冷たくて熱い出会い-3
きっと、この人なりに私に気を遣っていてくれたのだろう。
私に罵倒されても尚、笑顔を絶やしていない小雪さん。
最初のイメージとは全然違っていたけど…こういうのも悪くないかもしれない。
「次、屋上行きましょうか。」
他にも案内する場所はたくさんあったが、今は屋上に行きたい気分だった。
この校舎から見える景色はとても綺麗だから、それを見せてあげたかった。
「おおっ!?屋上!?いいねー!テンションアゲアゲだよ!!」
尚も変わらないテンションに、またつい笑顔になってしまう。
今まで、これ以上にぶれない人がいただろうか。私の記憶ではいない。
屋上はお弁当を食べてる人などで少し込み合っていたが、彼女には何も関係なかったらしい。
「いいねー、最高だよこの眺め!!いいもん見せてもらったぜ、ありがと陽菜ちゃん!!」
「はは…。」
無駄にイケメンな台詞に戸惑いつつも、私も横で同じ景色を見る。
一人で見たときより、ずっと綺麗な気がした。
「そういえば、ちゃんと自己紹介していませんでしたね。私、日向陽菜。…よろしくお願いします。」
「私はご存知の通り、新海小雪だよ~
!!陽菜ちゃん、これからもよろしくね!!☆ミ」
「うん。よろしく…。」
多分こういうのを友達というのだろう。
きっとこれからも仲良く出来ると思う、多分…。
《現在》
「はーるーなーちゃん!なーに、ボーッとしてるんだい?お姉さんが相談乗っちゃうぞ~??」
「え、…あぁ、少し私達が会った時のこと思い出していまして。」
「お~!!懐かしいNE!!あの時の陽菜ちゃん超☆インタラスティングだったよ!!」
くっ、この女は…毎回それを掘り下げおって…。
しかし、それにしても私も慣れたものだ。今じゃ普通に喋れるようになっている。
クラスメイトとも、…まぁ、不本意だが小雪さんのお陰でそこそこ打ち解けてきている。
「…小雪さんのお陰で、最近楽しいですよ。」
そんなこと考えていたらふいに口から言葉が出てしまった。
「!?…陽菜ちゃんからそんな言葉が出るなんてね~!!小雪さん、嬉しくなっちゃうな♪」
「い、今のは忘れてください。…それより、ちゃんと宿題はやってきたんですか?」
「あっはっは~。そんなの知らないな☆ミ」
…全く相変わらずお気楽だな、小雪さんは…。
でも、さっきの言葉に嘘偽りはない。
この人の相手するのは疲れるし、振り回されっぱなしだけど…。
「まぁ、いつものことですからね。見せてあげますよ。」
「流石は私のベストフレンッ!!!愛してるよ~☆ミ」
いつも通りの彼女で、思わず苦笑する。
彼女が来てから私の生活は劇的に変わったと思う。
だから、もう一度私の素直な気持ちを伝えたいと思う。
「これ、からもよろしくね、小雪さん…。」
「!!…うん、よろしくだよー、陽菜ちゃん!!」
突然の握手の申し出に、小雪さんは一瞬びっくりしたがニンマリと笑顔を作りそれに応じる。
そして私の視界は、一気に反転する。
「HAHAHA☆鍛え方が甘いですよー、陽菜ちゃん!!」
…掴まれた瞬間に背負い投げされたのは言うまでもない。
「…いつか、絶対に殺す…。」
やっぱり、この人とはやっていけないと思いました。




