∴縺:魔の天敵でした!
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聖都からの来訪者・・・聖都の軍から来訪した使者はいったい何を目的にこの街にやってきたのか。
side シロタエ
額から一筋の汗水が伝い落ちる。男から発せられた言葉の中に、聞き逃すことのできない一文が紛れ込んでいた。その言葉にハルウ様でさえ驚きにほんの少しだけ身動ぎさせ、目を細めて男を睨みつけた。
その男が口にした『聖都』の言葉・・・その国は、主人様が最も警戒する国であり、私達魔族の指南役であるあのサテラが魔の天敵と教え、私達にとって一番気をつけなければいけない存在だと言っていた国だ。
もしもそれらと相対した時は口を閉ざして、その場から即座に逃れる様にと言われ、主人様からもサテラの言った通りに危うきには近寄るな・・・と言われていた。
しかし、向こうから向かって現れたこの現状、私たちが前に出た以上もう引っ込むこともできはしない。そして既に相手はモミジ様に刃の鋒を向けた・・・非礼はあちらにあれどそれを攻めれば、私達だけに被害が出ればいいがこの街に存在する魔族に矛先が向かえばどうすることもできない。
「・・・何用で此方に参られたのでしょうか?」
「いやいや、何やら『魔族』が暴れていると聞いたものでな。我々が派遣されただけだ」
「いいえ、それは『魔族』ではなく『魔物』が暴れていただけにございます。それも我々ギルドとパーティーで先に討伐した次第」
「これは異な事を・・・『魔族』も『魔物』も同族ではないか。魔族が裏で操ったのだろう?」
「その様な事はございません。魔族は討伐戦において協力し、また魔族には魔物を操る力はございません」
相手は明らかに挑発してきている。魔族が激昂するように自然と誘導している・・・しかし、幸いなのは私たちが魔族だと気づいていないこと。
この男・・・『ラーカ』と名乗った男は、私達と会話を交わしながらも周囲できた野次馬の中にいる魔族に少量の殺気を向けている。その魔族達が歯軋りしているのを見ては愉悦に口元を歪めている・・・その殺気や嘲りが私達に向けられていない所を見ると、私達が人であると思っているのだろう。
私の首元に潜んだ忍蜘蛛達に服の裾を軽く揺らして合図を出す・・・忍蜘蛛達は周囲にいる魔族達の元へと向かい、手出し・口出ししない様に告げに回る。
魔族と魔物が同一・・・確かに主人様の様にスライムから魔族に至った者などはいるが、魔族・・・『魔人』は基本的に魔物とは全く違う存在であり、魔人からしても魔物は厄介な敵である。
そして魔人にとって『魔物』と同一視されるのは侮辱されているのと同義であり、この男に私達魔族は蔑視されているということだ。
「ふん。どうだかな・・・魔族風情が我々と同じ空気を吸っていると思うだけで吐き気がする。様というのはその魔族共に対して被害を受けた住民の調査だ。人間が魔族に脅かされているとなれば我々聖都としてはそれの排除を行わなければならない」
「その様な事は」
「それを決めるのは我々聖都であり、ギルドが口出すことではないのだ。我々聖都には他国への入国の権利、そして魔族に対する重大な案件が起きた時に限り聴取や武力によっての鎮圧を行うことを許可されている」
聖都・・・それは大昔、魔族と人との間に起こった大戦の時代にまで遡る。今の聖都はこの世界で王都や帝都を抑えて一番の国力を誇る国であり、どの国よりも『神』に対する信仰心が厚く、『魔』を忌み嫌う国である。中でも聖王軍と呼ばれる聖都の軍隊は『神』の先兵と呼ばれるまでの武勇を誇り、それぞれ『三人』の聖将と呼ばれる人間がそれぞれ部隊を率いている。
しかし、『三人』とは呼ばれているものの、そのうちの『一人』は今は誰も属していない。というよりも誰も属せないといったほうが正しく、その『一人』こそ聖都が聖都足り得る理由齎していた。
大戦が勃発した当時、聖都は弱小国であり・・・魔族の領都と隣接していた為に、度々侵攻されては略奪され、多くの人間が魔族により殺されていた。
