初めての共同作業(意味深)-10
「…後、お願いします…!」
「任せて!!絶対抜いてみせるよ!」
自慢じゃないが、私は足があまり速くない。むしろ遅い部類に入る。
二位でバトンをもらったにも関わらず、あえなく二人に抜かれてしまい、バトンを秋月さんへと託す。
…うぅ、凄く申し訳ない気持ちで一杯です…。特に小雪さんには…。
小雪さんはアンカーを走ることになっており、今はまだ待機状態だ。
走り終えた私を見て、小雪さんがこちらへ駆け寄ってくる。
…怒られるのも仕方ないですね。何せ、一気に順位が落ちてしまいましたから。
「あ、あの、ごめんなさ…」
「ナイスランだぜ、陽菜ちゃん!!私感動してしまったよ!!ブラボー!!」
怒られる前に謝っておこうと思っていたのに、逆に褒められたことに驚きを隠せない。
「…ですが、抜かれてしまいましたし、…とても褒めてもらえるような走りでは…」
「そんなの関係無いよ~!!全力な陽菜ちゃんはとてもかっこ良かったんだぜ!!☆」
…目から鱗が出そうだった。
そういえば、初めてだったかもしれない。
全力で、何かを頑張ろうと思ったのは。
「おおぅ!!??どうして泣くんだい、陽菜ちゃん!?」
「えっ…」
気づけば、目からは鱗ではなく涙が溢れていた。
理由は明白だった。
「いえ、少し嬉しくて…。」
嬉しいかったんだ、褒められたのが。
よくよく考えれば分かっていたはずなんだ。
彼女が、私を怒るはずなんて無いんだと。
「よく分からないけど、陽菜ちゃんは笑ってた方がいいと思うよ!!HAHAHA!☆」
そう言って高らかに笑う彼女が私にはとても眩しかった。
だから私のかける言葉は決まっていた。
「…頑張ってくださいね、小雪さん…!!」
「おーう、任せとけ任せとけ!!一位取ってきてやるぜよ!!」
自信満々の彼女を見て、私も嬉しくなる。
…友達って、本当にいいものだと思いました。




