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その頃にはヌマタコを殺しておきたい  作者: てるゆう月
朝日登らぬ地獄の日々に
20/22

日の入りの時間に

れうの正体は研究員だった。そして、れんとの父、ヒビトも同じ研究員であった。

(今日、みやはたんが学校に来なかった。井田れうくんも来なかった。霊宮れんとくんも来なかったらしい)

ひのは1人でぼーっとしていた。行方不明の噂を流したれんと、それに反応したみやはとれうが3人一斉に休み。何かあったんじゃないか。ひのを置いて。

(ゆうひのラインは既読つかないし…みやはまで休んじゃって)

学校から帰宅する時、妙に村がざわついているのを感じた。

「警察…?」

近所の奥さんたちがざわざわと話していた。

「やぁねぇ〜、まさか行方不明なんて」

ひのはドンッと心臓を打たれた気分だった。

「ま、まさか…ゆうひのことじゃ、ないよね…?」

ひのが最後に見た、ゆうひのことを思い出した。


ーあの日ー

ひのはあの日、“イグニア用スタンガンを持ちながらみやはを尾行していた”。

(今…俺は“やるべき”なのかな?)

みやはの背後に恐る恐る忍び寄る。辺りが暗かったのもあり、みやはは全く気付いていない様子だ。

(今…今しかない…!)

「やっほ」

気付いたらひのはみやはに声をかけていた。

(あぁ…なんで俺って、いつも言われたことをちゃんとできないんだろう、でも、俺には無理だよ)

そして、みやははれうを追いかけ山の中へ突っ込んで行った。

「ひの?何してるの?」

「ゆうひ」

「ひの。私たちが何をすべきか分かっているの?」

「うん、分かってるよ。でも、まだ勇気が出なくて」

「私がやる」

「えっ?」

ゆうひはひののスタンガンを奪い取った。

「あ、ちょっと!」

「ひのは絶対にできない。優しいから」

「え」

「それに、“これ”にはリスクがある。ひのはまだ…死ぬべきじゃないの」

「待って、ゆうひ。勝手に話を進めないで」

「今みやはが山の中へ入って行った。なんでかは知らないけど、今こそが絶好のチャンスなの。このチャンスを逃したら、私たちは一生安心して暮らせない」

ゆうひは強引に話を切り、山の中へ入って行った。

「待って!ゆうひ!怖くないの?」

「…怖くないわよ。化け物っていっても、襲われる前に始末すればいいだけ。明日元気に会いましょう」

「や、そういうことじゃなくて、友達を…みやはを殺すことに、罪悪感とかないの?」

ゆうひは答えずに山の中へ進んでしまった。


ー現在ー

あの日を振り返っていた時、爆発音が少し離れたところから聞こえてきた。

「ええっ、もしかして!?」

ひのは急いで家に帰り、黒いパーカーと半ズボンに着替え、荷物を整えた。

「ゆうひ、ごめんね。俺があの時みやはを追いかけなかったから、代わりにゆうひが殺された。本来なら、俺が死ぬべきだったのに」

ふとみやはとゆうひと3人で撮ったプリクラを目にした。近くの画鋲をとって、プリクラのみやはの顔めがけて打ち込もうとした。が、結局何もせずにプリクラをポケットにしまった。

「俺がやらなきゃ。ゆうひの想いを継がなきゃ。みやはを…ヌマタコを、殺さなきゃ」

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