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第31話 ヤンキー、家族を鍛える

家に帰ったリュー達白竜は、家族団欒の時間を過ごしていた。


「シフォン。怖い思いをさせてすまなかったな」


頭を撫でながらシフォンに謝るリュー。


「いえ! ご主人様が悪いわけではありません! 悪いのはアイツらです!」


「お、おう。今は怖くないか?」


「怖くありません。でも、また襲われた時に同じように拐われるのも嫌です! 私を鍛えてくれませんか!?」


「俺達も鍛えてください!」


やって来たのはリント、ハイド、ソフィであった。


「自分たちの身は自分で守る……か。それがいいかもしれねぇな。バルト、他に少しでも護身を身に付けたいやつがいたら後で、集めてくれるか? 少しでも戦えるように鍛えるぞ」


「畏まりました。私も鍛えて頂きたいです」


礼をしながらバルトも鍛えたいという。

もしかして結構いるんかな。


次の日、リューは驚くことになる。


エントランスに行くと、非戦闘員のほとんどが集まっていた。


それは、戦えない子供や老人以外の全ての人が集まっていたのだった。


「お前らみんな鍛えに来たって事で良いんだよなぁ!?」


「「「「はい!」」」」


戦闘員白竜の家族なので倍の総勢42人が鍛えて欲しいと名乗り出てきた。


「よぉーっし! じゃあ、みんなでギルド行くぞぉ! 付いてこい!」


リューを先頭にゾロゾロと列をなしてギルドへ向かう。

道行く人はなんだなんだ?と振り返ったり遠巻きに見たりしながら見ていた。


ギルドへ着くとまっすぐエリーのところに行き、さっそく本題に入る。


「ちぃーっす。すまねぇがエリーよ。白竜の非戦闘員も鑑定してもらいてぇんだけどいいか? 人が多いから疲れっとはおもうんだけどよぉ。頼む!」


「おはようございます! いきなり凄い人数連れてきたかと思えばいきなり鑑定ですか? 戦闘しない人達鑑定してどうするんです?」


「あぁ。この前うちのシフォンが攫われただろう? それでよ、シフォンが鍛えて欲しいってなってな。そしたら、鍛えて欲しいやつらに集まってもらったらほぼ全員集まっちまってよ! ははは!」


