帝都:ヴァンクでした!
皆様!!
遂に・・・遂に本編100話突入です!!
これも全て皆様の応援のお蔭で御座います・・・まさか此処まで来れるなんて思いもしなかったです。
本当に本当に感謝です。
この思いをいっぱい書きたいのですが、それは活動報告の方で!!
そして、そして、前話で一週間で「一万閲覧」を突破しました。密かに目標にしていましたので、本当に嬉しい限りなのです!!
沢山のブックマーク、そして評価ありがとうございます!!
次話投稿は一週間以内です!
燦然と輝きを放つ湖畔の上に、小さな船が幾つも浮かんでいる。陽が昇ったばかりの街は、今だ静けさを保っているが港付近ではそうはいかない。
漁師達が船を駆り、湖畔に数多く生息する魚を捕らえる為に働き始める時間なのだ。
ベッドから上半身をお起こし、一つ大きな欠伸をして窓から覗く景色を十分に堪能した後、大きく延びをする。と言っても、この身体になってから身体のコリや疲れはほぼ感じない為、前世の習慣でついやってしまうだけなのだけど。
ベッドから降りようかと身を乗り出そうとするが、いつのまに潜り込んだのやらコトヒラが俺のベッドで静かな寝息をたてている。
そしてその隣のベッドには・・・化粧が崩れて、もはや悪魔の化身と化しているエリーザさんが、豪快な鼾と共に煩く眠っている。
コトヒラを起こさない様に静かにベッドから下りて、もう一度次は全身を伸ばす。
まだ朝が早いからか、誰も起きていないだろうと延びをしながら辺りを見回すが・・・ヴァンクさんの姿が見当たらない。
ヴァンクさんが眠っている筈のベッドの布団は綺麗に畳まれており、そのそばに立て掛けて合ったヴァンクさんの装備もなくなっている。
何処に行ったのかと首を傾げていると、微かに何か音が聞こえる。音の小ささからして恐らく宿の外から聞こえてくるモノで、その音はサテラやコクヨウ達と居る時によく聞いた音に似ている。
部屋から出て階段を降り、宿屋から外へと出ると音は一層激しさを増し、次いで人の吐く息の音が聞こえてくる。
「フッ・・・フッ・・・」
音の聞こえる方角へ進むと、宿屋の裏手にある少し開けた場所へと辿り着く。
そしてそこには、愛剣を手に携え、汗を流しながら無心で素振りを繰り返すヴァンクさんの姿があった。
一回一回の素振りに全神経を集中させ、太刀筋のみならず息を乱す事もなく規則正しく剣を振り下ろす。
その動きは一切の無駄がなく、洗練された動きからは歴戦のそれを伺わせる貫禄がある。
剣を振り下ろすくらい誰でも出来ると思うことだろう。しかし、それは完全に間違いである。
経験の無いものなら竹刀を振り下ろしただけでも、振り下ろす慣性と竹刀の重さに手を持っていかれ姿勢が崩れる。
熟練の者でもある程度はブレがある筈で、ましてやヴァンクさんが振り下ろしているのは鉄で作られた剣だ。その重さは竹刀などの比ではなく、それをブレなく扱う事は非常に難しい。
サテラの素振りも素人目からは全くブレがないが、何度も続けている内に身体の重心が微かに寄ったり、剣先を完全に静止する事が難しくなってくる。
しかし・・・ヴァンクさんはそれを意にも介さず、幅広の剣を振り下ろし続ける。
上段に構えたそれを振り下ろし、ピタッと一定の位置で静止させるともう一度ゆっくり持ち上げ振り下ろす。
重心のブレ、剣先のブレ、集中力の欠如を一切感じさせないヴァンクさんの洗練された素振りは見る者を圧倒させる。
暫くジッと見ていると終わったのか、振り下ろしてから数秒目を閉じ、次いで鞘にゆっくりと剣を戻す。
ヴァンクさんはそこで深く深呼吸して、近くにかけてあったタオルを手に取ろうとして俺と目があった。
「む? すまない。起こしてしまったか?」
「いや、大丈夫ですよ。さすが兵士を目指しているだけあって、見事でした」
「ハハハッ、いやこれくらいなら誰でもできるさ」
どうやらヴァンクさんは毎朝練習をしているらしく、体が鈍らない様にと重い剣を振るっているのだそうだ。
・・・サテラも魔力をより早く練れる様にと瞑想をしたり、素振りを行っている。
アドルフにヴァンクさんの腕前はどれ程かを聞いてみたが、返ってきたのは、そこいらの兵士では足元にも及ばないという言葉だった。それに続けて自分でも勝てないだろうと告げた。
