日の入りの時間に
れうの正体は研究員だった。そして、れんとの父、ヒビトも同じ研究員であった。
(今日、みやはたんが学校に来なかった。井田れうくんも来なかった。霊宮れんとくんも来なかったらしい)
ひのは1人でぼーっとしていた。行方不明の噂を流したれんと、それに反応したみやはとれうが3人一斉に休み。何かあったんじゃないか。ひのを置いて。
(ゆうひのラインは既読つかないし…みやはまで休んじゃって)
学校から帰宅する時、妙に村がざわついているのを感じた。
「警察…?」
近所の奥さんたちがざわざわと話していた。
「やぁねぇ〜、まさか行方不明なんて」
ひのはドンッと心臓を打たれた気分だった。
「ま、まさか…ゆうひのことじゃ、ないよね…?」
ひのが最後に見た、ゆうひのことを思い出した。
ーあの日ー
ひのはあの日、“イグニア用スタンガンを持ちながらみやはを尾行していた”。
(今…俺は“やるべき”なのかな?)
みやはの背後に恐る恐る忍び寄る。辺りが暗かったのもあり、みやはは全く気付いていない様子だ。
(今…今しかない…!)
「やっほ」
気付いたらひのはみやはに声をかけていた。
(あぁ…なんで俺って、いつも言われたことをちゃんとできないんだろう、でも、俺には無理だよ)
そして、みやははれうを追いかけ山の中へ突っ込んで行った。
「ひの?何してるの?」
「ゆうひ」
「ひの。私たちが何をすべきか分かっているの?」
「うん、分かってるよ。でも、まだ勇気が出なくて」
「私がやる」
「えっ?」
ゆうひはひののスタンガンを奪い取った。
「あ、ちょっと!」
「ひのは絶対にできない。優しいから」
「え」
「それに、“これ”にはリスクがある。ひのはまだ…死ぬべきじゃないの」
「待って、ゆうひ。勝手に話を進めないで」
「今みやはが山の中へ入って行った。なんでかは知らないけど、今こそが絶好のチャンスなの。このチャンスを逃したら、私たちは一生安心して暮らせない」
ゆうひは強引に話を切り、山の中へ入って行った。
「待って!ゆうひ!怖くないの?」
「…怖くないわよ。化け物っていっても、襲われる前に始末すればいいだけ。明日元気に会いましょう」
「や、そういうことじゃなくて、友達を…みやはを殺すことに、罪悪感とかないの?」
ゆうひは答えずに山の中へ進んでしまった。
ー現在ー
あの日を振り返っていた時、爆発音が少し離れたところから聞こえてきた。
「ええっ、もしかして!?」
ひのは急いで家に帰り、黒いパーカーと半ズボンに着替え、荷物を整えた。
「ゆうひ、ごめんね。俺があの時みやはを追いかけなかったから、代わりにゆうひが殺された。本来なら、俺が死ぬべきだったのに」
ふとみやはとゆうひと3人で撮ったプリクラを目にした。近くの画鋲をとって、プリクラのみやはの顔めがけて打ち込もうとした。が、結局何もせずにプリクラをポケットにしまった。
「俺がやらなきゃ。ゆうひの想いを継がなきゃ。みやはを…ヌマタコを、殺さなきゃ」