しかし、そんな時・・・一人の人間が聖都に産まれ落ちた。魔族達は何も知らずに聖都に侵攻し、その人物に全滅させられた。
強大な魔族はたった一人の人間に成す術なく殺され、聖都の当代の王は驚愕しそのものを王城にまで招き入れて一体何者なのかと伺った。
そしてその人物はこう答えた・・・
『勇者』だと。
そして、そこから人間の快進撃が始まった。聖都の勇者を筆頭に魔族に大規模な犯行戦を仕掛け、その悉くを打ち破り魔族を人間の領都から退けさせた。
聖都の軍事力は勇者の出現から一転、ぐんぐんと伸びていき強大化し・・・いつしか聖都の軍は人間達の一番先頭に立ち勇者を筆頭に戦いを繰り広げていった。
魔族は勇者の出現に驚愕し、狩る側から狩られる側へと変貌したことを悟ったという。
・・・大戦末期、人間と魔族は疲弊しきり、戦争は終結してお互いに手を引いた。その後、聖都は最大の功労者として疲弊した人間達を纏め上げ、その力を確立させた。
勇者の生まれた国として・・・魔族に対する有事の際は『救済』の名の下に各国に手出しできるという条約を締結し、人間を守る盾と矛とを担う国となった。
そう、聖将の一人・・・空席のそれは『勇者』だ。
勇者が失踪した後も、勇者が齎した恩恵は聖都に残った。その一つが『聖なる武器』・・・魔族に対して毒となる光の力が込められた武器を作ることができるのは聖都だけであり、その武器で切られた魔族は対処しなければその身が灰になる。魂ごと燃やし尽くされ、生まれ変わることはなく全てが抹消されるとまで言われている。
・・・しかし、年月を経て聖都のあり方は変わった。
人間を守る盾と矛ではなく・・・魔を忌み嫌い、嫌悪して強権を振りかざす国へと変貌した。人間に対してはそこまで横暴はしないが、こと『魔』が関わると強権を振りかざし、自分達の思うがままにことを運ぼうとする。
聖都の中には魔族も存在する・・・・・・奴隷として。命の価値はそこいらの家畜よりも軽く扱われ、行き場をなくした魔族達は捉えられて富裕層の人間の遊び道具として扱われている。
それに対して各国は何も言えない・・・魔族と人間は互いに平等であるという条約を締結した後でも、聖都だけは治外法権として扱われる。
故に・・・魔族は聖都のものとは決して関わることはない。
ラーカのいう重大な案件とは名ばかりに、好き勝手に魔族を揶揄しているだけであり、焚き付けている。
「成る程・・・サテラの言う通りなのですね」
「何か言ったか?」
「いえ。承知致しました・・・お願い致します」
一先ずここは穏便に済ませることが重要。ここで事を起こせば、私達のみならずこの街にまで迷惑をかけることとなってしまう。
・・・ただ、わからない点が一つ。
聖都の軍隊は基本的に聖都周辺の見回りを行うのみで、殆どの場合外に出ることはない・・・そうサテラは言っていた。魔族がいたとしてもそこまで深く関わってはこない・・・少しでも不穏な動きや人間を害することなどしない限りは何もされず、あったとしても忌々しげな視線を送ってくることくらいだと・・・。
しかし、今・・・この生徒の連中は明らかに魔族を煽っている。魔族に自らが突っ掛かり、何か問題を引き起こそうとしているように見える。
この街にも魔族は少なからずいる。野次馬の中にも二、三人魔族の姿が伺える事からもこの街には百数名の魔族がいることはギルドの名簿からわかっていた。
ハーピー達にこの街にいる魔族に声をかけに行ってもらいその存在も確認している・・・この人間達が街に滞在している間は私達の配下を含めて外に出ないようにしたほうがいい。
忍蜘蛛達に視線を這わせると、忍蜘蛛達は首を縦に振って野次馬の中に消えていった。
・・・私はこの者たちの案内役を務め
「シロタエ、お前は奴等の目的を洗え」
ハルウ様がそう告げる。
ハルウ様もあれらの目的を計りかねている・・・間違いなく何かを目的としてあの様な態度をとっていることは確かで、後は目的が一体なんなのかを突き止める必要がある。魔族に対してそこまで煽る意味はなんなのか、聖都の軍が一体こんな港街にまできたのは一体何故なのか?
