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その頃にはヌマタコを殺しておきたい  作者: てるゆう月
夕日が沈んだ日の夜に
2/22

井田れうは何者

杉井みやははイグニア化が進んでしまい保健室に行くことを井田れうに伝える時に、れうがコロニオタクであることに気づいてしまった。

しばらく休憩していると、みやはの肩は自然と治った。

教室に戻ると、れうがノートを広げて何かをしていたので興味本位で少し覗いてみた。

やはりイグニアやコロニについての研究結果のようなものがまとめてあり、なんだか気持ち悪さまで覚えてしまう量だった。

すると、わざとらしくれうはみやはの方を見て目を合わせた。みやはは少し気まずくなって目を逸らしたが、れうは話しかけてきた。

「杉井さん、何か用?さっき先生にはちゃんと伝えておいたよ」

「あ、あぁ、ありがとう。いや、別に大丈夫だけど…」

みやははれうのことを無口なやつとして捉えていたため話しかけてきたのは少し意外だった。

「そっか。いきなりだけど、イグニアに興味とかって、あるかな?」

れうは感情のない笑顔を作ってみせた。

「え…?興味ないってわけでもないけど…普通だよ…?」

れうは少し口をとんがらせ、またにこっとした。

「そっか、それはごめん、やけに見てくるから興味あるのかなあって思って」

(なんか井田くんってこんな感じなんだな…絶対自分の好きなことを語りたくて仲間探してただけだ…)

謎にイラつきを覚えたみやははさっと席に座り、本を読み始めた。その本は最近出版された本だったので、フィクションだけど近代社会に結びついた内容になっていてなかなか面白いものだった。

(あ、イグニアが出てきた。へぇ〜…イグニアの方が人間より全然強いんだな)

大体は事実が書かれているだろう。やはり人間よりイグニアの方が技術も力も優っているようだ。

と、そこへゆうひがきた。

「みやはー!ごめん、今日塾のテストがあって一緒に帰れないんだ!」

「あ、まじー?分かった」

ちなみにひのは家の方向が逆なので一緒に帰れない。仕方なくみやはは今日は1人で帰ることにした。


放課後、みやはは久しぶりに1人で帰ったのでかなり退屈に感じていた。みやは達が住んでいるところはど田舎の村だ。ど田舎とは言っても、みやはの家は比較的栄えている。みやはの地域はイグニアとの結びつきが深いらしいため、技術が優先的に取り入れられたらしいが、詳しいことは知らない。

と、ふといつもの山道の方を見た。整備が全然されていないため大人たちからは入るなと口止めされている場所だ。

そこに、みやはの学校と同じ制服をきている人がいたんだ。

「え…?何してんだろ、あの人…」

かなり退屈をしていたこともあり、みやはは山道の方に近づいてみた。

ぼんやりとしていたシルエットが次第にはっきりしてくる。

首元まで伸びているマッシュカットに、下の方が少しはねた髪。小柄な体型をした男の人…

「井田れう?」

紛れもなく、そこにいるのは井田れうだった。

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