当日
みやは、れんと、れうの3人でイグニアに会いに行くことになった。
「おい…」
「ちょっと…」
みやはとれんとは互いをチラチラ見ながられうに言い寄った。
「なんで杉井さん/霊宮がいるわけ??」
3人はれうから伝えられた通り、当日の学校を休みれうの決めた公園で集合した。
「ラインがグループになってた時点で3人で行くのは察して欲しいよな」
れうは呆れ顔で言った。
「そりゃ私も、あ、こいつも行くんだな。って思ったけどさ、うちらほとんど初対面よ?」
「僕は昨日この女にへんな尋問受けて精神が傷付きましたー、ああー、ヤダヤダコワイワネー」
「あー!それはちょっと忘れてー!私も今思い返すとあの時変にやる気出してた私が黒歴史なのよー!!」
れうは先が思いやられると思いながらリーダーとしてとりあえず電車に乗ってその場に行こうと提案した。
「ちょ…お前ら嘘だろ…?」
れうが困惑しながら言う。3人はそれぞれ離れた席に座ったからだ。
「みやははまだ分かるけど、れんとと俺が離れる意味ないだろ」
「僕はもともと左右に人がいない場所に座りたいんだ」
れんとはくしを取り出して前髪をとかし始めた。ちなみにれんとは無造作な黒髪マッシュでよくいる雰囲気イケメンって感じだ。首元はかられている。デニムジャケットをきていてピシッとおしゃれに決めている。よくよく見ればかなりイケメンのようだ。
「んもーしょうがないなあ」
みやはがれうの隣に座った。スマホを取り出して、適当に通知を見た。
「ねえ、れう。ゆうひってさ、本当に私の友達だったのかな」
れんとは髪を整えながら聞き耳を立てた。
「何で急にそんなことを…」
「私とゆうひが知り合う前にさ、ゆうひの親が対イグニアのなんか怪しいメンバーに入ってるみたいな噂を聞いたことがあって。今でもゆうひの“あの時”を思い出すと鳥肌が立つ。でも、昨日ゆうひの母親が持っていたイグニア用のスタンガンを見てハッとしたんだ。ゆうひが“あの時”持っていたのは、スマホと、スタンガンだったんだ」
みやはは目に涙を浮かべた。
「そうか…」
「こんなこと、考えたくもないよ。でも、きっとそうなんじゃないか。ゆうひは“あの日”私を殺そうとしていた」
「…」
れんとがくしを落としてポカンとしている。
「俺も若干そうなんじゃないかと思ったよ」
「いつから?」
「ゆうひの親が過激派なのは昔から知っていた。ゆうひの意志じゃないとしても、親に指示されてみやはを…なんてことを考えた。なんで崎田があそこにいたのかって考えると、やっぱり、それなりの理由がないとわざわざ山道に入ってまで追いかけようとは思わないだろう…」
みやはがじっと黙って遠い目をした。
「あっ、すまん。あくまで推測だから」
「いやいいんだ。無実な友達を殺s」
れうがハンカチ越しにみやはの口を抑えた。れんとが小さく舌打ちをして、盗み聞きされていたことにみやはも気付いた。