブリンは亜人に分類されるのだが、限りなく魔物に近い亜人だそうで習性や考え方は魔物よりだそうだ。


 はぁ、勢いで配下を作っちゃったのはいいんだけど早速疲れた。

 まさかここまでとは思ってなかったんだよな。相変わらずコボルドとゴブリンは小競り合いを繰り広げるし、俺が一喝すればすぐにやめるんだけど、元が小市民の俺には辛い。


 ミシ・・・ミシ・・・


 あぁ、それにしてもハルウの背中はフカフカで気持ちいい。

 コボルド達とオークの交戦に割って入って大分魔力も消費したし、体中がだるい。よくよく考えたら俺は早朝に強くないんだった。そんな俺が朝からオークと交戦して、コボルド達を配下にして、オークの狙いがエルフとわかって南下中。

 連続して動き続けた結果非常に疲れたし、眠い。

 自然と瞼??がゆっくりと下がってくる・・・。そして、意識は完全に沈んだ




 そして目を開けてみるとこれだよ。

 ん? 何が変わっているかって? そんなの全部だよ。


 ハルウ達の大きさが眠った前よりも一回りも二周りも大きくなっている。

 体を覆っているフサフサの毛は長く、このスライムの体を包んでいる・・・暖かい。

 肉球が愛らしかったその足には巨大な爪が生え、牙は鋭く口の横からその存在を主張している。


 恐る恐る後ろを見ると、140cm程度だったコボルド達の大きさも、人間の成人男性くらいまで大きくなっている。腰に下げている武器もそれに合わせて成長しているようだ。

 顔には人間らしい表情というのが見て取れるようになっている。動物のように表情からはあまり感情が読み取れなくて、尻尾や行動を見て判断していたけど今はそんな必要がなさそうだ。

 薙刀コボルド改めルリにチラリと視線を向けると、目が合う。

 すると、目を背けて顔が赤くなった様に感じる。恥ずかしがってる!?


 次いでゴブリンに視線を向けると、こちらもやはり大きくなっている。成人男性と言わないまでも、小さかったゴブリンが多分150cm以上はあると思う。

 コボルド達とは違って元から表情を読み取れてはいたけれど、今の彼らの顔にはしっかりとした知性が感じられる様になっている。

 雌ホブゴブリンAシロタエに視線を向けると、何?と言いたげな顔を向けて、ニコッと微笑みを向けてくる・・・。


 そういえば、ハルウ達以外はどことなく人間に近付いているような気がする。前までは魔物8に人間2という感じだったけど、今は魔物と人が共に5という感じになっている。


 “「進化の系譜」最終適応パーセンテージを表示します。適用率「55%」”

 “適用に伴い、進化の系譜に取り込まれます。提携のシステムから逸脱、!%&$_として構成。”


 ナビちゃん襲来。久々ですね。

 うーん、相変わらず何言ってるかよくわかんないな。「進化の系譜」って確か俺のユニークスキルだったよな?

 うーん?


『つまり、あなたがそれを持っていると他の子達も強くなるんじゃないかしら?』


 ウンウン唸っているとディーレさんが念話で頭の中で教えてくれる。

 成る程、他の配下に適用される謎スキルってことかな? それが適用されると、姿形が変わると。


『姿だけじゃないわね。ステータスもかなり上がっているみたいよ。どうもあなたに引っ張られているみたい。私もさっきから体が熱いのよ』


 ステータスまで上がるのか!? かなりのチートスキルみたいだな。これは俺の時代が到来したのか!!

 ・・・・・・・・・まぁ、そんなわけないよね。だって、俺には全くの変化が見られないんだもん。もういじけてやる。

 どうせスライム、されどスライム。


『あまり悲観しないで、私はそんなスライムさんが好きなんだから』


 あぁ、癒しだ・・・。女神様がいらっしゃるぞ。

 こんな綺麗で美人で性格良好な精霊さんが俺の傍にいてくれるなんて、幸せもんだなぁ。


『フフ。嬉しいこと言ってくれるわね』


 一頻ひとしきりディーレさんに癒された後、向かっている先を見やる。

 森森森、本当にエルフの居る所に向かっているのかわからないなぁ・・・。

 コボルド達とゴブリン達に聞いてみると、南部の方に結界が張られている場所があるらしい。

 一目見れば分かる程に、その結界が張られている場所は木々が高く、体がピリピリとするそうだ。


「それにしても主君。エルフ共の里へと向かっているようですが、オーク共にけしかけた後、わしらはどのように戦えばよろしいのでしょうか?」

「ん? 嗾ける?」

「な、何か間違ってございましょうか?」


 嗾けるって・・・オークをエルフに?

