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幕間:ギルド嬢②でした!

沢山のブックマーク、評価ありがとうございます!!


本日は二話投稿でございます!

気づかないうちに大ボリュームになってしまっていましたが、お付き合いください。

幕間と本編をお楽しみください!!


そして今回の投稿で・・・私の夢が叶いそうです!!


次話投稿は一週間以内です!

「よ、宜しくお願い致します!!」

「はい。では、これから簡単な説明を受けていただきます」


 ギルドの一角で珍妙な光景が繰り広げられている。カナンギルドを知る者なら誰もが恐れ(おのの)く『ギルド嬢』と新米冒険者が対面して話し合っているのだ。


 それをヒヤヒヤしながら見守っている冒険者達とギルド職員達は気が気でない。


 ギルド嬢はあの一件で『新米冒険者』の受付を行う事となった。一般の冒険者と対峙させては厄介事が降り注ぐと言う副ギルド長の判断で、新米の冒険者であれば彼女を不快にさせることもないだろうと、派遣されたのだ。


 ギルドは新米の冒険者に指導を行う必要があり、それの専門である職員がいる。

 一般の冒険者と違い、『冒険者』のいろはも知らない新米冒険者に、依頼の受け方やら注意事項を教えるのが役目だ。


 そして、新米冒険者には担当の職員が付く事となる。それが現在のギルド嬢なわけなのだけど、幸先不安である。


「依頼はF~Aランクのものまで様々です。Fランクの新米の冒険者には討伐系統の依頼を受けることはできません。なので、簡単な採集や雑用・・・雑多依頼を行い、ギルドの信頼を一定値稼げたならば昇格させていただきます。ここまでで質問はありますか?」

「な、ないです!」


 ギルド嬢の鋭い眼光に睨まれた新米冒険者がガッチガチに固まっているが、誰も助け船は出さない・・・いや、出せない。


「これからは、私が貴方達のパーティーを受け持つこととなります。依頼の受付、完了報告は私に聞くように、他に何かわからないことがあれば聞いてください」

「・・・えっと、じゃあ」


 新米冒険者が差し出した依頼書を受け取り、ザッと目を通した後、依頼書にサインを施し受注した旨を伝える。


 新米冒険者達はそそくさとギルド嬢から離れて行き、自分達のパーティーへと戻って行く。

 ギルド嬢が新米冒険者達を受け付ける事を、このギルドでは『洗礼』と呼んでいる。


「では次の人間・・・人」


 因みに、このギルドでギルド嬢が魔族であることを触れるのもタブーの一つだ。

 もしも魔族差別主義の冒険者が来て、彼女の正体がバレでもしたらどうなるかわからない。おそらく彼女のことを十分に貶した後は最大のタブーに触れて、血を見ることは明らかだ。