「そういう事ですか……そういうことなら、私も頑張りますよ! 皆さんの為なんですもんね!?」


「おう! 頼むわ!」


「はい! ドンと来いです!」


エリーは胸を張り手を胸にトンッと打ち付けると気合を入れて鑑定に取り掛かる。


「おぉーい! こっちに並んで握手しろぉ! そしたら、鑑定してもらって自分のスキルとか聞けよぉ!」


並んでやってきた白竜メンバーを次々と鑑定していくエリー。

流れるように終わった人が集まりだした。


「終わったやつは一旦、屋敷に帰っててくれ! 全員終わったら俺も戻るから!」


「「「「「了解!」」」」」


集まっていた人達はギルドを出て屋敷に再び戻る。


少しずつ人数が減っていき、エリーも気合いが入っているからか、そこまで疲れた顔は見せずに鑑定を行っていく。


「はい! これで終わりですね!」


「ありがとな! エリー! これ、鑑定料な!」


白金貨をエリーの元に置く。

エリーはそれに驚き、大きな声を出してしまう。


「ちょっと! これは多いですよ!」


「いや、受け取ってくれ。アイツらのために頑張ってくれた感謝の気持ちと鑑定料だ」


「で、でも……」


「いいんだって! 日頃も世話になってるしな」


「じゃあ、頂いておきます。すみません」


「礼を言うのはこっちだぜ? ありがとうよ!」


エリーに礼を言うとそのままギルドを後にして鑑定を終えた白竜のメンバーの元へ戻る。


屋敷に着くと待っている間にと、みなそれぞれの仕事をこなしている所であった。


こういう所が普段から使用人として働いている人達の凄いところである。

時間は1分も無駄にはしないのだ。


「おぉーい! キリいいとこまでやったら集まってくれ!」


すると、各々の仕事を一段落させて再び集まりだしたのだった。


「まず、魔法系のスキル持ってたやつはいるかぁ?」


3人ほど手を挙げる。

その者達だけを集めて別の所に移動させる。


「次に、近接戦闘系のスキル持ってたのは?」


サッと6人手を挙げた。

こっちも違う所にまとめて待機させる。


「あとはこっちな!」


戦闘系スキルが無いものを集めて別の所に移動させる。


「グレン! ダイン!」


「「おす!」」


「近接戦闘組をここで見てやってくれ」


「「おす!」」


「頼むぜぇ。次は、ララ! ジェイク!」


「はぁい」「おす!」


「魔法組を少し魔法使えるようにサポートしてやってくれ。地下室使っていいぞ」


「わかったわ。任せて」


「任せてよ兄貴!」


それぞれのスキルを所持した者を指導者としてつける。


「後は、庭に出るぞぉ!」


ゾロゾロと庭に出るが、広い庭な為この人数が集まっても余裕がある。


「じゃあ、まず俺は喧嘩の仕方しか知らねぇからそれしか教えれねぇ! 後は自分で戦いの仕方を確立していってくれ!」


「「「「「はい!」」」」」


「俺の持論は、喧嘩は先手必勝! 最初にやったもん勝ちだ! 戦闘員を相手に自分なりになんでもいい! 先に攻撃を仕掛けて見てくれ!」


戦闘員は積極的に話しかけて相手をしてあげるようだ。


ここには、戦闘スキルを持たない人達が集まっている。

その人達が勝つにはガムシャラに攻撃するしかない。

その攻撃の仕方を教えていた。


中には殴り掛かる者、引っ掻きに行く者、体当たりをする者、いろんな喧嘩の仕方がある。


その中でも戦闘員に引けを取らなかったのが、日頃から庭の手入れ、買い出しの荷物持ち、大工仕事と、力仕事を生業としている使用人達は戦闘員にも怪我を負わせていた。


それを見ていたリューは頷きながら使用人としての雇い方を考えていた。


あの庭の手入れ職人は門番もやらせても良いかもな。

しかし、1人だと大変か……あそこのゴミ片付けのやつもいい動きをしてる。

交代制にすれば、負担が少なくて済むな。


色々と考えを巡らせながら戦闘風景を見ていたリューは、次なる訓練を思いつく。


「よーっしっ! 一旦やめてくれ! 段々様になってきたようだ! 次は、多人数を相手にした時の訓練をするぞ! 5対1くらいで戦ってみよう。一人の人はまずは、囲まれないように動き回るんだ。そして、1番近いやつを一撃で落とす気で攻撃しろ! 囲む側のやつは逃がさないようにして軽く攻撃するんだ!」


みんな多人数を相手だとやはり苦戦している。

しかし、さっきとはまたかわり、攻撃を全て交わしながら指示通りに1番近い人に攻撃している女性がいる。


リューは見ていて感心しながら見ていると普段色んなところを掃除しているメイドであることがわかった。


普段から俯瞰して色んなところの汚れを見つけて磨いているため視野が広い様だ。


使用人達の仕事が戦闘にも生かされることに驚きながらもそれぞれの特色を生かした戦闘にも感心させられていた。


「ジャック、あの女性はお前の部隊でも通用するんじゃねぇか?」


「そうですなぁ。ワシの部隊でもやって行けそうじゃな。視野が広いようじゃ」


「客が来た時にでも控えてる隠密みたいにすりゃおもしれぇか?」


「それはいい案じゃ!」


「提案してみるか」


それからしばらくその訓練を続けていると夜飯の時間になった。


コックも参加していたが、訓練に参加しない老人たちで夜飯を作ってくれていたようである。


「今日はここまでにするぞぉ!」


「「「「「ありがとうございました!」」」」」


「また、こういう機会を作るようにするからなぁ!」


「「「「「おす!」」」」」


こういう機会を楽しめたリューは他の使用人達はどのような感じに鍛えられたのか、後で聞く報告が楽しみなのであった。

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