 えっと、ちょっと待てよ。俺はエルフ達を助けるために動いているわけなんだけど、まさか皆わかってないのか?


 チラッと後ろを見てみると・・・どうも皆わかってなさそうだ。

 成る程、そういえばコボルドもゴブリンも初めは敵同士。つまり、他部族と友好関係を築くなんてことはない。それはエルフにも言えることか。

 それなら、オークとエルフが衝突してオークが弱った隙に、俺達が奇襲を掛けてエルフとオークの領地をどっちも奪い取って一石三鳥てな感じで考えてるのか。


 そんなこと・・・そんなこと許されるわけがないだろうが!!

 エルフだぞ!? ファンタジーには欠かせない素材、異世界に行くって言ったら必ずと言える程付いてくる存在、美人以外存在しない圧倒的美を携えているエルフ!!

 しかも、俺は知っている・・・あの娘は貧乳じゃなかった。もう・・・それはもう・・・。

 そんな超希少存在のエルフをむざむざとオークなんかに殺させてたまるか!!


 具現化して胸元から覗くディーレさんに頬をつねられながら後ろで歩く全員へと向き直る。

 何か間違ったかと小太刀コボルド改めソウカイが頭を捻っている。


「あぁ、えーと。なんか勘違いしているようだったから言っておくけど、俺はエルフとオークを戦わせるつもりなんてないぞ。エルフは・・・まぁ、なんていうかちょっとした恩があるからな」

「主君に・・・恩?」

「あぁ、俺が一人でこの森で居た時に綺麗な曲を聴かしてくれて、ディーレとも会わしてくれたんだ。彼女達がいなかったら、俺は今ここに・・・生きていられるのかさえわからなかった。だから、助ける」

「主君・・・」


 うん。まぁ、俺にだって煩悩って言うもんはある。すごく可愛くてそれだけで守る価値も助ける価値もあると思う。

 けれど、彼女達と会ってなかったらきっと助けにはいかなかっただろうな。コボルドとゴブリンとハルウ達を優先してソウカイが思っていたように、捨て駒にしただろう。

 この世界がとてつもなく理不尽だってことはもう理解しているからな・・・。


 一人で訳もわからなく森で彷徨っている時に、彼女達は俺の癒しになってくれた。あまつさえ、ディーレとも会わしてくれたんだし。

 助ける理由は十分にある。

 ・・・あ、もちろん美人だったってところ二割・・・三割程ある!!


「「「・・・・・・」」」


 えーと、やっぱまずかったかな? そりゃそうだよな、エルフって亜人だけど、姿形はほとんど人と変わりないし、敵を助けるなんてリーダー失格なんて思われてるんじゃないかな。

 しかも、コボルドを助けたのを特別視されてないって感じて、こいつは誰でも助けるんだ・・・なんて思われも仕方ないよな。

 まずったなぁ、ここは少し訂正を。


「いやまぁ、実h『『『流石は我らがあるじ』』』・・・は?」


「エルフに恩を返す。成る程、それを利用してエルフ共も配下に加えてしまおうという事ですな。なんという思慮深さか、このソウカイ一層主君に惚れ直しましたぞ!!」

「エルフを配下にして、オークを倒したら事実上ユガの森を制覇したってことですね。いやぁゴブリンを率いるリーダーとしてその策略、是非とも見習いたい」

「またライバルが増えるのかしら」

「大丈夫よ、ルリ。私達が組めばエルフなんて」


 ・・・あはは。もうどうにでもなれ。

 俺の言葉がどんどん美化されて、脚色されていく。もう慣れよう、そうしよう。

 何やら薙刀コボルド改めルリと雌ホブゴブリンAシロタエが互いの名前を呼び合いながら手を握っているけど・・・よく聞き取れないな。

 コボルドとホブゴブリンの男連中は言葉を交わす度に毎回喧嘩なんだけど。女連中は以外と意気投合している・・・なんでだろう?