「依頼の報告です。今回の依頼も雑用です。しっかりサインも貰いました」

「・・・貴方達は頑張っているようですね。そろそろ昇格しても良い頃合いかもしれません」

「本当ですか!?」


 Fランクでは討伐系統の依頼は受けることができない。

 しかし、Eランクであれば魔物が出没する地域での採集依頼を受けることができ、簡単な討伐クエストであれば受けることができる。

 つまり、危険度は増えるが報酬もそれに応じて増えると言うことだ。


 新米冒険者にとっては、一流の冒険者となる第一歩を踏み出せた事で喜ぶ者も多い。


「では昇格試験として、簡単な護衛依頼に付いて貰います。明後日の日が一番高い時間にカナンの正門にいらしてください」

「は、はい!」


 昇格には試験を受ける必要がある。

 最初の試験は商隊の護衛、簡単な討伐の二つが殆どだ。護衛依頼は一般冒険者との合同で行われ、討伐はゴブリンやウルフ等の数体の討伐が基本だ。


 恐らく前者が選ばれたのだろう。


「シロタエさん、本当にありがとうございます。俺頑張ります!」

「私は仕事をしていただけ。感謝される事はしていません」


 いつも通りシレッと返すギルド嬢に苦笑しながら、新米冒険者はペコリと頭を下げてもう一度礼を告げて、ギルドを出ていった。


 商隊の護衛とは言っても隣町のカルウェイまでの任務であり、もし魔物が出現したとしてもゴブリンやウルフ程度だ。

 たとえFランクの冒険者であってもゴブリンに負けることはないだろうし、もしもの時の為にDランク冒険者パーティーも同行している。

 野盗が現れたとしても十分に対処できる筈だ。


 そう・・・筈だったんだ。




 皆が皆新米冒険者のことなど忘れていた。当然の事だ・・・この世界では強さこそが全てであり、別に新米冒険者のことを覚えておく必要などない。

 ましてや初めての昇格試験で浮かれているような奴の事など、覚えている者は一人もいなかった。


 ギルド嬢はいつも通り書類作業と新米冒険者の受付を行っている。


 そして、事態は日が沈みかけた頃、突如知らされたのだ


「お、おい!! 『エリオノーズ草原』で『ゴブリンの群れ』の報告が上がったぞ!!」

「あん? ゴブリンの群れごときがどうしたってんだ?」

「それが、唯のゴブリンの群れじゃないらしい・・・『統率者』がいるらしいんだ」

「まじかよ・・・」


 その一報はギルド館内にいた全ての冒険者に行き届いた。

 曰く、『エリオノーズ草原』に突如として出現したのは『統率者』を引き連れたゴブリンの群れだという。統率者と言われる魔物は他の魔物を従え、行動する魔物の事だ。


 そして、通常ゴブリンの統率者といえば、『ゴブリンメイジ』『ゴブリンソルジャー』『ホブゴブリン』等である・・・そして稀にではあるがD~Cランク相当である『オーガ』の統率者が現れることもある。


 統率者を引き連れた群れは連携を得意とし、通常の魔物よりも知能がある。場合によっては人間の言葉を理解し、『戦略』を練った動きを取る厄介な者までいる。

 そして、今回の場合は後者であり・・・そして


「まさか、統率者は『オーガ』か・・・それなら結構厄介だな」

「そ、それがだな・・・統率者は『トロル』って情報があるんだよ。しかも人間の言葉を理解している」


 ザワッ!

 とギルド全体が騒然とする。統率者の存在でさえギルドをざわつかせていたのだ・・・それが、人間の言葉を理解し戦略を練ってくる魔物であるとなれば尚更である。

 だが、それだけでは飽き足りず、統率者の存在が『トロル』である。


『トロル』・・・比較的知能の低い魔物であるが、その圧倒的な物理攻撃力は鋼でできた盾をいとも容易く砕く事のできる程の魔物だ。その一撃を食らえば、全身を防具で纏っていようが致命傷は免れない程の魔物だ。

 単調な攻撃を繰り返すだけの魔物であっても、異常な生命力の高さと攻撃力の高さからC+~Bランク相当の魔物とされている。


 それが統率者となり、知能を得たとなればどうだろうか?


 圧倒的な攻撃力を得ながら、考えながら攻撃してくるトロル。人間と同等の知能を得ているというならば、フェイントを織り交ぜてくるかも知れず、その攻撃に精錬されたものがあればそれだけでもB+ランク相当の魔物であることに間違いない。

 加えて異常な生命力を有しているトロルだ・・・渾身の一撃を加えたとしても死なず、とどめを刺すには全身をズタズタに切り裂くか、真っ二つに切り裂く、なんらかの魔法によって殺すしか方法がない。

 そして、『トロル』は統率者・・・部下であるゴブリンも雑魚とはいえ連携の整った動きをしてくるのだ。


 そうなればこのトロルの危険性は自ずと見えてくるだろう・・・A-ランク相当の魔物である。


「が、ガセ情報ってことはないのか!?」

「既に商隊が襲われたらしくて、その時に逃げ出した奴が、カルウェイのギルドに通達したらしい・・・カルウェイではもう討伐隊の準備をしているらしい」


 にわかに信じがたい情報がギルド館内に飛び交う。


 ギルド館内が一気に騒がしくなり、冒険者達はトロルの情報について、何か知っている者がいないかの情報収集を始めた。

 しかし、やはりA-相当の魔物ともなれば、誰もが戦おうという意思を示せないでいる。


「その話、詳しく聞かせてもらっても」


 そして、その言葉に誰もが言葉を失った。


「あ、ぎ、ギルド嬢?」

「その話を詳しく聞かせてください」

「あ、はい」


 一方を齎した冒険者の元に、いつの間にやらギルド嬢が歩み寄っていた。

 ギルド嬢はその冒険者の顔をじっと覗き込み、そのトロルの情報似ついてを詳しく聞き出そうとしている。ギルド嬢に詰め寄られた冒険者はしどろもどろになりながらも、ギルド嬢へと自分の知っている情報をすべて告げてゆく。


 すると、ギルド館内の奥の扉がバタンと開け放たれ、多くのギルド職員が書類を片手に受付へと運び出す。


 そして、奥からギルド長と副ギルド長が姿を現した。


「緊急依頼だ。つい数刻前カルウェイより、ゴブリンの群れを率いた統率者トロルがエリオノーズ草原で目撃された。依頼報酬は金貨600枚を参加者に均等に分け与える、及び討伐功労者には昇格も与える」

