人魔:聖戦士でした!
読者の皆様・・・前週言っていた事を覚えていらっしゃるでしょうか?
『今回の投稿で私の夢が叶いそうです』・・・という言葉を。
そして、予想通り叶いました。
前回の投稿で・・・なんと『100万PV』を達成致しました!!!!!
読者の皆様に支えられ、ここまで来る事が出来ました。自分でも実感が湧かない程、興奮しております。
この気持ちは、『活動報告』の方で熱く語らせていただきますので、是非見に来てください!!
これまでの感謝の気持ちを綴らせていただきます。
そして、今回支援絵も掲載させていただいております。
詳細は後書きの方に書かせていただきます!!
次話投稿は一週間以内です・・・本当は早めたいのですが仕事の方が忙しいので申し訳ございません。
バタリと倒れている男達を眺め・・・もとい、ルリがわりかし本気で踏みつけている男達を眺めながら、これからどうするかを考える。
そして、いつもの事ながらどうしてこうなった・・・とも考えているわけだが、事の発端はそこに転がって踏みつけられている男達が原因だ。
時刻はおそらく夜だと思う。
俺達は特にする事もなく、意識を失ったふりをしながら・・・ルリの膝上でゴロゴロしていたわけだが、牢屋に近づく足音が聞こえてきたのだ。
ルリのほっそりとした足の上でくつろいでいた俺だが、なくなく冷たい地面に身を置き、牢屋に近づく人の声に耳を澄ましたのだ。
・・・うん。
何となく気がついているかもしれないが、ルリをどうにかしちゃおうぜっていう下卑た連中であったのだ。
そして、牢屋に入ってきてルリの・・・お胸様に触れようとした瞬間に、ルリの肘鉄が男の顔面を捉え、もう一方の男の急所に全力の金的蹴りをお見舞いしたのだ。
ルリの鬼のような形相に・・・俺も何も言い出せないでいたのだ。
まぁ、どうせギルドとカナード様から連絡が来たら事は起こすつもりだったんだけど・・・。予定が少し早まっただけだと考えればいいや。
周囲掌握で把握した情報であれば、俺とルリであれば問題なく制圧できるだろうし・・・あの聖戦士の男もステータスはたいしたことなかったしね
「ルリ、もうそこまでにしてそろそろ行こうか」
「はい。主人様」
ボロボロになって辛うじて息があるであろう盗賊達を牢屋の中に放り込んで、外へと出る。折角のルリまくらを堪能できなくなったのは残念だが、帰ったらまたやってくれるだろう。
・・・初めはあの暗殺者の女性ルキナさんの元に向かい、その後は捕らわれている魔族達を解放してルリとルキナさんに任せればいい。
そしてルリには戻って来てもらって、その後は適当に暴れればここも直ぐにでも制圧できるだろう。
廃屋の中を進んでいくと周囲掌握にはルキナさんの表示が映る。ルリを後ろの方で控えさせ、予め言っていた叩き方で扉を叩く。
中のルキナさんが小石で扉を叩いたのを確認した後に、もう一度扉を叩き、中のルキナさんが戦闘態勢を解いた事を確認して中へと入る。
「えぇっと・・・ちょっと予定が狂っちゃったんですけど、今から人質の救出と制圧を始めようと思います。ルキナさんは俺の仲間と一緒に人質の救出をお願いします」
「わかったわ・・・でも、私の目的に支障をきたすようなら、私だけでも脱出する」
ルキナさんの拘束具を破壊して、懐から・・・身体の中から短剣を二本取り出し、ルキナさんへと渡す。流石に針だけでは心許ないだろうし、暗殺者といえば短剣だよね。
「・・・何故私が、短剣を扱えると知っているの」
「ぅえ!? あぁ、持ち運びに便利だし、こう狭い場所だったら短剣かなぁなんて・・・アハハハ」
ルキナさんは俺の事をジロリと睨み、疑わしそうな視線を投げ掛ける。
なんとか言い逃れしようと咄嗟に嘘を吐くが、訝しげな視線で俺の事を見たまま動こうとしない・・・や、やばい、周囲掌握で貴方の事が暗殺者って知ってるんですなんて言えるわけがない。
「主じ・・・ユガ様、そろそろ行きましょう」
おぉ! 良い所にルリの横槍が入った。ルキナさんは咄嗟に戦闘態勢に移ったが、俺の名前を読んだ事で仲間だと言う事がわかったのだろう。短剣を下ろし、俺をチラリと見た後フゥと息を吐いて短剣を懐に忍ばせる。
ど、どうやら誤魔化せたみたいだ。
因みにルリには『主人』と呼ばせる事を一時的に禁止している。怪しまれない様に冒険者の仲間として振舞って貰っている・・・何故か俺の事をユガ様と呼ぶ時に顔を赤らめるのはどうしてだろうか?