そう考えた直後・・・聖都の人間の口元がつり上がった。
「あぁ、そうそう。先程、この町の近くにいた魔物を撃ち落としたんだが・・・街の外に置いて来たままなんだ。我々が戻るまでには掃除しててくれ」
・・・?
どういうこと?
その言葉の真意に気付く前に・・・突如として野次馬の中から慌てた様子で一人の人間が飛び出してきた。
「ぎ、ぎるど、ギルド長!! 大変です!!!」
「一体どうしたというのです?」
息を切らしてやってきた人間はどこかで見たことがある・・・確か、ギルドで受付をしていた人間だ。ギルド受付のまとめ役としてこの街のギルドを長年務めていた人間だ。私がこの街に来た当時にギルド職員として私に仕事を教えたのも確か彼だ。
一体どうしたというの?
「そ、外に・・・外に・・・」
「落ち着きなさい。今は客人の御前で」
「ハーピーが・・・ハーピーの子が腹を何かで撃ち抜かれて外で倒れてるんだよ!!」
その瞬間・・・私の頭の中が真っ白になった。
その言葉はしっかりと私の耳に入り・・・しっかりと私の耳に刻まれた。ハーピーが何かに撃ち抜かれて街の外で倒れているという。ハーピーは・・・ハーピーは私の配下に、ユルバーレとして連れてきていた。
野良のハーピー?
いや、そんなわけはない。ハーピーはこんな身を隠す場所のない街の周辺・・・草原にいるわけがない。岩山や森など自分達が巣や縄張りを作れる場所に住んでいる筈だ。
そういえば、外の警戒に出ていたハーピーがいた筈・・・草原に現れる魔物の排除や盗賊などがいないかを捜索するハーピーを出していた。もしも、街の外に不振な集団がいればそのハーピーが報告しに来る・・・つまりこの街に向かってきていた聖都の者達についても報告しにくるはずだ。
しかし、報告なく・・・彼らはこの街に入ってきた。
そして、ハーピーが外で倒れているとなれば・・・それは・・・それは!!
