メモ
メモ
「豆腐はサイの目切り」
今朝もテーブルの上には1枚のメモが置かれていた。母は思いついたことをメモして出かける。料理の事だけではない。
「としちゃんの方が年上」
こんな謎のメモの時もあれば
「コボちゃんとかりあげくんは別人」
こういうのもあるし
「山田さんは牡羊座」
「田んぼのタニシ」
「カラスよけ付けすぎ」
「猫よけなの?」
母は何を言いたいのか?笑ってしまうこともあれば、夕飯に顔を合わせてもその話は一切出ないので(私が聞かないのもあるけど)一体、何を思って書いたのか?と思うこと度々だ。だけど、そのよく分からないことに癒されることも度々だ。私も、これはどういう意味?と考えるのがワクワクして楽しい。サスペンスではないから、他愛もない事を考えてると、「うーん」と、仕事やプライベートで頭を悩ませていた事もなんだか忘れてしまう。くすっ、と笑って肩の力が抜けて夕方になる頃には忘れている。母のおかげで毎日そんな日々を過ごしている。型にはめる毎日だけではなく、こんな日常もいいなあと思う。さあ、母が帰ってきた。今日の夕ごはんはなんだろう。