「・・・」
「・・・」
な、なんだろう。
ルリとルキナは互いに少しの時間見つめ合い、ルリは興味を失ったのかフイと目を逸らす。ルキナさんは尚もルリへ視線を注いでいたが、やがて目を伏せた・・・その頰を一筋の汗が伝っていたけれど、何かあったのだろうか?
そんなこんなで、ゆっくりしてる時間もないし、周囲掌握を起動して人質の元へと急ぐ。俺達の牢屋の近くだけど・・・まぁ、やっぱりというか見張りが四人程いるな。
ルリとルキナさんに敵の存在を伝えると、ルキナさんは短剣を懐から取り出し、慣れた手付きで短剣を構え、身を低くして走り出した・・・へ?
ルリも薙刀を振り翳し、ルキナさんに並走する様に走り出しており、二人は視線を交わすと左右に分かれて、人質が囚われている牢屋の前へと躍り出る。
牢屋の見張りの四人は二人の姿を見つけ、声をあげようとした瞬間二人の姿は掻き消え、眼前に出現する。
「散りなさい」
「死ね」
ルリは薙刀の峰で二人の見張りを一撃の元で昏倒させるが、もう片方の二人の見張りは首と身体とが泣き別れになり、死んだ事にも気付いていない驚愕した様子で絶命した。
おぉう、惨い・・・が、前世の自分とは違って気持ち悪さや罪悪感は何故か感じない。これもスライムになってしまった弊害か何かなのかな?
牢屋の中に捕らわれていた魔族達は驚いた様子で、ルリとルキナさんへ視線を送る。
・・・俺は完全に出遅れてしまった。
「お、お前らは?」
「冒険者ギルドと領主から派遣された者です。貴方達を救出しに来ました」
ルリはそう淡々と答え、ルキナさんは牢屋の中を見回し、誰かを探している様子だ・・・やっぱり誰かを救出しようと潜入したのだろう。
ルリは見張りの者から鍵を取り、鍵を開けようと・・・
「お、俺達の事はいいから早く譲ちゃんを助けに行ってくれ! は、早く行かないと殺されちまう!!」
下半身が蛇の姿をした魔族の男がそう告げる・・・魔族の男の肩は何かが刺さった後があり、今も尚血が流れている。どす黒く乾いた血が体にこびり付き、息も耐えた絵と言った様相で魔族が口にしたのは言葉に、ルキナがカッと目を開いた。
「お前が言っているのは『メフィルトネ』・・・『メリナ』様の事か!!!」
ルキナさんは先程までの冷静さを失い、激しい剣幕で蛇の魔族の男へと叫んだ。その目は血走り、短剣を握り締める手からは赤々とした血が流れ出してしまっている。
「あ、あぁ。『メフィルトネ』の嬢ちゃんだ。奴は『祭壇』に向かうとかなんとか言ってた。 だから、だから早く嬢ちゃんだけでも!!」
ルキナさんは牢屋に捕らわれている魔族達に背を向け走り出し、廃屋の奥へと走っていった。
俺とルリは全く理解ができず互いに視線を交わし、『嬢ちゃんを助けに行ってくれ』と魔族の男性が叫んだ直後、目の色を変えて走り去ったルキナさんを呆然と見つめることしかできなかった。
・・・『メフィルトネ』って一体なんだ?