アドルフはサテラ程ではないが強い・・・何よりも突出しているのは反応速度から来る剣技の正確性だろう。
というのも、アドルフは敵を察知し攻撃を放つまで動作が尋常でなく早い。
それはダンジョンで遺憾なく発揮され、不意討ち紛いにやって来る魔物達を一瞬で斬り伏せ、どの様な場所から敵が来ようが関係なく察知し先手を取れるのだ。
戦闘中にも発揮され、敵の行動の先を読み剣を振るうまでのタイムラグがほぼ無いのだ。
本人は大したことはしていないと言っていたが、頭で考えるよりも早く手足が勝手に動くなんて常人ではできないと思うんだけど・・・この帝都の兵士はそんな人達ばかりなのだろうか?
で、だ。そんなアドルフが負けると言うのだから、ヴァンクさんもよっぽど強いのだろう。
俺はヴァンクさんの戦っている姿を見た事がなく、 どれ程強いのかは知らない。
「ふぅ、良い運動だった・・・しかし、まだ動き足りないな」
ヴァンクさんが突然人の悪い笑みを浮かべる。
・・・何か嫌な予感がするのは気のせいだろうか。
「どうだ? 一度手合わせ願いたいのだが・・・」
「あぁー・・・」
おぉう・・・ヴァンクさんは俺と手合わせしたいらしい。冗談かと思ったが、目はギラギラと輝いていてまず間違いなく疼いているのだろう。
俺と手合わせを願う、ソウカイとコクヨウもよくそういう目をするので、ヴァンクさんが冗談でなく本気で手合わせを望んでいるという事がわかってしまった。
・・・ソウカイ曰く、『剣士という者は手合わせをせずにはいられない。手合わせは口でなく、剣で語り合う言葉だと思ってくだされ』だそうだ。
ヴァンクさんもそうなのだろうか?
はぁ、しかしこういう類いの人は断ってもまたもう一度と言ってくるだろう。
正直手合わせなんて御免蒙りたいが、一度やって終わらせておく方が後腐れもなくなるだろう。
「わかりました。でも、ここではちょっと」
「心配するな。ここを出て直ぐ近くに河原がある。そこでやろうではないか」
ヴァンクさんはあまり乗り気でない俺の事なんて露知らず、嬉しそうに肩をバシバシと叩く・・・痛い。
『大丈夫なの?』
「軽く手合わせするだけだし、たぶん大丈夫だと思う」
『ならいいんだけれど』
ヴァンクさん連れられて、街の外の河原まで歩く。
湖に続くその河は広く、澄んだ水の中を名前も知らない多くの魚が泳いでいるのが伺える。
ヴァンクさんはそこへ着くなり軽くストレッチを始め、折角少し観光気分を味わえたというのに、今から手合わせするんだという現実に引き戻される・・・手合わせが終わったらどこかに釣具屋がないか探しに行こう。
俺もストレッチを・・・と思ったが、うん。俺はストレッチの必要はない。
やろうと思えばグニャグニャになれるんだから。
ヴァンクさんは腰に帯びた剣を引き抜き、目を閉じて瞑想を始める・・・待って、そこまで本気でやるなんて聞いてないんだけど。
それに・・・まさか、その剣で手合わせするわけないよね。どう見ても刃が潰れている様には見えないし、切られたら真っ二つになるのは避けられない。
まぁ、俺は粘液生物であるわけで、斬られても大丈夫ではある。
しかし、俺達は魔族だって言う事を隠している訳であまりバレるのは宜しくない・・・なら斬られない様にしない。
「あぁ、安心しろ。流石に刃は潰させて貰う」
「へ?」
ヴァンクさんはそう言うと、懐から一枚の紙を取り出して剣の側面に這わせる。そして一頻り這わせ終わった後、バチンッと紙を剣に打ち付ける。
すると、その紙が閃光を放ちながら剣に吸い込まれ消失する。剣の中に紙が吸い込まれると、側面を文字の様な物が這い回り、スゥッと消える。
そして、何事も無かった様に元の剣が姿を見せる・・・が、どうしてだろう。俺の脳内に激しく警鐘が鳴り響いているのだ。
嫌な汗がブアッと吹き出し、身体が竦み始める。
「さて、始めようか」
「あ、あのー・・・一応聞いておきたいんですけど、さっきのは?」
「あぁ、あれは魔法のスクロールだ。刃のある剣でも、斬っても斬れない様になるんだ。まぁ、物理に変換されるだけなんだがな」
なるほど・・・どうしてこうなった!!!!!