「尚、この依頼は既に確認が取れています。周辺の村には既に退避勧告も出されているそうです」


 ギルド長から齎された依頼に、今回の依頼が偽の情報でないことが確定した。

 故に、すべての冒険者が尻込みしたのだ。


「『風の導き』のパーティーは今ここにいないんだろう? 俺たちでどうやってA-ランク相当のトロルを倒せってんだよ」

「既に緊急連絡は取ってある・・・到着は遅くなるが、明日にはギルドへ戻ってくるだろう。緊急依頼の推敲は明日、風の導きがギルドへ戻ってきてからとする」


 出現場所はエリオノーズ草原・・・カルウェイとカナンのちょうど半ばに位置する見晴らしの良い草原地帯だ。

 見晴らしが良い故に危険をいち早く察知できる場所ではあるが、逆に身を隠せる場所がなく、罠を仕掛けることもできない。


 出発は明日・・・ギルド最強のパーティー『風の導き』が討伐に加わるとなれば討伐にも安心できる。それでも相手はA-相当の魔物なのだ。


「・・・・・・・・・」

「ギルド嬢?」

「行かなくてはなりませんか」

「はっ?」


 その瞬間、一陣の風と共に、目の前からギルド嬢が消えて無くなったのだ。

 ギルド館内と外とを繋ぐ扉がキィキィと音を立てて開閉を繰り返しており、ギルド嬢の突然の奇行にギルド館内が呆気にとられてしまう。


「は、えっ? ギルド嬢!?」

「シロタエちゃん!?」


 副ギルド長が漸く自体を把握したのか外へと走り出した。

 しかし、外には既にギルド嬢の姿はなく、日は沈み、周辺には既に夜の薄闇が広がりつつあったのだ。


「あ、あの・・・もしかして、シロタエさんこれを読んだんじゃ?」


 そして、ギルド職員がギルド嬢の机に置かれた一枚の書類を手に取り副ギルド長へと渡した。



 -------------------------------------------------・・・



「・・・ぃ。し・・・・・・ろ。こ・・・お・・・!」


 誰かの声が遠くの方で聞こえる・・・。


 だけど、その声は小さく、途切れ途切れにしか聞こえない。その声は段々と近付いてくるが、その声と同時に雑音が耳鳴りの様に響いてくる。


 そして、自分の身体の妙な生暖かさに眉根を寄せ、額から垂れてくる水をパッと払い除けようと手を動かそうとするがうまく動かない。


「お・・・ぃ!! しっか・・・って! おい!! 新・・・冒・・・者!!」


 そして、声がかなり近くなったと同時に、ズキズキと身体中が痛み始める。

 いったい何が起こったんだ・・・と言うか此処は何処だ!?


「お願い起きて! デュード!!」


 ハッと目を覚ますと、視界いっぱいに涙を堪えた仲間の姿と、いかつい男の姿が伺える。

 身体中を這い回る痛みに、身体が思うように動かせず、話したくても口すら動かない。


 ボーッとした意識は未だに、現実と夢の狭間を揺れ動いている。


「デュード!! よかった・・・本当によかった」

「目ぇ覚ましたか小僧・・・しっかし、涙の復活を祝ってやりてぇところだが、直ぐにでも安全な場所に逃げろ。俺達が奴を食い止める」


 僕は・・・そうだ。確か、昇級試験で商隊の護衛をしてて、パーティーの皆でドキドキしながら街道を歩いていたんだ。


 それで、Dランクの冒険者の人達とも話してて、エリオノーズ草原に差し掛かった直後に、仲間の・・・今泣いているハンター職の彼女、ネアに突然大きなハンマーが投げ付けられたんだ。


 それを防ごうとして、間に合わなくて彼女を突き飛ばしたんだ。それに当たって・・・そうだ気を失ったんだ!!


 漸く意識が戻ってきて周囲を確認すると、商隊の馬車は粉々に砕け散り、積んでいた荷物がそこいらにバラ撒かれている・・・そして御者を務めていたものの胸には短剣が突き立っており既に絶命していた。


 そして大きな魔物とDランクの冒険者の人達が対峙している。

 僕達のパーティーの仲間達は後方に下がり、大きな魔物の周辺にいるゴブリン達と交戦している。


「チクショーが!! こんな所でトロルに会うたぁついてねぇな」

「無駄口を叩いている暇があんなら注意を引きやがれ!!」

「うるせぇ! こっちも手一杯なんだよ!! 新米ども、そっちは大丈夫か!!!」


「何とか堪えてます!!」

「おい、ガロルド! こいつらどうにかしてくれ!?」


 大きな盾を構え、小剣を振り回す青年に三匹のゴブリンが襲い掛かっている。

 ゴブリン達は大盾と、むやみやたらに振り回される小剣を前に青年に一撃を食らわせないでいるが、連携のとれた動きは徐々に青年のスタミナを奪って行く。


「ハァァァァ!!」


 そこへ、長剣を振りかぶったもう一人の青年が一匹のゴブリンを真っ二つに切り裂いた。


「助かったぜガロルド・・・」

「アーグもさすがだね。よくあそこまで耐えたもんだよ」


 大盾と小剣を構えた方はアーグ、前衛で敵の注意を引き、護りに徹する大盾使いだ。

 そしてその傍に立っている長剣を携えた方がガロルド、前衛でアタッカーを努める戦士だ。


 二人は互いに息を合わせてゴブリン達を討伐していく。


 自分もいかなくてはと身体に力を入れるが、激痛が走り、その場から身を起こすことが叶わない。


「相当ダメージが残ってやがるか・・・仕方ねぇ。俺のポーションをやるから、ちゃんと効くまでそこでじっとしてろ。嬢ちゃんはコイツを守りながら、アーグらのサポートをしてやれ!! んでコイツが動くようになったら、お仲間つれてさっさと逃げな!!」