「え、えっと、メフィルトネって何ですか?」
「あんたらは・・・人間か?」
「いえ、違います。訳あって人間の姿になっているだけで、魔族です」
「いや、・・・・・・この際、嬢ちゃんを助けてくれるならあんたらが人間だっていい、メフィルトネってのは」
そして・・・俺はこの異世界に来て一番の衝撃を受けることとなった。
「メフィルトネってのは『魔王』の事だ。ここに捕らわれていた嬢ちゃんはその魔王の息女さんだったんだ!!」
魔王・・・その言葉に俺は目を大きく見開いた。
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side 聖戦士
忌々しい魔族のガキの髪を引っ張り、用意した『祭壇』の場所へと向かう。
面倒臭い・・・何が『祭壇』だ。こんな面倒臭い手順を踏まなければ魔族を殺せないとは、本当に聖戦士というのがバカらしくなってくる。
その場でこの剣でもって首を刎ねてしまえばどれだけ楽か・・・しかし、この手順を踏まえなければ『聖戦士』でなくなってしまうから仕方がないか。
まぁ、痛めつけるぶんには問題ないんだがな。
ノロノロと歩くガキの魔族に蹴りをいれ、引き摺るようにして歩く。
腐っても魔族だからと聖印を刻み込んで力を封印したのはいいが、そのせいでここまでイライラさせられるとは思わなかったな。
あぁ、早くいたぶって絶望に歪む顔を堪能し、そして散々嬲り尽くした後に殺してやりたい。
このガキの魔族は、幾ら殴ろうが脅しをかけようが顔色一つ変える事なく、唯ジッと堪え忍んでいる。
処刑する魔族の選別でこいつを選べば、さすがに泣き言の一つでも吐くかと思ったが、それでもガキは何も言わない。
それにいっそう苛立ちが募るが、死に直面した時のガキの顔が苦痛と絶望に歪む様を想像すれば、それも我慢できると言うものだ。
腰に携えた細剣の位置を正し、聖印が施された紙っぺらをガキの身体に貼り付ける。
一瞬ガキの表情が曇り、『聖印』が身体の中に入り込むとガキの魔力がよりいっそう縮小した事がわかる。
これで完璧にガキの魔力を封じ込めたが・・・このガキはいったい何者だ?
普通であれば聖印一枚が入り込んだだけで苦痛に悶え、一時的に魔力の一切が消失すると言うのにこのガキの魔力は三枚もの聖印を要した。
魔族は人より基礎的なステータスが高いが、それでも聖印三枚をガキが耐えれるとは思えない。
先天的に魔力の高い魔族だったのかもしれないが・・・まぁ、そんな事どうでもいい。魔力が高かろうがステータスが優れていようが、殺してしまえば皆一緒だ。
・・・漸く、祭壇へと到着した。ボロボロの廃屋の一室を幾重にも重なった複合魔方陣で埋め尽くし、青白い輝きが部屋の闇を振り払っている。
脈動するように魔方陣はうねり、時折立ち昇る聖気にガキの顔が初めて苦痛に歪んだ。
「さて、今からここでお前を殺そうと思うが・・・唯殺すのでは意味がないな」
「・・・っ!?」
ガキを部屋の中に放り込み、細剣を引き抜きガキの眼前に突きつける。
鋒をジッと見つめるガキの頬に細剣を這わせ、一筋の切り傷が顔に刻まれる。
「・・・やはり気に入らないな。何故泣き喚かん? 恐怖と言うものを感じないとは本当に貴様らは虫と同程度なのだな」
先程聖気を浴びて苦痛に歪んだ筈のガキの顔は、今や先程と同様に俺の顔をジッと見つめるだけに止まっている。
だが・・・そこで初めて、ガキの口が開いた。