 ディーレさんも少し照れているようだ・・・可愛い。


「ま、まぁそういうこと・・・だ。なので!! エルフ達の救援に行く。全員南下急ぐぞ!!」

「「「承知!!」」」

「「「了解!!」」」


 エルフ達の下へと向かうために、少し行軍のスピードを速める。

 驚いたことに全く疲れなどはないそうで、なんでもオークとの戦闘が終わったコボルド達は疲労困憊の状況だったのだが、俺との従属を結ぶと疲れがなくなったらしい。

 ゴブリン達も同じで、コボルドの下へと辿り着いた頃には、急いでいたのもあってかなりの疲労があった、だけどコボルドと結んだ直後これまた同じように疲労がなくなっている。

 これも「進化の系譜」のおかげ・・・なんだろうか?


「主人様。エルフの里へ行かれるとのことですが・・・」

「うん? どうしたんだヨウキ?」

「もし、エルフ達がオークの接近に気づいた場合、逃げると思うのです。そうなった場合入れ違いや、逆の方向に逃げていってしまうことがあるかもしれません。そして、追い詰められれば、オークに攻勢に出て返り討ちに遭う可能性もあります。そうならないように誰かを先行させて、こちらに向かって貰うようにしたほうがいいと思います」

「成る程ね。ありがとうヨウキ」


 雌ホブゴブリンBヨウキの頭を撫でてやる。この娘は結構頭がいいんだよな。

 そういえば焦って入れ違いになることを考えてなかった。こんな時こそ冷静にならないとな。

 気持ちよさそうに顔を赤く染めr・・・赤く染める? まぁ、気持ちいいんならいいや。なんだか、寒気がするな。


「さてと・・・メッセンジャーを送るんだったな。それなら足の速いコボルドに頼むとするかな?」

『ハルウ達の方がいいんじゃないの? 一番足が速くて、南部の事をよく知っているでしょう。それにこの中じゃ鼻も一番ね』

「でも、ウルフって魔物だし・・・怖がられないかな?」

『それこそ貴方の拍手?を覚えさせればいいのではないかしら?』

「成る程。拍手さえできればエルフとコミュニケーションもとれるか」

『言葉は通じないわね』

「え? そうなの?」


 今初めて知ったことだが、地球のようにこの世界には様々な言語があるらしい。それもかなり多種多様な言語がある。

 今俺達が喋っている言葉は「魔物語」であるらしい。意思のある魔物であれば自然と使えるようになるらしいが、ややこしい事だがその地域によってこれもかなり変わるらしい。ハルウ達が話す魔物語も結構独特なようで、コボルドやゴブリン達は聞き取れないらしい・・・初耳だ。


 そしてエルフが喋る言葉が「エルフ語」になるらしい。でも・・・前にエルフと人族の二人に会った時俺が習得したのは「アルテリア言語」だった。なんでエルフの子の言葉まで分かったんだ?


 それはディーレさんがまた細かく説明してくれた。

 エルフが使う精霊魔法の中に「翻訳」というものがあるらしい。その魔法は「かけた者」が「かけられた者」の使っている言語に変換されるというものらしい。どこかのロボットが出すこんにゃくに似ている。

 つまり、エルフの女の子が使う「翻訳」によって言語が変換されたらしい。エルフ語がアルテリア言語に変換されて俺の耳に届いていたから聞こえたんだな。

 簡単に言うとかけた方の言葉が相手方の言語に変わるって事か、ややこしいな。


 まぁ、それにしてもここにいる俺以外はどっちも喋れないんだよな・・・。そうなると拍手だけでこっちまで来て貰うしか・・・さすがにそれじゃあ厳しいな。


「うーん。どうしたもんかな・・・」

『私が精霊文字を作ってウルフちゃんに持たせればいいんじゃない? それならエルフ達もわかるでしょう』


 精霊文字っていうのはエルフになら簡単に解ける暗号のようなものらしい。ただ最上級精霊となったディーレさんが紡ぐ文字を解読するにはかなりの精霊力が必要らしく、普通のエルフでは難しいそう。だけど、あの泉に居たエルフっ娘なら大丈夫だという。

