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第41話 ヤンキー、テッペンに至る

タモンを退けた後日。

リューはギルドへ来ていた。

周りの冒険者が道を開けるように避ける。


「ちぃーっす! エリー! なんの呼び出しだ?」


片手を上げて挨拶をする。

実は、タモンを退けたという話が住民からギルドに伝わり、その事情を聴く為という名目で呼び出しを受けていたのであった。


「リューさん、お呼びだてしてすみません! 使者にも伝えたのですが、魔人が出たという話を詳しく知りたくて……」


「あぁ。タモンっていう魔人の四天王らしいんだがな。一度倒したんだが、リベンジに来てな」


「また戦ったってことですか? この前凄い衝撃があったのはそういうことだったんですね」


「街中に来てやがったから外に追い出して戦ったんだが。影響があったか。すまんな」


頭をポリポリかきながら苦笑いしている。

少しは悪気があったのだろう。

しかし、エリーは気にしてはいなかった。


「いえ! リューさんが無事でよかったです! 今回の魔人の件が真実だった場合ということで、王都のギルド本部から通達が来ています」


「おう。つうたつぅ? なんだ?」


「読み上げますね。A級冒険者リューのこの度の魔人から街、ひいては国を守る行い。よくぞやってくれた。この度の行いで条件が満たされた。リューをS級冒険者とすることとする。ローグ・ロベルタ」


なんと書状は国王からのものであった。

初めて開いて見た内容にエリーも驚いた顔をしている。

これにはリューも驚いたようだ。


「あのおっさんからの通達かよ」


「国王様からの通達ですよ!? 凄いことですよ!?」


「まぁ、ありがてぇな。これで一応テッペンにたどり着いたわけだ」


ニヤリと笑いながら、頬をかいている。

一握りの人間しかなれない冒険者の頂点にたどり着いたのだ。

リューも内心嬉しいのだ。


「はい。実はまだあります。スタンピードの際に活躍した白竜の以下の者をA級冒険者とする。ダイン、ララ、ジェイク、グレン、ジャック、フィル、ドム、マーク。これからも活躍を期待する。ローグ・ロベルタ」


「おう。それはあいつらにも知らせないとな。こりゃ宴だな! ハッハッハッ!」


「えー!? 私も行きます!」


「また誰か人をよこすから来いよ」


「いいんですか!? やった! あっ! 冒険者カード交換しますね!」


「おう」


「A級になる方達にも伝えて貰えますか? カード交換しなきゃなので」


「戻ったら言っとく」


「お願いします! はい! これです!」


冒険者カードを受け取ったリューは屋敷に戻る。

屋敷に入ると呼びかける。


「おぉぉぉーーーーい! 0番隊と各部隊の隊長は集まれーーーーー!」


デカい声を出して呼ぶ。

すると、ドタドタドタと急いで近づいてくる音がする。


「兄者!? 何事だ!?」

「兄貴どうしたんですか!?」

「急いできたけど何が始まるのかしら?」

「「「「なんでしょうか!?」」」」


0番隊は口々に質問してくる。

他の部隊長の面々は敬礼をする勢いで直立になっている。


「さっきギルドに行ってきたんだけどよぉ。俺はえす級、お前らはえー級に昇級だってよ!」


シンッ


「「「「「おおぉぉぉーーーーっ!!」」」」」


「やっぱり兄者はすげぇ!」

「兄貴流石です!」

「リューちゃん! やったじゃない! 冒険者のトップよ!」


「「「クラマス! やっぱり最強!!」」」


「俺のこたぁいいんだよ! お前らもA級だぞ!? すげぇじゃねぇか!」


「ハッハッハッ! ワイ達より兄者だろ! こりゃ宴だ! おい! ジェイク! バルトに頼んで宴だ!」


「わかった! お願いしてくる!」


ジェイクが走っていく。

周りの使用人にもダインが伝える。


「我等がリューのS級冒険者昇級祝いだ! 白竜総動員で宴だ! 大広間で皆で宴会だァァァ!」


「家でやんのかよ! それなら……」


ジェイクが戻ってくる。


「バルトさんにも伝えてきました!」


「おっ! ジェイク! ギルドのエリーに家で宴会やるって伝えてきてくれ!」


「わかりました!」


ジェイクは再び勢いよくギルドへ走っていった。

パシられているようだが、ジェイクがみんなの頼りにされているのだ。

それがわかる為、笑顔でギルドへ向かう。


「リューちゃん? エリーもくるの?」


「あぁ。いいだろ? 皆で祝おうや!」


「いいけど……」


ララは下を向いている。


「ララは、隣にいりゃいいだろ?」


そう言って頭を撫でる。


「フン! それでいい事にするわ!」


顔を赤くしてそっぽを向いている。

そういう所もリューには好かれているんだろう。

ララはツンデレ要素も持ち合わせている。


「そういやぁ、リント達よ!」


騒ぎを聞きつけて、近くにいたリント達を見てふっと思ったことがあるようだ。


「ご主人様凄いですね!? あのS級になるなんて!」


「あぁ。次はリント達が冒険者になるか!?」


「えぇ!? 俺達が冒険者になれるんですかね?」


「なれるさ! 正規部隊と訓練もしてるし、年齢は大丈夫だろう? たしか13歳以上だっけか?」


「俺は……13歳なのかな?」

「私も何歳なんだろう?」

「僕も……わかんない……」

「アタイもわかんないよ」


「まぁ、見た目では大丈夫だ! あっ! エリーが来っから、エリーにお願いすっか!」


ポンッと左手の平に右手の拳をのせて閃いた風に声を上げた。

そんな話をしていると、料理が運ばれてくる。

人数が多いのでバイキング形式で色々な料理が置かれていて、自分で取って食べるスタイルのようだ。

いい匂いが部屋中に充満する。


「うわぁ! いい匂いだなぁ!」


「もう少し待ってな。乾杯したら食べていいからよ。一応形上な」


「「「「はい!!」」」」


子供達は涎をたらしそうになりながら待っている。

次々に運ばれてくる料理。

皆思い思いの席に座っている。

白竜全員が集まってきた。


「よぉーーーっし! そろそろいいかぁ?」


「準備はできましたので、どうぞ」


バルトがお辞儀をして合図をくれた。


「それじゃあ、今日は俺と隊長達の昇級祝いだ! ぱぁーっと飲んでぱぁーっと食べろ! かんぱーい!!」


「「「「「かんぱーい!!」」」」」


早速子供達は目当ての料理を取りに行った。

戦闘部隊の者は酒を頼んでいる。


「バルト!」


「はい。なんでしょうか?」


「給仕してる使用人も交代で飲み食いしていいんだからな?」


「ありがとうございます。そうさせて頂きます」


感謝の言葉を言うと下がっていく。

リューもゆっくりと立つと料理を取りに行く。


「ご主人様! お取りしますか?」


近くにいた給仕の者が声を掛ける。

リューはニコッと笑って答えた。


「いや、自分でやりてぇんだ。ありがとな」


「は、はひ。であれば、いいでしゅ///」


給仕の女性は顔を赤くしながら下がっていく。


宴会は盛り上がったのであった。


この後も魔物を倒しまくったリューは伝説となった。



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