報告しようとしていたハーピーを・・・彼らが・・・こいつらが。
撃ち落とした。
ドクンドクンと心臓が早鐘を打つ。ザワリッと毛先が揺れ、目の焦点が合わなくなる・・・ニヤニヤニヤとしながら笑う。
殺意がグツグツと煮え滾る。目の前が真っ赤になり頭の中に殺意衝動が渦巻く、呪魔の反動によってビリビリと痛む身体がそれを制しようと私を蝕むけれど、私の身体中を流れる魔力が暴走を始めた。
しかし、それは隣から流れ出る、身体の奥底から震え上がるさっきを宿した存在に沈静化させられる。
ハルウ様が両腕をだらりと下げ、戦闘態勢に入っていた。危険な光を帯びたハルウ様の瞳・・・吐く息は既に真っ白になり、ハルウ様が本気でキレているのがわかる。
こうなってしまってはハルウ様はあれらを殺しきるまで止まらない・・・私はハルウ様のさっきで少しは冷静さを取り戻したとはいえ、このまま平然と入られるはずもない。眼前のこいつらの骸を掲げ、アンデッドとして生と死の狭間を永遠に彷徨う絶望に落とそうと呪魔の準備を始める。
ハルウ様の姿勢が前傾に傾き、私の魔力練り上げられた直後・・・
それはやってきた。
「「「「「フッザケンじゃねぇぞ!!! テメェェェェェェェェェェラアアアアァァァァァアァァ!!!」」」」」
横合いから飛び出したそれらが私達の前にいた人間たちを吹き飛ばす・・・私の目が捉えたのは、岩の様なゴツゴツとした手がラーカの顎を捉えた瞬間、下顎が右にずれて体が中へと浮き上がり頭を包んでいたヘルムが拳の形に凹んで空へと飛んだ場面だった。
聖都からの使者はこの街で長年荒波に揉まれながら鍛え上げられた屈強な船乗り達によってほぼ同時に数メートル先まで吹き飛ばされたのだ。
私とハルウ様は数秒の間呆然としてしまう・・・私達の前に今しがた立っていた鎧に身を包んだ身なりのいい兵士達が、今や漁師服と呼ばれるゆとりのある服に身を包んだ筋骨粒々の若い漁師達に様変わりしているのだ。
「・・・?」
「・・・・・・・・・」
私とハルウ様は互いに目配せし、一体何が起こったのかを確認し合う。
「てめぇ・・・俺にいつも晩酌してくれるハーピーちゃんに何しやがったんだ・・・あぁ!!!!」
「何が聖都の軍だ! 俺のハーピーちゃんに・・・俺に弁当をくれたハーピーちゃんに・・・ゆるさねぇ、許さねえぞ貴様ら!!」
「俺っちのこんなきったねぇ生臭い手を綺麗だって褒めてくれたハーピーちゃんになにしてくれてやがんだクソ野郎が!!」
「ハーピーがウェイトレスしてくれねぇとあのクソまずい酒がうまくなんねぇんだよ・・・お前らが余計なことして、あの子らが来てくれなくなったらどうしくれんだ・・・あぁ!!!!」
「ハーピーの子にほつれた服を直してもらったんだ・・・その恩返しもできてねぇってのに貴様らは!!!」
私達以上の剣幕で漁師達が聖都の軍に近づいていく。
「き、きひゃまら、わらわれにこんな・・・たひゃでひゅむとおほうな!!!」
ラーカが剣を引き抜いて漁師達に向かって剣を向ける。しかし、漁師達はその切っ先をギロリと睨むと、野太い足を振り抜いて剣の腹を蹴りつける・・・男の手から剣がスッポ抜けて吹き飛んだ先にあった住居に突き刺さる。
荒波で船が揺れる中、その船の上で倒れない為に常に体を支えてきた鍛え抜かれた足は、剣を軽々と吹き飛ばしてラーカの手をビリビリと痺れさせる。
「フンッッッ!!!」
ゴッッッ
耳を防ぎたくなるほどの鈍い音が響き渡り、ラーカの頭部に頭一つ分はあるのではないかと思われるほどの拳骨が突き刺さった。
ラーカはそのまま冷たい地面に倒れ伏す・・・それを呆然と眺めていた聖都の仲間たちも剣を引き抜くが、斬りかかろうとした瞬間足を止める。
その前には漁場の長・・・セイブが眼前に立ち、その漁師達の後ろには殴り掛かった若い漁師達よりも一回りも二周りも大きな初老の漁師達がギラギラとした目つきで彼らを睨みつけていた。