 そう言い残すと、俺の身体にポーションをバシャリと振りかけ、大きな魔物・・・トロルのもとへと駆け出していった。



 [ニンゲン、オマエラ、オレニカテナイ!!]

「クソ!! コイツ厄介な方の統率者かよ!?」

「あぶねぇ!? 一発でも掠れば死んじまうぞ!!」


 巨大なハンマーを振りかぶるトロルに、Dランク冒険者であっても近付くことができず、防戦一方を強いられてしまう。

 もしもこれでゴブリン奇襲にでもあえば、あの人達は・・・いや、奇襲がなかったとしてももう無理だ。

 全員が肩で息をしており、もう直ぐにでも押しきられそうだ。


 アーグとガロルドももう息を切らしている。

 よくよく周囲を見渡せば、既に20匹以上のゴブリンが赤黒い血を流しながら地面に横たわっている。


「うぐッ!?」

「ファーブル!! てめぇよくも!!」

「待て、ケイン!」


 トロルと対峙していたファーブルと呼ばれていた冒険者の一人が長期戦の疲れから見せた一瞬の隙を突かれ、トロルの放った蹴り上げを諸に食らってしまう。


 それに激昂したもう一人の冒険者ケインがトロルへと突撃する。

 それにニヤリと笑ったトロルはハンマーを振りかぶり、横凪ぎに振るう。しかし、そのハンマーを読んでいたのか、ケインは地面を蹴り、高々と空中へ舞う。


 そこから、剣を降り下ろそうと振りかぶった直後、ハンマーが急激な方向転換を行い、空中へ身を踊らした冒険者へと襲い掛かった。


 それに、何とか反応できたケインは剣をハンマーに降り下ろす。


「スキル:『強撃』!!」


 赤い光を纏った剣が高速でハンマーに振り下ろされる。


 鉄と鉄が衝突しあう甲高い金属音を周囲に響かせ、火花が散らばった。

 スキルを使用しての攻撃はトロルのハンマーを弾き返す・・・かと思われたその刹那、打ち合った筈のハンマーが再び勢いを増し、ケインは宙へと吹き飛ばされた。


 [Aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!]


 トロルは空中へ弾き飛ばされたケインへと『咆哮』を叩き付ける。その咆哮は物理的な圧力を持ち、ケインの鎧と剣はバラバラに砕け散り、地面へと落下した。


 一瞬の隙を突かれ、二人は地面に倒れ付した。


 Dランク冒険者三名の内の二人が倒れてしまったのだ・・・つまり、トロルを抑え込めるのはあと一人。

 Dランク冒険者の二人が止めるのにやっとだった相手を一人で請け負うのはまず間違いなく不可能だ。


「はは、スキルも使えんのかよこのトロルはよぉ・・・。んで、後は・・・俺だけかよ!!」

 [ジャアアアァァァァァァ!!!]


 トロルが残った一人へと猛攻を仕掛ける。持っているハンマーを力任せに振り回し、死なない程度(・・・・・・)の攻撃を繰り返す。

 遊んでいる・・・自分を倒すことは不可能と悟ったトロルはギリギリ防げるか防げね以下の攻撃を乱発し、楽しんでいるんだ。


 ハンマーの振りかぶった隙に一撃をいれようとするが、先程のスキルを使われれば致命傷は不可避、迂闊に攻撃もできず、されどあの攻撃力を前に防戦を続けることも難しい。


「うぁッ!?」

「アーグ!? クソ!!」


 アーグの大盾を持つ腕にゴブリンの投擲した短剣が突き立つ。大盾を落としたアーグにゴブリンの群れが我先にと殺到する。

 ネアの弓矢での援護射撃を軽々と避けながら、アーグへと接近していく。


 ガロルドは自分の受け持った二匹のゴブリンに係りきりで、援護に向かうこともできない。


「ち、ちくしょーが・・・」

 [オワリダ。ニンゲン]


 トロルと防戦を繰り返していた冒険者も、半ばから折れボロボロになった剣を地面に突き立て、膝を着いた。


 ゴブリンがアーグに殺到し、トロルが膝を着いた冒険者に一刀を放とうとした瞬間・・・辺りが静寂に包まれた。




 辺りを吹き抜ける風が嘘の様に、耳に心地よく、されど臓物と血の匂いが鼻に刺激臭を運んでくる。

 あまりの静寂に、いったい何が起こったのか呆気にとられてしまう。


「なん・・・だ。この期に及んで、まだ遊び足りねぇってのかよ・・・」


 何かのスキルを発動した訳でもない・・・アーグに襲い掛かっていたゴブリンも、ガロルドと戦闘を繰り広げていたゴブリンも、ササッとトロルの後ろに引き返していった・・・。