「・・・何とでも言えばいい。可虐嗜好を満たしたいなら、早く殺せばいいし、痛めつけたければ痛めつければいい。唯、お前の言葉で、私の心は屈することはない。あまり魔族を甘く見ない方がいいよ」
ガキの嘲笑と共に吐かれた言葉は、俺の細剣を突き入れるには充分な言葉だった。
「所詮下物か。人間に・・・俺にたてつく劣等種族は死ねばいい」
そして細剣がガキの喉元に突きたつ・・・直後、背後から近付いていた影に、振り向き様に隠していたナイフによる一刀を振るう。
ガキンッという音と共に青い光で満たされた部屋に、赤い火花が飛び散った。
火花によって照らし出された影の顔は怒りに満ち溢れ、もう片方の手に携えられた短刀が俺の鼻先を掠めた・・・念の為に探知の魔法をかけておいて良かった。
全力疾走で走り寄る人物の姿はわかっていたが・・・まさかこいつが逃げ出しているとは思わなかったな。
「お前には魔封じの枷を嵌めていた筈だったが・・・流石といったところか?」
「貴様だけは命に変えても殺す!!」
短刀の連撃が俺の眼前で銀閃を残しながら振り切られる。それに隙だらけと言って踏み込めば、暗器によって貫かれるだろう。
この女だけは今までのチンケな侵入者とは違い、戦闘慣れしていた・・・おそらくは暗殺者だろう。
この俺にもう少しというところで一刀を加える事ができたが、不意打ちを失敗した時点で暗殺者と俺とが渡り合えるわけがない。
何故ここまで必死になるかはわからんが、だが無駄な事だ。
「魔法:『ハイブースト』『ハイパンプアップ』」
振り切られた短刀を細剣の一撃が弾き飛ばし、暗殺者の体制は大きく崩される。大きく体制を崩した暗殺者に細剣を振り下ろすが、素早く体制を整えもう一方の短刀で防がれる・・・が、魔法によって底上げされたステータスによって、細剣は短刀を押し返し、暗殺者のバランスを完全に崩した。
そこで懐に入り込んだ瞬間、暗殺者の腹部から長い針のようなものが飛び出した・・・予想通りというか単調だな。
それを細剣で弾こうと針へ剣を合わせる・・・しかし、針はまるで幻であったかの様に消え去り、次いで暗殺者の振り上げた足から針が飛び出した。
針は俺の体に一直線に突き進み、細剣を突き出した体制の俺はそれを避ける事も弾く事もできない・・・。
そして、俺の身体に針が突き刺さるかと思われた直後、薄い緑色の膜が現れた直後、針は硬質な音を立てながら暗殺者の背後に弾かれ落ちていった。
「なっ・・・!?」
「ふん・・・雑魚が」
「ガァッ!?!?」
暗殺者の腹部を思いきり蹴り上げ、暗殺者を蹴り飛ばすと暗殺者は苦悶に満ちた表情を浮かべ、それでもなお起き上がろうとする。
暗殺者へと近寄り、上から背中を踏みつけて暗殺者の動きを止めると、聖印の力で動きを封じられたガキと地べたを這いずるゴキブリだけが残る。
はぁ・・・これだからウジ虫どもが蔓延る街にいるのは嫌なんだ。
背中を踏みつけた足を持ち上げ、もう一度、更にもう一度と踏みつける。
「ガ・・・ァ・・・」
「ル・・・キナ」
ん・・・あぁ、そういうことか。
ニヤリと口角を上げ、この暗殺者が何故ここまで俺に明確な殺意を向けてくるかがわかった。恐らくこのガキの保護者か誰かがこのガキの救出を依頼したんだろう。
このガキはどこぞの有名な魔族の子供なのか・・・虫けらの癖に生意気な。
懐からナイフを取り出し、ガキに投げつける。ナイフはガキの掌に突き刺さり、次いで青白い光が走ったと同時にガキの掌から煙が上がる。
ガキは苦痛に耐えながらも、聖印の施されたナイフに手の施しようがない・・・む?