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ
前にも言ったと思うが、この世界の『スライム』という魔物は物理攻撃に対してある程度の耐性を持つ。サテラから聞いた情報によれば、普通のスライムであれば真っ二つにすれば死ぬということだが、過去に全く物理攻撃が効かないスライムがいたことがあるらしい。
で、それは俺にも当て嵌まる訳で、王都では真っ二つにされたのに死ななかったし、痛くもなかった。
と言う訳で、里に帰ってから俺に効く武器があるのかを確認したのだ。
斬撃は全く効かなかった。ルリに撫で斬りされようが、コクヨウに十文字切りされようが、ソウカイに微塵斬りにされようが全く痛痒を感じず再生することができた。槍で貫かれようが、弓で射られようが、糸でバラバラにされようが効かなかった。
しかし、一つだけ俺が痛いというものがあった。と言っても、少しだけ痛いというものであったが、それが物理での攻撃だ。
ハンマーや素手の攻撃に対して少し痛みを感じたのだ。フゲンに殴られ、キクに殴られ、コクヨウに殴られ、その時は微妙に痛いと感じたのだ。
・・・そして、事件は起きた。
俺に効く攻撃は魔法以外は殆どないンじゃないかと考え、ミリエラに魔法を打ち込ませてみたのだ。そうすると、まぁ痛いわけだ。
のたうちまわる程ではないが、しっかりと痛いと感じたのだ。
サテラの魔法剣も痛いと感じ、真っ二つにされてからの再生時間がほんの少し下がったりと、魔法に対してあまり耐性のないことがわかったのだ。
そこで実験を終えようと思ったのだが、ふと一つの考えに至った訳だ。
物理攻撃と魔法攻撃が合わさればどうなるのかと。
そこで、ヨウキを呼んで魔力を纏った物理攻撃を頼んだわけだ。
すると、何を勘違いしたのか『エクストラスキル:天破』を使って俺に攻撃を仕掛けたのだ。
俺の身体にヨウキの全体重と腰の捻りが加わった一撃がぶち当たって、数十メートル飛ばされた。
衝撃は全身を巡り、意識が遠退いたと思ったら痛みのあまりにもう一度意識が覚醒してしまい。魔力の波動が全身を這いずる様に巡る度に巨大なハンマーで何度も打ち付けられる衝撃が襲うのだ。
その後、ミリエラの回復魔法のお陰でなんとか助かったものの、その恐怖は今でも脳内に染み付いているのだ。
そして、今目の前の御仁が持っている武器はなんでしょうか?
攻撃力を削いだと言っているヴァンクさんの剣は、俺にとっては全く痛痒を感じない武器から、命をかっさらっていくであろう凶悪な武器へと変貌したのだ!
