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その頃にはヌマタコを殺しておきたい  作者: てるゆう月
夕日が沈んだ日の夜に
7/22

れうの持つ情報

みやはとれうはカラオケで話すことになった。れうは、様々な秘密や情報を抱えていそうだ。

「やだから、俺、みやはが知りたいこと、大体知ってると思うの」

「はぁ…んっごふっごふっ」

みやはは不意にゆうひのことを思い出して咳き込んだ。

「あー、今は思い出したくなかったか?ごめんな」

れうはみやはの背中をさすりながら言った。

「いいの…そう…じゃ、じゃあ、私から質問してもいい?」

「うん」

「れうはさ、なんであの山に登ってたの?」

れうは一瞬みやはから目を逸らした。

「ちょっと…静かなところに行きたくてな」

「は…?え?それだけ?」

「うん」

「しょーーーもな」

「悪かったなしょうもなくて」

「はあ…まあいいや。次、私の体がイグニアみたいになっちゃうのはどうして?」

「それに関しては、すでにまとめていてさ」

れうはそう言って鞄からファイルを取り出した。

「汚いけどれっきとした資料だよ」

ファイルの中にはくしゃくしゃになった紙が入っていた。

「うわ、見づらい」

「そんなこというなら見せてやらなくてもいいんだぞ」

「すんません」

みやはは紙を手で伸ばして資料を見つめた。

「れう、私には難しくてよく分からないかも。でも、私の持つイグニア感染症と関係があるのは確かだよね」

「そうだ」

イグニア感染症とは何か。重要なのでここでおさらいしておく。みやはをはじめとする人類の数%がかかっているイグニアが持つ特有の細胞と人間の細胞が反応してしまい皮膚が腫れてしまう症状のことだ。感染症と言われているものの人から人へは感染せずイグニアと接触したものが高確率でなると話されており、今はその感染症用の消毒液や薬が開発されているがあくまで予防用であり、一度感染したら治す方法はまだ発見されていない。ただ、痛いわけでもないし発症してもしばらくしたら完治されるためあまり気にしない人も一定数存在する。

「でも私、イグニアと接触したことないんだよね」

「あー…じゃあ、覚えてないだけで小さい頃接触してたのかもな」

「えー?…まあ確かに、私たちの村ならありえるか…」

そう、みやは達がいる地域はコロニとの繋がりが深いともいえる。今こそコロニからイグニアが降りてくるのは人間側の都合に合わせて東京なのだが、昔は人間側の都合なんてどうでも良かったのでイグニアが地球に降りやすい位置に勝手に降りてきていた。それがたまたまみやはたちの地域周辺だったのだ。だから、田舎は本来コロニの最新技術はあまり導入されていないのだが、みやはの村は田舎にしては少し発展している。一時期は観光名所にもなったのだが、とある事件以降、イグニアはその地域にはいかなくなっていた。

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