 トロルに弾き飛ばされて意識を失っていた二人も、フラフラになりながら起き上がり、キョロキョロと辺りを見回して首をかしげている。


「え・・・あ? なんで?」


 そんな中、ネアだけは僕達の後方へ目を向け、驚きのあまり口をポカンと開け、何かうわ言のようなものを呟いている。

 それに気づいた冒険者達も後ろを向き、あんぐりと口を開いて目を何度もゴシゴシと擦っている。


「ゆ、夢か・・・おれぁ都合のいい夢を見ているにちげぇねぇ」

「馬鹿言え、俺もたぶんお前と同じもんを見てやがんだ・・・きっと此処は死者の国で間違いねぇ。最期にいいもんみせてくれてんだよなぁ・・・」


「ギルド嬢さんがこんな所にいるわきゃねぇ」


 朝日が草原を照らし出す中、後ろへ振り返ると・・・そこにはギルドの制服を身に纏った、人間離れした美貌をもつ女性の姿が伺える。


 艶やかで綺麗な黒髪を草原を駆け抜ける風が舞い上げ、ギルドの制服のスカートがふわりとたなびいた。

 無表情な彼女の顔は真っ直ぐに前に向けられており、その視線はトロルを一直線に射ぬいている。


 そう・・・そこに立っていたのは、カナンギルドで最強と呼ばれる一角『ギルド嬢』のシロタエさんだった。


「皆様おはようございます。申し訳ございません・・・我々ギルドの調査不足、情報把握の遅れにより貴方達に危険が及ぶ依頼を受注させてしまいました。改めて、謝罪申し上げます。依頼報酬の方は全額支給、並びに治療費、装備の修繕費は此方が全額負担致します」

「え、あ、いや、あ、あのギルド嬢?」

「あぁ、失礼致しました。装備の『修繕』ではなく、『新調』をお望みでしたか・・・此方の配慮が至らず申し訳ございません」

「えぁ、そ、そういうことじゃなくてだな? あぁやっぱり此処は死者の国か?」


 キョトンとした表情のギルド嬢は、全員の顔を見渡してから、もう一度トロルへと顔を向ける。


「此度の責任は、『ランク、身の丈にあった依頼を提供しなければならない』ギルド職員である私に責があります。なので、この場は私にお任せください」


 ギルド嬢はギルド館内を歩く時と同じ様に優雅に一歩ずつ歩みを進めていく。ザリッザリッという砂利を踏む音だけが周囲に響き渡り、それに応じてトロル達は後退り始めたのだ。


 Dランクの冒険者達が束になっても、手も足も出なかったトロルがたった一人の女性を相手に引き下がっているのだ。


 [アアアアアァアァァァアアアァァァ!!!!!]


 トロルが威嚇の砲声を上げるが、ギルド嬢は全く動じることもせず淡々と歩みを詰めて行く。


「ギルド嬢!! 罠だ、引き返せ!!!」


 意識を取り戻したケインが叫んでももう遅い。


 ニヤリと口角を吊り上げたトロルの背後から三匹のゴブリンが飛び出し、それぞれが手に持った武器を投擲する。

 投擲された短剣は正確にギルド嬢の元へと飛来し、フッと消失したかと思うと、短剣は全てギルド嬢の指の間に挟まれていた。


 驚愕に顔を歪めるトロルとゴブリンに、ギルド嬢は表情を変えず、手首のスナップだけで短剣を投げ返す。たったそれだけの動作で投げられた短剣は一瞬視界から消失し、ドサリと何かが地面に倒れ伏す音だけを周囲に残した。

 ・・・手から放たれたであろう短剣はゴブリンの喉元に突き刺さっており、ゴブリン達は悲鳴を上げることもなく絶命している。


 ゴブリンは体躯や知能こそあれではあるが、単純な力であれば相当ある。そんなゴブリンの投擲をいとも容易く指で挟んで受け止めただけでなく、それを手首のスナップだけで見えなくなるほどの威力を出すなんて常人では不可能だ・・・いったいギルド嬢は何者なんだ!?


「これだけかしら? 『北』から逃げ出したにしては随分浅はかな事を考えるのね。策を巡らせるのもいいけれど、私には通用しないわ」

 [!? オマエ、ナゼシッテル!?]