言うなれば、斬撃属性の武器を物理属性に変え、剰え魔力が付与されているってわけだ。
「では、いざ参る!」
「あ、ちょっと待」
フォンッという音と共に鼻先を剣が掠める。無論それでヴァンクさんの攻撃が終わる筈もなく、外れたとわかるや否や、突きに移行して突進を仕掛けてくる。
襲い来る剣の乱舞を何とかすんでの所で躱しながら、ヴァンクさんの動きをじっと見続けることしかできない。
隙を伺って剣の乱舞から抜け出そうと試みるが、全くと言っていいほど隙が見当たらない。左に半身をずらせば薙ぎ払いが、上に跳ぼうとすれば直ぐに手元を返し必殺の一撃を見舞おうと狙ってくる。
一つの判断ミスで命取りのその攻防・・・一撃一撃に気を配りながら、全ての攻撃を避けていく。
奇策を取ろうにも、ヴァンクさんの目はしっかりとこちらを見つめており、さっきから悉く失敗している。
砂を蹴りあげても剣を振り抜いて吹き飛ばし、返す刃で斬り掛かられる。フェイントをかけてもそれを全て読み切り、間合いを詰められる。
・・・これ詰んでない?
恐らくヴァンクさんは俺の腰に下げている剣を抜き放つのを待っているのだろう。
さっきから、剣を抜く一瞬だけの隙を晒しているのだ・・・。
だがしかし、俺はろくに剣が使えない。
力任せにブンブン振り回すだけで、駆け引きやら何やらが殆ど出来ないのだ。
つまり・・・使えば弱くなる。
とは言っても魔法を使うわけにもいかないし、触手を伸ばして戦うわけにもいかない。
かと言って体術が得意なわけではないし、剣を振るうヴァンクさんの懐には飛び込めそうもない。
どうしよう・・・そう考えた瞬間、ゾッとする気配が背中を這いずる。
突然、自分の視界に写る全ての物がスローに写る。しかし、それも一瞬だ。
自分でも信じられない速度で後ろへ飛び退くと、今まで自分が立っていた場所に幾重もの剣閃が、まるで銀の濁流の様に降り注いだ。
「ッ!?」
「ッ!?」
一連の出来事に、俺も・・・ヴァンクさんでさえ驚いた。
想像もしない一撃が繰り出された事に驚き、その一撃が避けられた事にに驚いているのだ。
しかし、俺の身体は今の攻撃で完全に戦闘体制へと移行した。驚きで硬直するヴァンクさんの元へ、地面すれすれにまで身体を落として突進を仕掛ける。
地面を割れ砕く脚力から齎された突進は、音が遅れて聴こえるまでに加速する。
手を前に突きだし、掌底をヴァンクさんに叩き込む。
ガチンッと剣の腹に掌底が打ち付けられる・・・普通であれば吹き飛ばされるか、衝撃に剣を落とす筈なのだがヴァンクさんは完全に俺の一撃を食い止めて見せた。
それどころか、そのまま俺を押し返し次の攻撃へと転じ・・・る事は叶わない。
押し返され再度後ろに飛び退き、今度は地面におもいっきり踵落としを決める。
地面はまるで堅さなど感じさせず砕け散り、その無数の石の礫はヴァンクさんに襲いかかる。
さすがのヴァンクさんも風圧だけで石の礫を弾き返すことはできず、大きな石だけを剣で払い除け、後の小さな石は被弾した。
小さな石はヴァンクさんの鎧によって防がれるが・・・充分だ。
石と共に砂が舞い上がり、ヴァンクさんの視界を奪っていたのだ。
剣を振るって砂塵を撒き散らすももう遅い。
踵落としの勢いそのままにヴァンクさんの頭上に飛んでいた俺は、もう一度今度はヴァンクさん直接叩き込む。
再び剣で防がれるも今度は全体重と遠心力、重力に身を任せた踵落としだ。ヴァンクさんの剣を持つ手が微かに震えている事がわかった。
そして、着地した後にもう一度ヴァンクさんに向かって突進する。
剣を翳し防ごうとするも、その手は先の衝撃から治っておらず力が入っていない。
