お互いの気持ち
警察から逃げるために荷物の準備をして、れうの家…?に向かった。寂れた家の地下にれうが入っていって、待ってる間にゆうひのことを調べると、自分が殺したことがバレているようだった。
「みやは…?大丈夫?」
リュックを背負ったれうが出てきただけだった。
「なんだ、れうか…びっくりした」
「悪かったかよ。なあ、お腹空かない?」
「ちょうど空いてきたところ」
「そこにコンビニあるから、なんか買ってこう」
「私、大丈夫かな?警察とか…」
「みやはの家から多少距離はあるし、大丈夫だよ。レジは一応俺が行くから」
ーコンビニー
「アイス食べてもいい?」
「ん、いいよ」
「パピコ買うから半分こしよーよ」
「ん。お菓子もほどほどにな。今後まともにご飯が食える保証はないんだ」
「はいはい」
みやははおにぎり一つといちごみるくとパピコ、れうはメロンパンとミルクコーヒーを買い、れうの家?のなかの破れたベッドに座って食べた。
「ここ、本当に人住んでるの?れうの親は?」
「流石に普段はここに住んでないよ。学校から10分くらいのところに親戚の家があるからそこに住んでる」
「ふーん、じゃあここはなんなの?」
「普通に廃墟。でも、俺にとっては実家みたいなもん」
「ふーん」
パピコを取り出して2人で頬張った。
「私、正直れうのこと最初は信頼してなかったんだ」
れうはパピコにぎゅっと力を入れた。
「だってさ、クラスで喋ったことない男子だし、急に馴れ馴れしいし、やばい奴だと思ったよ。でも、たった数日一緒に過ごしただけだけど、れうのこともう信頼してるよ」
数秒、無言でパピコを吸った。
「俺も、正直…みやはがヌマタコだから、みやはの力をうまく利用できないか、ずっと考えてた。でも、今日みやはが連れ去られそうになって、みやはをおんぶして逃げた時…俺、本当に自分の利益のためだけに今みやはのこと助けたのか、分からなくなって…その、キモいだろうけど、俺、もう普通にみやはを1人の…その…友達?みたいな感じで見てる…から…」
みやはは我慢していたがじわじわと口角が上がってしまった。
「ふーん、私のこと好きなの?」
「俺ら今こんなことしてる場合じゃないって分かってる?」
「分かってないから言ってるんだよ」
みやははニヤニヤしながられうにデコピンした。
「あはははは、あは、あはは」
「はっはっはっはっ、はぁー、やばい、俺、久々にこんな笑ったわ」
「あのカラオケ懐かしいね〜ほぼ初対面の時の!」
「懐かしいってほど時間経ってないけどな」
「れう、いろいろ、私助けられっぱなしで、いつもありがとうね」
「こちらこそ、こんな笑えたのはみやはのおかげだよ」
「ねえ、流石にここまで警察とか来ないよね?私、もうヘトヘトだから寝てもいいかな…?」
「そうだね、今後に備えて体力を温存しておくのは大切なことだ」
「ん…じゃ…おやすみ…」
みやははすぐに眠ってしまった。
「あー、ここはダニがいるから…って、もう寝てるし…」
れうは一旦みやはを床におろして、ベッドを消毒して綺麗なシーツを地下から持ってきた。
「ごめんな。俺のせいで」
れうは罪悪感に苛まれ、泣いてしまった。
「みやは…俺のこと、信じてくれて、ありがとう…」
れうもみやはの隣で寝た。