 次にニヤリと口角を上げたのはギルド嬢だった。クスクスと妖艶な笑みを湛え、トロルを見据えるその瞳には、残虐な光を灯し、その場に立つ全員を恐怖に陥れる。


「言った筈よね。死を受け入れるか、服従を受け入れるかとそれに貴方達トロルは反逆し、我ら主人の慈悲を拒否した。つまりは死を受け入れたのでしょう? そして全員殺したと思っていたのだけど、どうりでヌシを見なかったわけね・・・気付かない内に燃やしてしまったかと思ったのだけど、まさか逃げ出しているとは思わなかったわ」


 [オ、オマエタチ!! カカレ!!]


 ゴブリン達はオロオロとギルド嬢とトロルを見て、悩んでいるようだ。

 突撃して待っているのは死だからだ。


 と、その直後、一体のゴブリンがトロルの一撃により頭から殴り殺される。

 地面にはゴブリンの肉塊が散らばり、そこにったのは赤い血液を振り撒くだけのただの噴水だ。


 [オレノイウコトキケナイ!! シネ!!]


 行くも地獄、帰るも地獄と化したゴブリン達は一斉にギルド嬢へと突撃する。

 ゴブリンの数は20匹・・・その全てがギルド嬢を取り囲み、殺気だった目を向けているが、やはり絶対の死を前に動けないでいる。


「・・・クズね。死を前に臆し、(あまつさ)え配下を死地に追いやるなんてね」


 そして、自分を取り囲むゴブリン達を見渡しニヤリと笑う。


「貴方達にはまだ伝えておりませんでしたね」


 すっと顔の表情を消し、重々しく告げる。


「私に服従し、主人に絶対の忠誠を誓うか。それとも苦痛の死を選ぶか、どちらがいいかしら?」


 ゴブリン達はビクリと身体を震わし、トロルとギルド嬢を見比べる。

 トロルの余裕のない表情と、ギルド嬢の絶対者としての余裕のある表情を見比べ、ゴブリン達は・・・。


 トロルへと短剣の矛先を向けた。


 [オマエラ!!]


 [ドッチニシロコロサレル!!]

 [オジョウニツク! オジョウニツイテシヌ!!]


 20匹のゴブリンはギルド嬢前に立ち、トロルへと覚悟の眼差しを向ける。

 そして、駆け出そうとゴブリン達が前に踏み出そうとした刹那、ギルド嬢の姿が掻き消え、トロルの前へと躍り出る。


「配下が死ぬ危機である時、主人は後ろで構えているのが最も最良の手よ。しかし、死にに行けと言って、自分は行かない主人ほど下らないものはないわ。我らが主人は常に私達の前で戦い続けていたわよ」


 ギルド嬢はゴブリン達へ振り返り告げる。


「ようこそ。ユルバーレヘ、私が貴方達の指導者シロタエよ。そして、貴方達の主人は『ユガ』様・・・よく覚えておきなさい。そして、強くなりなさい。今回は助けてあげますが、この程度の敵、次は自分達でやりなさいね」


 ギルド嬢はそう告げると、トロルへ向き直りニヤリと微笑む。


「さぁ、始めましょう?」

 [ナメルナァァァァ!!!!]


 巨大なハンマーを振り下ろし、ギルド嬢の頭上を捉える・・・が、振り下ろされた勢いはどこへやら、空中で制止し、ギルド嬢の片腕一本で止められている。


 ギルド嬢はなんともないかの様に、ハンマーを弾き返し、がら空きになった腹部へ掌を当てる。


「スキル:『発掌』」


 骨の砕ける小気味の良い音を響かせ、トロルの腹部はギルド嬢の掌を中心に大きく凹み、口から吐瀉物を撒き散らす。

 それをひらりと回避した後は、再び定位置に戻り、先程と同じ様にニコリと微笑んでいる。


「ぎ、ギルド嬢は拳闘士なのか!?」


 拳闘士・・・己の拳を持って戦闘する武術家の総称だ。達人クラスになれば、拳に魔力を纏わせる事で素手であれど岩をも砕く一撃を放つことができると言われ、その身のこなしや瞬発力は盗賊やハンターであっても追いきれない程だという。


 だが、その一撃を食らっても、トロルは倒れることなく、好機と見たのか再度ハンマーを降り下ろす。


 しかし、またも同じ様に片手で受け止められ・・た直後に、ハンマーが赤く発光する。それはスキルが発生する証であり、先程ケインのスキルでの一撃を打ち破ったものであるのは間違いない。


 [スキル:『ジュウゲキ』!!]


