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その頃にはヌマタコを殺しておきたい  作者: てるゆう月
蓮と泥水の愛の先に
16/22

霊宮れんとの父

突然乗り込んできた謎の集団がルグレとみやはを襲う。

そんな中、れんとは父親に出会っていた。

何でこんなことになっちまったんだ。

やっぱり今日、れうについていくんじゃなかった。

そもそも崎田ゆうひのことを教えてくれるって言うから着いて行ったのに。ああぁ、もう、うぜぇ。


目の前は血の海だった。


ルグレが自ら攻撃してくる人に手を下したのだ。イグニアは個体によっては銃弾すらも通さない強靭な体を持っている。しかし、唯一人間がイグニアに対抗すべく開発されたのがイグニア用スタンガン。集団で来たため警備が怠り、1人がルグレの元へ到達してしまったのだ。その人がスタンガンを隠し持っていて、使われたらイグニアにとっては即死なのでルグレが咄嗟に殺したのだ。


「いやああああああ」

「離れてください!!」

「ちょっ、そろそろやばくね?これ」

周りはさらに大混雑。れんとはみやは達が少し離れた森にいることに気付いて追いかけた。

「れう!よかった。無事だったんだね。…杉井さんも」

みやはとれうは2人してみやはの左腕を抑えていた。

「何してんだ。怪我?」

2人は汗をかいていた。みやはは倒れ込み、れんとが左腕を抑えたままうずくまった。

「え…あ、大丈夫ですか…」

みやはの左腕は、まだ人間の腕に戻っていなかったのだ。下手に動かせばゆうひの時のように暴走する可能性がある。それに、まだれんとにゆうひがヌマタコであることをバラすべきではない。

れうはみやはの耳元に近づき、小声で囁いた。

「みやは、左腕を脱力して。痛いかもしれないけど、一旦落ち着かせるんだ。そしたら、指先から神経を集中させて」

みやはの腕はゆっくり人間に戻っていた。

「あー…えっと、僕に何かできることある…?」

頭をかきながら言った。

「…ヒビトさん、いた?」

「パパならさっきバッタリ会って逃げてきたところ」

「そうか…まあ、とりあえずこの場を去ろう」



自分たちの村に帰ってきた。SNSはルグレのことでいっぱいだ。

「わわ…どうしよう、相当やばいことになってるみたい…」

「俺らが別に何かしたわけじゃないから、大丈夫だよ」

「…」

現在で報告されている死者は8人に登った。20人ほどの武装集団が突然ルグレを襲いに行ったのだ。命を捨ててでも立ち向かう人たちだったため、全員が自らの意識で行った行為だろう。

「あれ、警察…?」

みやはが指を指した。ふと、周りのポスターを見渡した。


探しています 崎田ゆうひ


やっとゆうひのことも警察が動き出した。

「え、え、え、どうしよ、私、バレたらどうなるの?」

「落ち着け、とりあえずここも離れよう。れんとは…」

れんとはいつの間にかポスターをじっと見つめていた。

「ゆうひ、ゆうひ、ゆうひ、あぁ、死んでない。行方不明。生きてる、俺が必ず見つける。待ってて。ゆうひ」

そう言い残し、夥しい顔で2人の元を離れて行った。「…これはなおさらバレたらいけないね」

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