 彼女なら一回拍手も見ているし、大丈夫かな? 俺の事を見たときペットにしたいって言ってたし、家のウルフ達はペット力が非常に高いから大丈夫だな。


 それじゃあ誰を行かすべきか・・・ハルウはリーダーだし、ユキとモミジはもしもの時に対応できるかが不安だ。ステータスが上がっているとは言え、女の子だしな。

 そうなれば最後に残るのは一匹なわけで、ナーヴィに行ってもらうことにする。


 俺がエルフの元に行って欲しいと伝えると、すぐに首を縦に振ってくれる。まぁ尻尾がブンブン振られているわけで、何をご褒美に欲しいのかが一目見ればわかる。撫で回してやる。


 ディーレさんが創り出した精霊文字が入った小瓶を首から下げ、ナーヴィは森の中へと颯爽と消えて行った。

 もし何かあった場合は、大声で遠吠えをするように伝えてある。エルフに無事合流できたのなら、エルフと行動を共にして危機から守り、エルフの居場所を知らせるために遠吠えを上げることを言い聞かせる。ちゃんと伝えられるかがすごく心配だ。


 因みにディーレさんが小瓶の中に封じた精霊文字は「西へ」とだけにしているらしい。それ以上ともなると、さすがのあの娘でも解読することが難しいらしい。




 ナーヴィが無事エルフの元へと着いているかを心配しながら、ハルウに揺られて南下すること数十分。

 足早に南に向かうコボルドとゴブリン、そしてハルウ達を見やると今だに成長しているのか時折ミシ・・・ミシ・・・と聞こえてくる。これ以上大きくなったら俺の立つ瀬がないんだけどなぁ。


 数ある触手を弄びながら、ディーレさんと百連ジャンケンに興じていると、後ろから聞こえてくるのはコボルドとゴブリン達の話し声。主に俺の良い所の言い合いになっているんだけど、何故俺のフォルムが美しいなんて思われているんだろう。ブヨンブヨンなだけなんだけどなぁ。


 UUUUUOOOOOOOOOOOOOOOOONNNNNN


 そして唐突にそれはやってきた。

 森から響き渡る、遠吠えが俺達の耳に確かに聞こえた。

 ここからそう遠くない場所から聞こえるそれに、その場にいた全員が身を引き締める。

 獲物が鞘と触れ合う音が鳴り、冷たい殺気がその場を支配する。


 鋭い眼光を飛ばすコボルドとゴブリン達に振り返り、準備はいいかとばかりに全員を見やる。当然と言わんばかりに不敵な笑みを浮かべながら己の獲物を掲げ、抑え難い気の昂ぶりを静かな静寂が包み込む。


「行こうか」


 静かに告げたその一言で、遠吠えの聞こえた方角へと駆ける。

 足音などは聞こえない。通常なら聞こえるであろう、大群の足音は森のざわめきに掻き消され溶けて消える。


 雪辱を果たさんと獲物を持つ手に力を込めるコボルドとゴブリンに、下らない事で言い争っていた姿は一変たりとも見受けられない。


 正直言ってしまうと俺達だとオーク如き赤子の手を捻るよりも簡単だと思う。全員のステータスはオークを軽く上回り、ハイオーク一歩手前まで来ている。

 ホブゴブリンやコボルドの特異なんかはハイオークを上回っている。


 斯く言う俺なんかはハイオークなんて束になって掛かってきても簡単に倒せる。それにディーレさんも加わればあのジェネラルオークも簡単に倒せるんじゃないかな? でも人間並みの知性と野生の勘が優れているため厄介極まりない相手だとは聞いているし、油断は大敵。慎重に行こう。


 森の隙間からは、精霊達が悲壮な顔を浮かべ一点を見つめる姿が伺える。その方向にエルフがいることは間違いない。

 それで決まって俺の姿を見つけると、パッと花が咲いたように笑顔を向けてくる。

 なにか騒いでいるようだけど、よく聞き取れない。

 体から抜け出たディーレがその精霊たちにエルフの下へ向かうように促している。


 森に溶けるように消えていく精霊達は最後までこちらに視線を向けて、こちらに向かって何かを言っている。

 そんなこと今は気にしていられないと森に流れる川の方へと駆ける。


 やがて、森が開け木々が少なくなる。

 そして聞こえてきたのは泥濘ぬかるんだ地を踏みしめる多くの足音、魔法の着弾に伴って発せられる爆音。何事かを喋っているであろう言葉とオークの咆哮。


 そして視界に飛び込んできたのは多くのエルフとオークの大群。

 オークの手に持たれた無骨な棍棒がエルフの命を狩り尽くさんとばかりに、獰猛に振るわれる。しかし、それはエルフの手に宿る精霊たちが創り出した光の光線に飲み込まれその巨体を無様に地に伏させる。

