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第26話 ヤンキー、凱旋する

ダンジョン攻略が終わった白竜はブラウズの街に戻ってきた。


「とりあえず、ギルドに報告に行くかぁー!」


「「「「「おす!」」」」」


スタンピードと立ち向かう白竜を見ていたであろう住人達が大通りに出てきて口々にお礼を言う。


「ありがとうよ! あんたたちのおかげで救われたよ!」


「お前達は救世主だ!」


「白竜がいなかったら、この街はなくなってたよ!」


「あんたたちのクラン、白竜って言うんだってな!」


「白竜!」


「よっ! 白竜!」


「白竜! 白竜!」


「「「白竜! 白竜! 白竜!」」」


「「「「「白竜! 白竜! 白竜! 白竜! 白竜! 白竜!」」」」」


白竜コールが起き、その場にいた通行人も含めて皆がコールをしている。


リューは手を挙げてそれに答えた。


「おう! 俺達はこの街が! この街の人達が大好きだ! だから自分の好きなものを守る為に当然のことをしたまでだ! こんなに感謝されるとは思わなかったが、悪い気はしねぇ! ありがとなぁぁぁぁぁ!」


「「「「「ワァァァァァ」」」」」


街の人に見守られながらギルドへ入っていく白竜。


「エリー、これがダンジョン魔石だ。攻略してきたぜ」


「もぉーーー! リューさん! すごい心配したんですからね! でも、この街を救ってくれて、有難う御座いました!」


「だぁから、大丈夫だって言ってたじゃねぇか!?」


「そうですけど、初めての活性ダンジョンの攻略だったんですから、心配しますよ!」


「まぁ、無事に帰ってきたぜ」


「はい! お帰りなさい!」


(なんか恋人みたい!? いや、ダメダメ! ララさんが居るんだから!)


エリーは葛藤しているが、リューにはそれはわからない。


「なぁ! 全員分の魔石換金していいか?」


「うっ! はい! 掛かってこいです!」


「おーい! いいってよぉ! みんなカウンターに置いて待ってようぜ!」


「うぅぅぅ。頑張りますぅぅぅ」


それから1時間半。


「よぉやくおわりましたぁぁぁぁ」


「おう! ちゃーっす!(お疲れ様です)」


「では、これが、報酬です!」


「おう! しっかり皆に分配すっからよ!」


「よーっし! 分配しながら祝勝会だぁぁ!」


「「「「「おぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」


「リューさん! 美味いとこあるんすよ!」


1人の白竜メンバーが進言すると


「おぉ! 良いじゃねぇか! 今日はコイツの行きつけで祝勝会だぁぁ!」


「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」


エリーはその時思った。


(楽しそうでいいなぁ。私も勤務終わったら参加したいなぁ)


すると、その気持ちが伝わったのだろうか


「エリー? 勤務終わったら来ないか? 心配かけたから奢るぜ?」


「えぇっ!?」


「いや、嫌ならこなくても─────」


「いえ! 行きます! 絶対行きます!」


「お、おう! そうか。おい! 誰か、店教えてやれよ?」


「おす! おれが、教えにくるっす!」


「頼むぞ!?」


(えぇぇ! リューさん来てくれないのぉ。まぁ、しょうがないかぁ)