「あああああぁぁぁぁあああぁあぁぁぁぁあ!!」
突如踏みつけていた女から魔力が迸り、ビシビシと体の皮膚が破れ砕ける。皮膚が割れると同時に瞳の色が黄色に変わり、口元から覗かせる歯は鋭利な牙に変化した。
「ダメ! ルキナ!!」
ガキが高らかに叫んでももう遅い・・・暗殺者は此方に走り寄ろうと足に力を入れた瞬間に、部屋に施された魔法陣が作動する。
暗殺者は人間に擬態した魔族であったのだ・・・この部屋に刻まれた魔法陣は魔族の力を大幅に抑制する力がある。しかも、それが複合魔術として強化されているのだから、並の魔族が耐えれる筈もない。
暗殺者の体に青白い聖気が走り、苦しみ悶えた瞬間にまたも地面に倒れ伏す。
・・・はぁ、なんと馬鹿らしい。
興醒めもいいところだろう。これから聖印を施された細剣で切り刻んでやろうかと思った矢先にこれとは・・・実に面白みがない。
いや、待てよ。
「そうだな。まずはこいつから殺すってのもありかな?」
「やめ・・・て! 彼女を殺す必要はない筈、ま・・ず私を殺しなさい!!」
「はははは!! 先程まで余裕であったお前がどうしたというのだ? たかが暗殺者如きに感化されるとはなぁ?」
細剣で暗殺者の手の甲を貫き、聖印から流れ出した聖気が体を蝕み、あまりにも耐え難い苦痛に暗殺者は苦痛に悶え始める。
そのまま鋒を捻り、暗殺者の呻き声を楽しむ。それをガキがどうにかして止めようと叫ぶが、ダメだ・・・愉悦が支配していて俺の耳には何も届かない。
さて・・・それじゃぁ、この暗殺者を殺せばガキはどういう顔をするか見てみるとするか。
「もうこいつに必要はないな。後で依頼者のガキも送ってやるから安心して逝け」
「やめ・・・て!!」
細剣を振りかざし、暗殺者へと細剣を突き入れる。
いや、突き入れようとした刹那、俺の視界に闇に潜むもう一人の影が映り込んだのだ。
自分の探知の魔法に掛からなかったその影に、視線を向けようとした直後・・・顔面を衝撃が駆け巡り、赤々とした鮮血が己の鼻から吹き上がった事が見て取れた・・・。
バカな・・・バカなバカなバカな!?!?
衝撃と痛みによって混乱した頭を思考が走り抜ける。
魔法:『プロテクト・ハイアタック』を自分にかけているはずなのに衝撃を受けた?
ゴーレム・トロルの一撃であっても防ぎ切るこの防御魔法が何故発動しなかった?
いや、そもそも俺は誰に攻撃を受けたのだ・・・魔法か物理の攻撃なのか?
待て待て待て、なぜ探知の魔法に掛かっていない? それをかい潜れる様な奴がいる筈がないだろう・・・俺は聖戦士だぞ?
そう思考が回りに巡った瞬間、俺の体は地面に投げ出され、衝撃と共に倒れ伏した。
だが、意識はある。体も動かせる・・・『プロテクト・ハイアタック』が掛かっていなければ、俺は意識を失っていただろう。
それよりも・・・今は、敵の姿を知ることが先決だ!!
バッと起き上がり、先程踏みつけていた暗殺者の方へ視線を向けると・・・そこには闇色に包まれた何者かの存在があった。
「あれ? 意識は失ったと思ったんだけどなぁ・・・あぁ、魔法か今ので気を失ってくれたらよかったんだけどなぁ。まぁいいか、ルキナさん大丈夫・・・じゃなさそうだね。俺の四次元ボディからポーション出すから待ってね」
非常に間の抜けた声を上げる闇色の魔族は、転がっている暗殺者にポーションを振り掛けると、ふぅと息をついて此方へと視線を投げ掛ける。
「うーん。なんだろうね。つい最近会ったばっかで、こういうのも何なんだけどさ。俺って仲間意識が多分強い方なんだと思うんだ・・・だからかなぁ」
闇色の魔族は俺の瞳を覗き込み言い放った。
「凄く腹が立つんだよ」
その瞬間、部屋の魔法陣が全て消し飛び、黒く暗く、闇を支配するかのような邪教徒が姿を現した。
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100万PV支援絵!!
第4部分 後半
第5部分 前半
左:サテラさん
右:ミリエラさん
サテラとミリエラとの演奏『妖精歌』のシーンです!!
支援絵
『キキ様』に描いていただきました!!
ピクシブ:https://touch.pixiv.net/member.php?id=7719309
素晴らしい絵を描いてくださった『キキ様』本当に有難うございます!!
感想、メッセージいつでもお待ちしておりますので、どうぞお気軽に宜しくお願い致します!!