 重撃・・・一度の攻撃中に二度の攻撃を行えるスキルであり、敵と刃を交わし鍔迫り合いになった瞬間に、もう一撃分の衝撃が襲い掛かる不意打ちのスキルだ。通常であればケインの様に弾き返されたり、刀身が砕けるかの二つであろう。


 ギルド嬢が立っていたその場所に亀裂が入り、地面が凹む。

 トロルの全力の一撃を片手で受け止めていたギルド嬢も、不意を突かれた一撃に・・・全く動じることもなくじっとハンマーを見据えていた。


 まるで地面の惨状を無視するかの如く、ギルド嬢の身に一片たりとも変化は見受けられない。


 そしてギルド嬢の片手が突如として赤く発光し、魔力の奔流がハンマーと掌の隙間から漏れ出ている。徐々にハンマーと掌の間に空間が出来上がり、小さな赤い球体がハンマーの中心に浮かび上がる。


「妖術:『炎獅子』」


 UUUUUOOOOOOOOOOONNNNNNNNNNNNNNN!!!!!!!


 ギルド嬢がそう呟いた直後、ハンマーの下から巨大な炎を纏った魔物?が飛び出し、ハンマーへと襲い掛かり、全てを業火へと包み込んでゆく。


 大口を開け、ハンマーを飲み込む炎獅子の紅蓮の炎はハンマーの鉄を一瞬にして赤熱化させ、ドロドロと溶かし尽くしていく。

 ハンマーは一瞬にして消し炭とかし、ハンマーを離し遅れたトロルの手も同様に焼け落ちていく。


 [ガアアァァァァァア!?!?!?]

「静かにしていただきたいわね。妖術:『時雨火』」


 幾つもの小さな炎の弾丸がトロルへ向かって突き進んでゆく・・・それは全てトロルの喉元へと飛来し、直撃した刹那、喉を破裂させる。

 腕で防ごうと火の弾丸を弾けば小規模な爆発が幾つも起こり、トロルの腕は千切れ飛び草原へとボトリと落ちていった。


 ギルド嬢はつまらなさそうに掌をトロルへと向け、口を開ける・・・。


 [フ、フク・・ジュゥ・・・ズル!!]


 トロルから紡がれたその言葉にギルド嬢はピタリと詠唱しようとしていた口を閉じ、ジロリとトロルへと視線を向ける。

 掌を下げ、トロルの顔をじっと見つめ続ける。


「本当に言っているの?」

 [アダタザマニ・・・ブクジュウズル!!]


 ギルド嬢は目を閉じ、暫く考え込んだ後、フゥと息を吐きトロルへと目を向ける・・・。


 しかし、そこにあったのは先ほどゴブリン達に見せた慈悲の瞳でも何でもない・・・侮蔑と嘲りに満ち、憎悪に火を灯した怒りの瞳であった。

 目は黒く染まり、瞳は不気味な輝きを放つ紫色に光り始める。


「本当にいい度胸をしているわ。貴様らが我々に言った事を今でも覚えているわ・・・『南の軟弱者に従う必要はない』そう言った筈よ。それに付き従った貴方の配下達は蛮勇に身を委ね最後まで我々と戦い散って行ったわよ。それなのに貴様は生き残ろうとするか・・・最後の最後に生き足掻こうと、我に許せと慈悲を乞うか? ふざけるのも大概にしなさい・・・我が主人を侮辱し、勇ましく戦った者達をどこまで侮辱すれば気がすむのですか?」


 ギルド嬢の額から二本の角が生える。轟々と燃え盛るような魔力の奔流が彼女の身体を包み込み、食いしばった歯からは鋭利な刃を思わせる鋭い牙が生えそろった。


「せめてもの情けと一瞬で方を付けようと思ったのだけれど・・・気が変わったわ。苦しみもがき、悔やみながら死になさい」


 ギルド嬢が再び掌をトロルへ向けると、そこからは闇色に燃え盛る炎が出現する。轟々と燃え盛るそれは離れた場所であっても熱波を感じ取れる程だ。

 高位の魔法であることは間違いない・・・。


「妖術:『呪炎・蛇腹喰』」


 放たれた闇色の炎はトロルへと直撃する・・・直後、闇色の炎はトロルの全身を包み込み、周囲に絶叫がこだまする。

 トロルはジタバタとのたうち回るが・・・絶命せず、消えることのない呪いの炎が全身を蝕み続ける。


 ジュワジュワと音を立てて溶けていく皮膚に絶叫をあげるトロルは、されどその生命力故に死ぬ事を許されない。闇色の炎は面白おかしそうにトロルの身体を這い回り続け、その生命力を餌にするかの様にどんどんと火力を増していく・・・意識を失おうにも、トロルには気絶耐性がついており、やはり痛みから逃れる術はない。


「皆様お待たせ致しました。此の度はご迷惑おかけしてしまい申し訳ございません。では、カナンギルドまでお運び致します・・・貴方達が荷物を持ちなさい。責任は取ること・・・いい?」