 後続のオークは止まることなど知らぬ、足場ができたことにこれ幸いとそれを足蹴にしてエルフへと突貫する。


 ここに来るまでにこちらも随分と時間を要してしまっただけに、大分追い詰められている。エルフ達も負けじと精霊魔法で応戦しているが、如何せん数が数なだけに押し返すことなどできるはずもない。


 ジワジワと追い詰められたエルフの中から、一際屈強なエルフが一歩前に進み出て、オーク達へと向き直る。何やら言い争っている様子が見受けられるが・・・囮にでもなろうとしているのはなんとなくわかる。

 それを止めているかなり歳の行ったエルフと・・・あれは、あの娘だ。紅い髪の女の子もいる。


 ・・・あ、泣き出した。紅い髪の女の子もその強気な瞳から溢れ出る涙が・・・エルフっ娘の目からも絶え間なく涙が溢れ出る。

 やっぱり気分がいいもんじゃないな。コボルドの斥候がやられてる時にも感じたけれど・・・うん、なんだかこう胸の奥から湧き出す沸々とした何かを感じ取れる。


 すると、エルフっ娘の・・・ミリエラ?がオカリナのような楽器に魔力を注ぐ。流れてきたのは穏やかな音色。あの日聞いた、あの曲だった。


 森の奥から仕事は終わったと、疲れたようにナーヴィがこちらに戻って来る。

 その目から分かる。多分あの彼女に会ったのだろう。助けてあげて欲しいと告げている。

 尻尾は力なく垂れ下がっているが・・・分かっている。直ぐに行くよ。


「ハルウ、ナーヴィ、モミジ、ユキ!!!!」

「ヤル」


 UUUUUOOOOOOOOOOOOOOOOONNNNNN・・・

 UUUUUOOOOOOOOONNNNNN・・・

 UUUUUOOOOOOOOOOOOOONNNNNNNNN・・・

 UUUUUOOOOOOOOOOOOOOOOOOOONNNNNNNNN・・・


「ディーレさん、オークを押し流すような広範囲の魔法の発射を!!」

「もう準備は出来ているわよ。あの子には借りがあるものね」


 あんな心の綺麗な娘達を泣かせるとは・・・断じて許さない。俺を助けたあの娘達に害をもたらすオークを許さない。一匹残らず殺し尽くす。

 エルフを襲い滅茶苦茶にしようとした奴らを許さない。


 何が領地だ、力だ、繁殖だ。そんなもん許すはずがない。

 繁殖? あのエルフっ娘に? そんなうらやm・・・けしからんことをオーク如きに取られるなんてたまったもんじゃない。


 オーク×エルフなんて認めない。ファンタジー世界に行ってやりたいことトップ10に入るだろう「エルフと結婚」を奴らごときにさせるなんて考えられない。

 エルフ×スライムだっていいじゃないか!! 最弱種族だっていいじゃないか!! 服をジュワジュワと溶かす展開に期待するちょっとしたスライムでもいいじゃないか!!


 ・・・なんだろうディーレさんがなんだか冷たい眼差しを向けてくる。


「魔法に集中してるからあまりわからないけど、何か変なこと考えてないかしら?」

「いいえ、全く」


 さて、行くとしますかね。


「押し流せ、大津波タイダルウェーブ!!」


 ディーレさんから放たれた魔力は、膨大な量の水と共に津波となりオークに襲いかかる。エルフへと猛然と襲い掛かっていたオークは死体も生者関係なく押し流す。

 そのまま死んでくれれば楽なんだけど、押し流すことだけしか考えていなかったしそこまで死んでないな。流されている途中岩にぶつかって絶命しているオークもいるからいっか。


 エルフ達が一斉にこちらへ視線を向ける。驚きに目を見開き、こちらを一心に見つめるエルフ達。涙で目を腫らした彼女達もこちらをジッと見つめている。あぁ、そういえば俺が会った時はグリーンスライムだったっけ?

