地獄
あの日、ひのもみやはのことを殺そうとしていたのだ。
…みやはの本当の友達って、なんなんだろう。
「んん、なんの音…?」
みやはは目を擦りながら辺りを見渡した。
「あれ?れう…?どこ?」
階段の方からダンダンダンと足音が聞こえてきた。
「みやは!無事か??」
「れう!さっきの爆発音は何?私が寝てる間に何かあったの!?」
「みやは、落ち着け」
「ねぇ、また何か起きたの?どうしよう、私のせい?全部、全部…ぁぁぁぁ」
「みやは!…頼むから、落ち着いてくれ…」
「うん…ごめん、また迷惑かけちゃった」
「いいんだ。みやは、ごめん。俺、やっぱりみやはと一緒には逃げられない」
「え!?なんで、私何かいけないことしちゃった?」
「そうじゃないんだ…」
みやはは、ハッとして気持ちを抑えた。
「うん…れうが言うなら、仕方ないんだよね…分かった、れうはどうするの?」
「俺は、やらなきゃいけないことができたんだ。大丈夫、終わったら、すぐみやはに追いつくからさ」
「…分かった。あえてこれ以上は何も聞かない」
みやははれうを最後に抱きしめたかったが、馴れ馴れしいと思ってやめた。
「ほら、俺も途中までついていくよ。ゆっくりでいいから、おいで」
外へ出た時、不気味な風を感じた。あたりは日が沈んで暗くなっていた。
「あったから爆発音が聞こえてきたから…こっちに逃げれば安全だよ。さあ、行って」
「うん…じゃあね」
「…元気で」
れうもまだ状況の完全な把握はできていなかった。でも、おそらく“そう”なんだろう。
辺りにアラームが響き渡った。
「緊急イグニアアラート 緊急イグニアアラート」
「やっぱり」
イグニアが暴走している。それもおそらく“ヌマタコ”だろう。ヌマタコなら一体だけで村一つを潰せる能力を持っている。
「れうくん!」
ヒビトが汗を垂らしてやってきた。
「今暴走してるヌマタコは、杉井みやはか!?」
「あ、違います!」
「何…?じゃあ、今暴走してるのは…」
「分かりません。でも…」
れうは歩き出した。
「れうくん!?もう時期自衛隊が来る、任せておけばいい!」
「でもそれじゃ遅いんです!!…だから、俺がやらないと。すみません、ヒビトさん、行ってきます」
みやははしばらく走って、疲れて休んでいた時、ひのから電話が来た。
「もしもし」
「もしもし!みやたん!?よかった、無事だったんだね!?今どこにいる!?」
「えっと…XX駅前だよ」
「あれ、もう避難しちゃった感じ?」
「うん…」
突然雑音が入ってきた。
「…なの!…から…で…」
「ごめん、なんて?」
「助けて!!」
「えっ」
「今、◯◻︎ビルの前に化け物がいるの!そいつがみやたんのこと探してる!なんでか知らないけど、この自体を収められるのはみやたんしかいないと思うの」
「待って、今その化け物の近くにいるの?」
「え?うん、まあまあ近くにいるよ」
「やっぱり私のせいでこの騒動が起こってるの?」
「え?あぁ、どうなんだろ。でも…って、井田れう?」
「え!?」
プチっと電話が切れてしまった。
「あ、あれ?もしもし?もしもし!」
みやはは近くに鍵のかかっていない自転車を見つけた。
「…ごめんなさい!」
自転車に乗りひの達の場所までこぎだした。