「「「ハイ、オジョウ!!!!!」」」


 先程まで自分達に武器を向けてきたゴブリン達は、そそくさと俺達が運んでいた荷物を持ち、妙に連携の取れた動きでギルド嬢の前へと整列した。


「それでいいわ・・・でも、それだけで責任が取れたとは思わないこと。今は私の配下と言えど、御者を殺したのは貴方達の元主人が元凶なのだから・・・わかるわね?」


 全てのゴブリンがガクガクと震え始め、ギルド嬢の不敵な笑みに恐怖を感じている。


 そして、ギルド嬢指導の下、僕達はカナンへと引き返した。






 ギルドはいつも通りの賑わいを・・・見せる事はなく、皆が皆一様に口をあんぐりと開き、ギルド館内を走り回る珍妙な者達に呆気にとられている。


「ニイサンガタ、ソコヲドイテカミヲハル!!」

「ショルイウケトル! ハンオス!!」


 ギルドの受付に人間の言葉を理解して話すゴブリン達、依頼書を張り出すゴブリン達の姿が伺える。


 夢でも見ているのではないかと何度も目を擦って、頬をつねる冒険者が続出し、ギルド館内はある意味で異常をきたしていると言っていいだろう。


 そして、ギルドの奥の扉が開き・・・『ギルド嬢』の姿が現れると、ゴブリン達は一斉に整列し。


「「「「「オハヨウゴザイマス!!!!!」」」」」


 と叫び、仕事に戻っていった。

 ギルド嬢はそれを一瞥した後、書類作業に戻り、他の冒険者達と同じ様に呆気に取られている新米冒険者の受付業務へと戻っていった。


 あのトロル騒動からはや三日経っているが・・・やはりまだまだ慣れそうにない。


 三日前に起こったことをありのままに話せばこうだ・・・『ギルド嬢が帰ってきたと同時にその背後にはゴブリン共がウジャウジャいた。ギルド嬢がトロルの耳を持ち帰っていた。おそらくトロルと一戦交えた冒険者がいた』・・・意味がわからないかもしれないがつまりそういうことだ。


 副ギルド長はカンカンでギルド嬢に説教していたが、助けられた冒険者たちが必死にギルド嬢をかばっていたな。


「シロタエさん。先日は命を救っていただきありがとうございます」

「? 全ては私の責だと言った筈ですが?」

「それでも救われたことは事実ですからありがとうございます!!」

「・・・そうですか。ではあなた方の昇級のお話ですが正式にギルドから認可がおりました。晴れてDランク冒険者に格上げです」

「お、恐れ入ります・・・」


 あの一件に関わった冒険者のパーティーは二つ。そのどちらもが、2ランクの昇級になったそうだ。


「では、これで正式にDランク冒険者です。おめでとうございます。他に何か質問はございますか?」

「あぁ・・・えっと、じゃ、じゃあ一つだけいいでしょうか?」

「どうぞ」

「シロタエさんが言っていた『主人』っていったいどんな人なんですか?」


 ・・・・・・・・・。


 ギルド館内が先程よりも静寂に包まれた。誰もが足を止め、息を鎮め、ジロリと新米とギルド嬢のあり取りに視線を向ける。

 そして、耳に最大の意識を集中し、ギルド嬢の反応を伺った。


 ・・・そう。ギルドでは今空前のギルド嬢は何者であるのかを詮索するブームが巻き起こっている。

 先のトロルの一件から、ギルド嬢が只者ではないことはこの街の冒険者の周知の事実となったわけだが・・・ただ一つ腑に落ちないのが『主人』である。


 ギルド嬢の最大のタブーであり、このギルドに対する禁忌であるそれを・・・新米冒険者は聞いたのだ。

 というよりも、他の冒険者からの圧力を持って、言わせられてしまったのだ。


「・・・何故、主人のことを知りたいのでしょうか?」

「いや、あの、そのぉ・・・シロタエさんがいつも『主人』って言っていたもので気になったん・・・ですよ。トロルと戦った日にいたあの冒険者の方々も気になっているそうです」

「・・・そうですね」


 ギルド嬢は深く考え込んだ後、口を開いた。


 ギルド館内の熱気を冷ます為に開けられた窓から、清涼な風がふっと入り込み、ギルド嬢の黒髪を撫でた後・・・ギルドの全ての冒険者達の顔が真っ赤に染められた。


「素晴らしい・・・方ですよ」


 頬をほんのりとピンク色に染め、微笑んだギルド嬢のその姿に・・・その日ギルドは、揺れた。




 ゴブリンを飼いならし、ギルドで働かせるという前代未聞の試み・・・ギルドを震撼させたトロルの出現にたった一人で討伐を成し遂げた伝説のギルド職員・・・『ギルド嬢』改め、『ギルドの魔女姫』が誕生した瞬間であった。

ギルド嬢さん改め、『ギルドの魔女姫』誕生でした!

これからカナンギルドはどうなっていくのか・・・彼女の独裁ギルドが誕生しそうな気配です。


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何か変なところ、見にくい、誤字だ!などがあればどしどし教えて頂けると嬉しいです。

(言い換えでこういうのがありますよなどが合ったら教えてください。例:取得→習得、思いやる→慮る、聞こえる→耳に届くなど)


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