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クールJKとホットJK  作者: 森坂 輝
初めての都会デート(百合ではない)
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初めての都会デート(百合ではない)-6

「…!! 取り敢えず移動しましょう!」


このままではどうしようもない上にこの状態のままでは非常にまずいことになるので、小雪さんの手を掴んで大通りから離れた人気が少なそうな場所に移動する。


あの状態の小雪さんを連れたままあそこを歩く、もしくは立ち止まっていた場合のことは…考えればすぐに分かることだろう。人に囲まれる。


「…ここまで来れば…」


なんとか惨事にはならなそうな場所へと移動した私は、引っ張る形となってしまった小雪さんを恐る恐る見る。


もし、あの状態のままであったら…私がやばい。何とは言わないが、私の理性とか色々なものが非常にまずい。


誤解されないように言っておきますが、私でなくてもこうなります。むしろ私だからここまでもっていると言っても過言ではない。


「…陽菜ちゃぁぁぁん!!!! 恐かったよぉぉぉぉ!!! ヘルプミー!!! ヘイ!! 私はここだよぉぉ!!!」


…あぁ、安心した。多少はまだ怯えてるもののいつもの小雪さんだ。安心したけど、この近距離でこの音量はうるさい。


「一体どうしちゃったんですか、小雪さん…。いつもと違いすぎて幻覚かと思いましたよ?」


小雪さんは叫びながら私の胸の中で泣いているので、私がするべき行動は彼女の頭を撫でてやることだろう。ついでに聞きたいことも聞いてしまおう。


「だ、だって!! 男の人怖いんだもん!! お父さんですらギリギリアウトな私にはあんな状況、ミッションインポッシブルッ!!!」


今私がするべきなのは、小雪さんのお父さんに対して精一杯の同情をしてあげることでしょうか…。いや、正直どうでもいいや。


なるほど、どうやら小雪さんはああいうナンパ男が苦手なのではなく男の人全般が恐怖の対象であるらしい。私達の通う学校が女子高なのはそういう理由があったからですね。


「…男の人が苦手なのに、何故わざわざ原宿にしたんですか…?」


どう考えたって原宿なんて若い男なんか溢れかえってるし、声をかけられることなど少し考えれば分かる。


しかし、原宿に行こうと言ったのは他でもない小雪さんなのだ。まぁ、小雪さんであればそれを忘れてたということも十分に有り得る話だが…。


当の小雪さんは私の質問に、大きな声でこう答えた。


「『デート』には原宿が一番いいって、Google先生が教えてくれたから!! つまり私はGoogle先生に嵌められたってことだよ!!」


そんな発言を、人気の少ない場所で女が女に向けて言ってたのを聞いたら…皆さんはどう思いますか?


「OK!! 分かりました!! 分かりましたので、これ以上の発言はやめてください…」


…そんな目で見ないでください。百合じゃないんです、断じて。

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