 そんじゃま、打ち合わせ通りに。


 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

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 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

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 フニョフニョフニョフニョフニョフニョフニョフニョフニョフニョフニョフニョ


 さぁて、ここで鬱憤を晴らさせてもらうとするかね。

 解き放つか俺の煩悩、言ってしまうぜ最高の一言!!


「エルフ×オークなんて展開許さないぞ!! 王道はスライムだろうが!! 全軍突撃!!」


 獲物を抜き放ち一斉にオークへと突貫するコボルドとゴブリン。

 その先頭を駆けるハルウ達+俺がオークへと先に到達する。


 津波が静まった後も立ち直ることができなかったオークはハルウ達に踏み潰される。立ち直っていたとしても強大な爪に引き裂かれ、進路を塞ぐこともできない。


 やがて、コボルドとゴブリンもオークへと接敵する。思った通りオークたちは為す術もなく撫で斬りにされていく。

 コクヨウ達は、一刀振り下ろせば何匹ものオークがその命を散らしていく。ソウカイの小太刀にオークの屍が空へと舞い上がり、ルリの薙刀に周囲のオークは体を二つに分裂させる、キクの正拳に正面にいたオークが次々と吹き飛ばされていく、コクヨウの刀に全てのオークが斬り伏せられていく。


 ショウゲツ達は一つのグループとなり、一度の接敵で多くの命を刈り取っていく。

 フゲンの振り下ろすを石剣に叩き潰されるオーク、それに群がるオークに二本の短剣を的確に急所に突き入れるコトヒラ、狡猾なゴブリンが作り出した痺れ粉をオークに撒き散らすシロタエ、その麻痺したオークを斧で振り払っていくヨウキ、ホブゴブリンだけでなくすべてのゴブリンに指示を出しながらも剣でオークを屠り続けるショウゲツ。


 今のところ問題なさそうだけど、多分そろそろ・・・。


「上位個体出たぞ!! ホブゴブリンと特異のコボルドは速やかに奴らを撃滅。通常個体は上位個体からなるべく離れてくれ!!」


 さすがはホブゴブリンのリーダー、ショウゲツだ。いち早くオークの上位個体を発見したらしい。


「お前ら絶対に死んでくれるなよ!!」

「主君!! ご武運を!!」

「おう!!」


 一言、配下に告げてから俺は奴の元へと急ぐ。ハルウの背に乗りながらも、俺の触手は数多くのオークの命を刈り取っている。

 そして、見えた。


「やっと会えたな・・・オークの大将。ジェネラルオーク」


 BUUUUROOO・・・


 触手を死鎌デスサイズへと変え、ハルウの背中から降りる。

 ナーヴィ、ユキ、モミジには上位個体を見つけ次第殲滅するように言っている。


 ハルウは心配そうに一度鼻を擦りつけてくる。大丈夫俺ならやれる、と言ってやると安心したように踵を返し、上位個体の殲滅へと向かっていった。こうなれば時間の問題だろう。ハルウ達やホブゴブリン、特異コボルドにオーク如きが勝てるわけがないしな。


 ジェネラルオークと俺の間に形容しがたい空気が流れる。

 それに邪魔をするように雑魚がその空間へと入り込む・・・瞬間にその雑魚はマチェットによって首を撥ねられる。今回だけは同意しよう。


 マチェットを構えるジェネラルオーク、幾本もの触手を死鎌に変えた最弱種。

 その戦いは両者の咆哮によって火蓋が切られた。


次回、それぞれの戦いです!!もちろん対ジェネラルオークもあります!!

※翻訳の設定の書き換え:翻訳をかけたエルフっ娘が「アルテリア言語」を喋るように変更しました。


 何か変なところ、見にくい、誤字だ!などがあればどしどし教えて頂けると嬉しいです。

(言い換えでこういうのがありますよなどが合ったら教えてください。例:取得→習得、思いやる→慮る、聞こえる→耳に届くなど)


感想や活動報告の方にコメント頂けると私の気力になり、筆が踊りますので気軽にどうぞ!!

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― 新着の感想 ―
[一言] 完全にパクリやな。名前を変えておなじ人間が書いてるわけ無いと思うが。
2019/11/29 01:53 退会済み
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