そう言うと去っていくリュー。


冒険者に人気のおでん屋を白竜メンバーが選んでくれたのであった。


「おぉーっ! ここおでんはうめぇな! あっ! エリーに店教えにいってくれよ!?」


「おす! 行ってきます!」


教えに行ってる間にリューはまた店にお願いをする。


「おっちゃん! これでできる限り振舞ってくれねぇか!? 迷惑かけてすまねぇが」


「こんなにかい!? にぃちゃん気前がいいねぇ! 任せろ! はらぁいっぱい食わしてやるからな!」


「あんがと! おっちゃん!」


そう言って席につき、再びおでんを頂く。


「あぁ。違う世界に来てもおでんが食えるなんて幸せだぜぇ」


「クラマスは、違う世界から来たんすか!?」


グレンが絡んできた。


「言ってなかったか? おれぁ、イセカイジンっつうらしいぜ!」


「そうなんすか!? だから強いんですね!」


「ん? イセカイジンは強いのか?」


「はい! そういう風に言い伝えられてるんすよ!」


「ほう。昔にも日本から来たやつが居たんだなぁ。だから、おでんとかあんのかぁ。米がねぇよな?」


「米っすか? どんなのっすか?」


「ちっちゃくて白くて細長いようなまぁるい様なやつよ!」


「あぁ。自分聞いても最近まで食べることさえ大変だったんでわかんないっす! すみません!」


「なんでぇ! 期待させんなよ!」


「すんません!」


リューは余程米に飢えているんだろう。

珍しく声を荒らげていた。


「お疲れ様でーす! リューさん何怒ってるんですかぁ!?」


私服姿のエリーが来ていた。


「おう! エリー! 来たか! 好きなだけ食べて飲んでいいんだからな!」


「有難う御座います! じゃあ、エール下さい!」


「「「「「おぉぉぉぉ!」」」」」


白竜メンバーが盛り上がる。


「ちょぅとぉ! 私には盛り上がらないのになんでエリーだと盛り上がるのよぉ!」


ララが叫ぶ。


「姐さん、すみません! エリーさんの私服姿と、珍しさでみんな興奮してるっす!」


グレンが代表して言うと。


バチンッ


「私が若くないって言ってんのかい!? 私だってまだ、若々しいうちにはいるでしょうが!」


「い、いや、だから新鮮さが違うって……」


バチンッ


「い、痛いっすよ……」


哀れグレン。ララから八つ当たりをされ、痛い目にあっている。


そのやり取りをしてる間、エリーに気を使ってるマークがいた。


「あ、エリーさん、こ、これ食べますか?」


「わぁー! 美味しそう! 有難う御座います!」


素直に喜んで食べるエリーをみて、白竜メンバーが色めき立つ。


「これどうっすか?」

「これはいかがかな?」

「これを食べるのじゃ!」

「こで、たべるんだな?」


隊長格がこぞってエリーに食べ物を渡す。


「わぁ! 凄いいっぱい! こんなに食べていいんですかぁ? いただきまーす!」


むしゃつしゃ食べるエリーを微笑ましそうに見ている白竜メンバー。


「あぁ。癒されるなぁ」


1人がそういうと、賛同する輩が沢山いたようだ。


「おれの癒しだ」

「おれのだよ」

「ぼくのだよ」

「我のだ」

「おでのいやしなんだな」

「ワシの癒しじゃ」


「「「「「あぁん!」」」」」


睨み合う面々。酒が入ったことにより隊長格も隊員も関係なく争っている。


バンッ!


ピタッと静寂になる。


「みーなさーん! 喧嘩はらめれすよぉ!」


据わった目で見ているエリー。


リューが驚いて声をかける。


「エ、エリーさん?」


「リューさん! いつもいつもララさんとイチャイチャしていいですねぇ!? 私だってイチャイチャしたいですよ! いつもベタベタくっ付いてるララさんを見るとイライラするんですよ! いつも、羨ましすぎるんですよ!!」


立ち上がってララに向かって捲し立てるエリー。

しかし、ここでララも対抗してしまう。


「なによぉ!? 私がリューくんにベタベタするのは当たり前じゃないのよぉ!? 恋人同士でベタベタするのの何が悪いのよぉ!?」


両者が見合ってバチバチしている。

すると、リューが立ち上がった。


「ララ! 何を大声出してんだよ。ほら、こっち来いって」


「え、えぇ」


ララの頭をなでなでする。


「エリーもこっち来い!」


「えっ!? は、はい」


エリーの頭もなでなでする。


「2人とも仲良くしろよぉ。わぁったか?」


「う、うん」

「は、はい」


ララとエリーの2人が借りてきた猫状態になっている。


「す、すげぇ。さすが兄者」

「凄い。クラマス」

「クラマスは女の扱いも上手いのか……」


ここで、新たな伝説が生まれているのであった。


エリーの状態を見て白竜メンバーは悟る。


((((あぁ。クラマスには敵わねぇ))))


共通の認識になるのであった。

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