板
「相棒、どうした?浮かない顔して。」
「・・・・・。」
黙りこくってしまった相棒にランプの魔人は優しく話しかける。
「このままでは・・姫に嫌われてしまう。」
彼はがっくりと肩を落とした。 その言葉に魔人は目を丸くした。
「Oh!!何を言い出すのかと思ったら、お前さん、十分にイカしてるぜ。・・いったい、何があったんだ。話してごらん。」
「実は・・・・。」
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1時間前。
「・・・・え、今なんて言ったの!?」
眉をひそめながら聞き返す姫にアラジンは顔をポリポリとかきながらバツが悪そうにポツリ、と言った。
「いや、だからその・・。」
彼は自分の背後にいる<魔法の絨毯>をチラチラ見ながら言った。当の絨毯も萎縮したように縮こまる。
「はっきり言いなさいよ!」 声を荒げる姫にアラジンと絨毯はびくっとする。
アラジンは姫の態度にすがるような目で絨毯を見るが、絨毯は困ったように(少なくともアラジンにはそう見えた)首を横に振り続ける。
アラジンは観念した。
「・・大変、言いにくいんだけど”二人乗り”はできないって。重量オーバーだから乗るのひとりずつにしてくれってさ。」
ついに言った。 言ったぞ。 もはや終わった、とアラジンは目を閉じて宙を仰いだ。
絨毯も微動だにしなかった。
「・・・・・・・・・・・・・。」
気まずい沈黙が、流れる。
そんな中、先に口を開いたのは姫だった。
「そういう事なら・・しかたがないわね。」 予想に反して静かなトーンだった。
アラジンは目を開けて姫の顔を見た。
その顔は微笑んでいたがどこか悲しそうだった。姫は彼と絨毯を交互に見ると、無理言って悪かったわ、と言いながら背を向けて歩いて行く。
「姫!」 追いかけようとするアラジンの服の裾を絨毯が引っ張る。
険しい顔で振り向くアラジンに絨毯は静かに首を振った。
アラジンはがっくりとした様子でその場に立ち尽くした。
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翌日の晩。
いつものように自室でくつろいでいた姫は、外で何かの気配を感じたのでバルコニーに出てみた。
すると。
・・・・・・・そこにいたのは。
「!アラジン。それに・・・。」
「昨日は嫌な思いをさせてごめんね。姫。・・彼もすまなかった、って言ってる。」
「い、いえ。」姫はあまりの変貌ぶりにややうろたえている。
「これなら二人乗りできる。さあ、今から世界一周に行こうよ!」
分厚い板、に乗ったアラジンが姫にむかって微笑んだ。
完
願いを増やすのが無理なら”魔人の数を増やす”というのはできないだろうか?
そしたら願い事も倍にできるのでは? ・・とか、考えた事がありますw
お読みいただきありがとうございました。