そして、今度は突進の勢いを利用して全力の鉄拳を繰り出す。空気を殴り突けるゴウッという音が響き、ヴァンクさんの剣を弾き胸に直撃する。
「ゥグッ!?」
剣と鎧に阻まれたせいで威力は削がれてしまったが、それでもかなりダメージは通っているだろう。
諸に入った拳は確かな手応えがあり、幾ら鍛えているヴァンクさんであっても少し本気を出した一撃を耐えるのは難しいだろ。
そのままヴァンクさんは大きな土煙を上げて、地面を転げ回り静止する。
辺りに砂塵が舞い上がり、今度はヴァンクさんの姿がかき消える。
直ぐ様目の前の砂塵を振り払い、消えたヴァンクさんの姿を探す・・・しかし、ヴァンクさんは吹き飛ばされた位置から一歩も動かずそこに佇んでいた。
いや、吹き飛ばされたままではない。
実に静かに、今吹き飛ばされたことがなかったかの様に、そこに佇んでいる。
ゆっくりと剣先が持ち上がり、その鋒が此方を捉える。
その鋒は一切のブレがなく、冷たく唯、冷たく、俺を捉えていた。
「・・・ディーレさんちょっとだけ力かしてもらうよ」
『えぇ』
恐らく、ヴァンクさんは次の一撃に全力を掛けてくる。もはや、手合わせ領域を完全に逸脱している。
完全に命を奪うことを目的とした、一撃であるだろう。
掌に嫌な汗が流れ、呼吸が早くなるのがわかる。
乱れた息を整える様に、ゆっくりと深呼吸を繰り返す。
どうやら、ヴァンクさんは俺の準備が整うのを待っているらしい。つまり、次の一撃で雌雄が決するのだ。
呼吸が幾分か落ち着き、冷静さを取り戻す。
ヴァンクさんにばれないように、身体の奥底で魔力を練り上げ、全身に行き渡らせる。
準備が整う。
充分に身体に魔力を張り巡らし、右手をだらりと下げる。右手には特に緻密に魔力を張り巡らせ、生半可な剣よりも硬い手刀になっている。
「行くぞ」
先ほどの自分と同じ・・・いや、それ以上の踏み込みを見せ、ヴァンクさんは加速する。
剣を腰に携え、ヴァンクさんが流星の様に、此方へ駆ける。
「ッッッ!?!?」
負けじと俺も駆け出し、迫り来るヴァンクさんに手刀を叩きつける。
そして、ヴァンクさんと俺の一撃が交差した。
恐らくここに誰かがいたのなら、一瞬にして二人の姿が消えたことに驚愕するだろう。
地面が砕けるほどの衝撃は、河原全体に響き渡る。
河の中を悠々と泳いでいた魚は驚き戸惑い、水の上を跳ね回り、一部の魚は衝撃に耐えきれず絶命する。
大きな水飛沫が舞い上がり、それが見るも鮮やかな虹へと変わった頃、二人の姿が垣間見える。
ヴァンクは剣を振り抜いた姿勢のままピクリとも動こうとしない。
一方のユガは青いオーラを右手から放ちながら、ピクリとも動かない。
やがてユガの胴体からミチミチと言う音が聞こえ始める。
肩から腰にかけて斜め一文字に剣で切り抜かれた後が走り、ユガはそのまま片膝を着いてゼェーゼェーと息を吐く。
「見事だ」
「・・・」
そうヴァンクが告げた瞬間、グラリと身体が揺れ動き、ヴァンクはそのまま地面に倒れ伏す。
「もう二度と御免だ・・・」
そして、片膝を着いていたユガもそのまま倒れ伏した。
ハーピー観察日記
1:ルリ様と少々お話・・・やはりこの里の主は恐ろしい。
2:ハルウ様とナーヴィ様が毛繕い。
3:北部侵攻。鬼と浪武犬の混成部隊による制圧・・・成功。残り65%
!~!祝100話目!~!
宜しければ、本文下にある評価の方是非ともお願い致します!
遠慮なくこの物語を評価して下さい!!
何か変なところ、見にくい、誤字だ!などがあればどしどし教えて頂けると嬉しいです。
(言い換えでこういうのがありますよなどが合ったら教えてください。例:取得→習得、思いやる→慮る、聞こえる→耳に届くなど)
感想や活動報告の方にコメント頂けると私の気力になりますので気軽にどうぞ!!