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ソシャゲの序盤で死ぬヒロインにTS転生したけど、とりあえず主人公くんをいじりたい  作者: あまぐりムリーパー
贖罪の獣と常夏サバイバル

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おまけ TS娘ツインズ!

 休日、自分の部屋に座り込んだ。外に出る気分にはあんまりならない。


 私は普段、渚くんにコネクトリンクを繋いでもらってるんだけど、一つだけ気付いたんだよね。


「"コネクトリンク"」


 夏なのに、長袖の手を伸ばされる。そこから包帯が見えかくれしていて、少し触れづらい。


 その手と繋ぐと、そこから力が流れ込んできた。


「ど、どう?」


 不安そうに揺れてる黄色い瞳と目が合った。


「大丈夫そうだよ」

「よ、よかったぁ……」


 そう、マヒロとのコネクトリンクを繋いでいる。


 マヒロのスキル、インストールによってコネクトリンクを取り込んできてそれで一時的に繋いでいる。


 そう、渚くんがちょっと不安定なので、別の人で代わりができないかなって話。


 マヒロも、メガセリオンとして特殊な状態ではあるけど、アバドンと違って溢れる力が抑えられないとかじゃないんだよね。


 だって、メガセリオンは深禍になりかけてるようなものなんだけど、なんか安定してるんだよね。


 繋いだ手が、少し汗ばんでる気がする。緊張してるのかな。


「その……蒼空ちゃんって、中学時代やらかしたって言ってたけど、どうだったの?」

「ああ、その話?コネクトリンク通して見たんじゃなかった?」

「いや、ちょっとだけだよ……?」

「そっか、じゃあ話してあげるね」


 そういえば、中学の話って本格的にしたことってあったんだっけ。私が勝手に思い出したことはあったけど。


 ……原口に聞いたんだっけ。まあ、それは置いておいて。


 かいつまんで……というかまあまあ詳しくになってしまったけど。

 私が距離感間違えて孤立してしまった話とか、その後悠里と仲良くなった話……まあその告白紛いなことをされた話とか、それから第三深禍災害の内容とかを話してみた。


「……蒼空ちゃんってやっぱモテてたんだ」

「いや、まあ……原作キャラだし?」

「うん、可愛い」

「……マヒロって全肯定だよね。私の中におじさんが入ってるのってどうだと思うの?」

「入ってても、可愛いと思う、よ?」


 ……いいんだ。いいのかな。推しの中におじさんいるの嫌じゃない?


「原作の蒼空ちゃんが見せなかった弱さがあるから、かわいいなって……」

「……これ、褒められてる?」

「う、うん褒めてるよ?」


 褒めてるかあ。弱さって言われてもね。そりゃあ、メンタルはグラついてるけども。


「じゃあ、逆にマヒロはどうなの?」

「えっ、なっ、何が?」

「中学時代のこと」

「あっ、ああ……うぅ……」


 言いづらそうに、顔を伏せた。


「……無理なら言わなくてもいいけど」

「無理じゃない、けど……その、ボクは――」


 そこから、ポツリポツリと話し始めた。


 可愛くなりたかったこととか。

 距離感は間違っていなかったはずなのに、女の子と仲良くなるのが難しくて、そこから少しずつ歯車が狂ってしまったとか。

 それから……男に襲われかけた話とか。それがきっかけで自傷してしまったとか。


「そ、その……蒼空ちゃんに比べたら大したことないよね」

「いやそんなことないよ!?マヒロ、結構壮絶じゃない!?」

「そ、そうかな?」

「だって、私だってその状態だとめっちゃ病むよ!?」


 待って、待って待って。マヒロの過去えぐくない?


 いやまあ、私が言うなってことだけど。


 ……マヒロってちゃんと距離感とか考えてたんだ。あれ、私って考えなしすぎない?


 まあでも、それで悠里と知り合えたなら悪くはないけど。


「蒼空ちゃんって、その悠里って人が好きなの?」

「んー。まあ、友達としては好きだよ?」

「……蒼空ちゃんってちゃんと女の子なんだ」

「どういう意味??」

「だって、その人が好きで。あの篠崎渚のことも好きそうだから」

「……待って、待って待って」


 急な言葉に頭がパニックになる。


「え、違う、の……?」

「まず、悠里とは友達以上の何かはないから」

「……でも、時間があったらそのまま好きになってそうかなって」

「……否定はできないけど、もしかしたらの話だからね?」

「うん。でも、篠崎渚のことは好きそうだから」

「…………まあ、その。なんていうか。違うとは言い切れないですけども」

「やっぱり、好きなんだ」

「~っ、違うけどっ?」


 声が裏返る。顔が酷く熱い。


 なに、なんなんだ。マヒロはからかってる風でもない。ただ、真剣に聞いてる。そのせいで、余計に答えづらい。


「でも、この前の時触られて嬉しそうにしてて」

「恥ずかしそうにしてたの間違い!」

「抱きしめられたときも、なんか嬉しそうで」

「うっ、うう。なんなの!マヒロは私で遊ぼうとしてるの!?」


 つい、渚くんにされたことを思い出して鼓動が早くなる。


「ううん。幸せになってほしい、から……」

「……そっか」


 なんか、それが理由なら責めづらいじゃん。


「あれっ、なんか二人とも神妙な空気ですね~っ?」


 がちゃり、と誰かが入ってくる。


 眼帯は取れたものの、まだ包帯がたくさん巻かれている飯島夏音がやってきた。


「……何かここに用?」

「マヒロちゃんの回収便でーすっ!いきますよ、マヒロちゃん」

「うぇっ、急に!?」

「ほらほらー、マヒロちゃんは私にもふもふされるんですよー」


 ……なぜか、飯島夏音にマヒロが捕まってそのままどこかにそのまま連れていかれていった。


 なんだったの、本当に。


 まあいいか。もしかしたら、本気で力を使うときに渚くんとマヒロの二重のコネクトリンクを使うことでなんとかなるのかもね?


 それもちょっと試してみたいな。


 なんて思いながら、マヒロに言われたことを少しだけ反芻してた。

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