「この街でおいたはいけねぇなぁ・・・メルデッサ港を纏め上げる長として、俺達の仲間を手に掛けた罪はおめぇぞ?」
「久方ぶりに大喧嘩できそうだ」
「半殺しで手を打とうじゃねぇか・・・あぁいや、三分の二殺しでいいか?」
漁師達の圧は私でさえも気圧される・・・ゴクリと生唾を飲み込むほどの恐ろしい殺気は、聖都の人間を飲み込みカタカタと剣を持つ手を震わせる。
魔族にとって毒となるせいなる気をまとった剣でも、人間にとってそれはただの刃物・・・いや、ただの刃物でも十分に危ないわけだけど、肝と度胸が据わった漁師たちにとってそんなのは些細なものだ。
すると、一匹の忍蜘蛛が私の方へと戻って来ていた。
「ハーピーワブジ。コトヒラサマガナオシタ、セイナルキモナカッタ」
「わかったわ。さがりなさい」
私はほっと息を吐き、怒りに煮え滾っていた脳内を落ち着かせる。大きく深呼吸し、一歩を踏み出す。
「静まりなさい」
私の一言で漁師達はピタリと止まりこちらへと視線を向ける。
「ハーピーは無事よ。あとは我々ユルバーレが引き継ぐわ・・・その道を開けて」
「「「「「・・・」」」」」
漁師達は無言で道を開けると、私とハルウ様、モミジ様が並んで歩み寄る。
「貴様らこんなことをしてタダで済むと思・・・ひっ」
ザワッと空気が揺らめく。私達の身体を纏っていた余計な魔力が剥がれ落ちる・・・徐々に徐々に私達の本来の姿が現れ始める。私の額から二本の角が伸び、瞳が金色へと変わる。爪が伸びて鮮血の色へ変貌した・・・カランッと下駄の音が鳴り響き、私の瞳は静かに聖都の人間達へと注がれる。
ハルウ様とモミジ様は私の両脇にじっと・・・本来の姿で鎮座する。滅狼へ至った二方の毛並みがざわざわと風に揺られ、その巨体が聖都の人間に影を落とす。
「我々ユルバーレは魔族、貴様らが撃ち落としたのは我々の仲間だ」
「あなたたちが我々仲間に行った非道・・・決して許さないよ」
「・・・消えなさい。お前達にくれてやる物も権利もないわ。これ以上非道を働くというのなら・・・」
ギロリと睨みつける。
「「「殺す」」」
ガチガチと金属鎧がかち合う音が響き、聖都の人間達は尻尾を巻いて逃げ始める。
隊長だろうラーカをほっぽり出して逃げ出した彼らの後ろ姿を睨みつけながら、私はラーカの背中をつまみ彼らに向かって風魔法をまとわせて放り投げる・・・綺麗に直撃した聖都の人間達は全員転けて、こちらを一度睨みつけると隊長を回収して街の外へと逃げ出していった。
フゥ・・・やっと終わったと一息つき、怪我を追ったハーピー達の元へと向かおうと後ろへ振り返ると、野次馬の数は見渡す限りに広がっており・・・
街は歓声に包まれた。
人々は私達に集い、遠慮なしに背中を叩き、体を持ち上げて上へと放り投げる。ハルウ様やモミジ様に群がった人間達は皆手櫛で毛並みを整え、どうしていいかわからない私達は・・・数分間の間、人間達に好き放題されてしまった。
その時は・・・誰もがメルデッサに平穏が訪れると信じていた。
しかし数日後、メルデッサへと届いた一通の書状が・・・メルデッサを災禍へと引きずり込んだのだ。
次回、鉱山に向かったソウカイ達のお話です。
ハーピーの観察日記
ハーピーを搬送・・・コトヒラ様の治療により無事。
完治したハーピーより、自分を打ったのは一人の人間だったとのこと。
街の漁師さんより、見舞い品を大量にいただきました。
宜しければ、本文下にある評価の方是非ともお願い致します!
遠慮なくこの物語を評価して下さい!!
何か変なところ、見にくい、誤字だ!などがあればどしどし教えて頂けると嬉しいです。
(言い換えでこういうのがありますよなどが合ったら教えてください。例:取得→習得、思いやる→慮る、聞こえる→耳に届くなど)