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幽霊になって弟のお世話をしています!【中編】

ここに、いるのよね…ん?少し扉が開いている。

そこから王妃様と誰かの話し声が聞こえてきた。


「ふふ、あのこ、ようやく死んだのね。よくやったわ、『死神』」

「別に。依頼だからな。で、あれは?」


っこの声はあの時の暗殺者!!中の様子をよく見ようと扉に手を当て覗こうとしたが…す・り・抜・け・た!!


ビタンッ!『ふぎゅっ!』


か、顔が思いっきり床に…痛い。ってやばい!ばれた!?


「あぁ、これよ。好きにしなさい。」


しかし、王妃様と死神と呼ばれた暗殺者はこちらに気づいた様子はなく話している。

あら?見えて…いないのかしら?あ、そういえば私幽霊だったわ。

さっき扉をすり抜けたってことは、物に触ることもできない可能性が高いわね。


「…たしかに。では失礼する」


そして何かを王妃様から渡された死神は、開いていた窓から去っていった。

それを見送って王妃様は俯いたかとおもうと狂ったように笑い、喋りだした。


「ふふふ、あははははははははは!!!やっと、やっとだわ!これであの邪魔な子はもういない!ふふっ、これで私の息子が将来王になるわ!そしてなんでも私の言うことを聞く人形に育てるの!そしたら将来、この国は私の物!あぁ、楽しみだわぁ」


怖いっ!


その姿に恐怖を感じたセレシアは扉の開いている奥にあった部屋へ逃げ込んだ。


なに!王妃様のあの顔!思い出すだけでもう無理よ!トラウマものだわ!

ちょっぴり涙目になりながら震えていると、後ろの方から「うぁ〜」と声がした。

振り向くと部屋の中央に豪華な揺りかごが置いてあった。


「あ~」


あそこから声が聞こえたようだ。聞き覚えのない声だけど…っまさか!

ゆっくりと揺りかごに近づき中を除きこむと、まるで太陽のような金色の髪に、透き通るような緑色の瞳の赤ん坊がいた。


この子が、王妃様の息子…そして、私のーー弟。


じっと赤ん坊を見つめていると、視線を感じたのか目があったような気がした。

なんとなくこの子の母親である王妃様を殺そうと来た後ろめたさで視線を逸らしてしまう。

ん?でも待って。私幽霊だから見えないはずでは?恐る恐る、ゆっくりともう一度赤ん坊のことを見つめた。


バチッ


…完全に視線が合ってるわよねこれ。王妃様やあの暗殺者でさえ私のこと見えなかったのに、なんでこの子には見えているのかしら。


「う~?」


はぅぅ、可愛いぃ!っでも、待って。この子が産まれてきたせいで私は…。

殺された時の痛みや王妃様への憎しみが溢れ出す。

この子が死んでしまえば、王妃様への復讐になるかもしれないと、ゆっくりと手を赤ん坊へと近づける。

やっぱり、私の手はこの子の顔に触れることなくすり抜けた。触れないのなら、幽霊らしく呪ってやるわ!!













…呪いってどうやればいいのかしら?


幽霊ってそもそも生きている人を呪えるのかしら。本などではバンバン人を呪い殺したりできるようだけれど、やっぱり現実の幽霊では不可能だったのかしら。そもそもやり方もわからないし…どうしましょう。


うんうんと考えていると、手に暖かいものが触れた。

驚いて見るとぎゅっ、と赤ん坊に人差し指を握られていた。


あれ?触られてる?なんで?え?


「あぅ、きゃあぁー♪」


ぱぁぁぁぁぁ!


っ可愛いぃぃ!笑顔が眩しいっ!ああっ、無理よ!この子を呪うなんて出来ない!

さっきまでの私が悪かったわ!本当に悪いのは王妃様で、あなたはただ生まれてきただけで何も悪くないのに!

っ決めた!この子、私が見えてるみたいだし、今日から私が育てるわ!

絶対に王妃様の思い通りにさせないんだから!それが私の復讐よ!


可愛いは正義!・・みたいな?です

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