地図と種族と
今回短いです。一話に纏めるつもりだったんですけど、予想外に長くなってきたので割とキリのいいところで分けます。
今回は説明くさいので長いと読むの面倒になりそうだったので…
今回から進むつもりだったんですが、ここらへんで説明入れておかないと入れるタイミング逃しそうだったので、読みにくいかもしれませんが入れさせていただきました。
この世界に大陸は三つ確認されている。
ルファ国のある中央大陸ことアーシェリア大陸。確認されている大陸の中で中央に位置し、最も面積が広い事から中央大陸と呼ばれる様になったそうだ。
そしてアーシェリア大陸の北西にラソーア大陸、東にラルシャ大陸が確認されている。
ルファ国はアーシェリア大陸の西の端にある事から、ラソーア大陸南端のレニル国と交易がある。
レニル国によると、ラソーア大陸は三つの国と山脈、森で構成されているそうだ。
ラルシャ大陸に関しては交易がないので詳しくは分からないそうだが、大陸の半分以上を占める帝国と、小国が三つあると伝わってきている。
そしてアーシェリア大陸は、大陸北部に巨大な山脈があり、その向こうの大陸北端部に聖教で言うところの聖地があると言われている。はっきりしないのは未だかつて聖地に向かい、戻って来た者が居ないせいらしい。
山脈が余りにも大きく越えるのは不可能に近く、運よく越えたとしてももう一度越える事はまず不可能らしい。
一方海路はと言うと、潮の流れが速くうねりも大きい。更には突然船の針路を阻むように巨大な渦ができ、近付く船を飲み込んでいるらしい。よって人々は聖地へは近付かぬ様に神々が護っているとし、余程の事がない限り聖地へ向かう等と思わないらしい。
(てかそれ渦潮だよね。鳴門にある。神意じゃなくて海流じゃないのかな……)
早苗が初めてその話を聞いた時の感想は割とあっさりしていたが。因みに真理も似たり寄ったりの事を思ったのだが、二人とも口に出して言った事はない。
山脈より南部は迷いの森とも呼ばれるアルンブルの森を中心に、西にルファ国、北にメラリア公国、北東にラジェス王国、南東にルードニア国、そして南に少数部族集合国家カデスがある。
この中で最も国土が広く繁栄しているのがルファ国である。数年前までは先々王による悪政と高官たちの汚職で国の存続も危ぶまれたが、先王と現王によりその危機を回避しかつての栄華を取り戻しつつある。
アルンブルの森には森の民と呼ばれる部族が住んでおり、彼ら以外は森に入ると迷ってしまい決して出られないと伝えられている。
実際に森に入って無事に森から出た事を確認できた事はないらしい。
(方位磁針とか羅針盤とかないの!? 船で海出てるんだよね!?)
早苗の疑問は尤もなのだが、一応羅針盤の様なものはあるそうだが航海に使うものとして普及しているらしく、森の中に持っていく者も居なかったそうだ。
(そりゃ迷うよね……)
早苗はがっくりと肩を落としたのだが、後日真理から森に入ってすぐに磁場が狂っているので使い物にならないと聞かされた。以前真理も早苗と同じ様に思ったらしく、羅針盤片手に森に行ってみたらしい。
その話を聞いた時、ディスファルトとレジアスも同席していたのだが、二人とも初耳だったらしく取り乱したレジアスが真理を何処かへ連れ去った。
あっけにとられながらその光景を見ていた早苗の横で、ディスファルトが深く溜息をつき、今日は仕事が止まると零していた。
そしてアルンブルの森は迷いの森以外にも、妖精の森、精霊の森等と呼ばれる事がある。
早苗はこの世界に魔法はないと聞いていたので、異世界トリップしたもののファンタジックな事とは無縁なんだろうと思っていたが、詳しく聞くとどうもそうでもないらしい。
以前聞いたように人間には魔法が使えない。だが、精霊や妖精等といったものは存在するらしい。
早苗には精霊と妖精の違いがいまいち分からなかったのだが、説明を聞く限り精霊は元素そのものの集合体が意思を持った存在で、妖精は種族として存在しているらしい。
(ここに来てまさかのファンタジーですか……過去のヨーロッパみたいな世界かと思ってたんだけど……あ、でもイギリスは妖精が居るんだっけ?)
早苗はよく解らない事は世界が違うしそんなもので納得する事にした。
だが、元素そのものが意思を持ってるのなら、世界なんて思いのままなんじゃないだろうかと言う早苗の疑問には、オルストが意外な答えをくれた。
精霊は相手からも存在を肯定されないと力の半分も行使できない、と。
最初聞いた時は意味が分からなかったが、幼い頃母方の祖母から聞いた“呪いが相手に呪いだと認識されない限り成立しない”とかいうのと似たような物だろう。
そして何故人が魔法を使えないのかと言う事は神話に謳われているらしい。
予想外に長くなってきた原因は早苗がやたらと突っ込むからなんですけどね。
最初は淡々と説明文みたいにして短く纏めようと思ってたんですが…