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第24話 ヤンキー、スタンピードから守る

王城に泊まってからというもの、早くもブレイズの街に帰る時が来た。


「それでは、いいかね?」


ミラー会長が言う。


「はい! 出発しましょう!」


ジェイクが号令をかける。


「しゅっぱーーつ!」


「「「「「おぉぉぉぉ!」」」」」


来る時と同じように馬車を囲んだ隊列で進む白竜。


王女様がお別れに来てくれるというピンク色のハプニングがあったが、その後は順調に進んでいた。


ブレイズの街までは1回野営をすれば次の日には着く。


この日は順調で、野営をしていた。


今回は2、3番隊の見張りの受け持ちであった。


夜中のことである。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ


地面が揺れた。


「地震だ! 頭を守れぇ!」


リューが指示を出す。

木の実や木の枝が落ちてくる。


暫くしておさまった。

この時はただの地震だと思っていた。


「おさまったな!? みんな無事か!?」


「「「「「おす!」」」」」


「よーし、寝るかぁ」


そうして再び眠りについたのであった。



次の日、無事にブレイズの街に着いた。


「今回も助かったよ。色を付けさせて貰うね」


「いつも、有難う御座います!」


ジェイクが礼を言うとミラー会長はギルドを出ていった。


「エリー、これで白龍メンバーは、C級だよな?」


「はい! そうですよ! リューさん達、活性ダンジョンに挑む気は無いですか?」


「また、今度な」


リューは、そう返事をすると出口に向かった。


その時、1人の男が駆け込んできた。


バタンッ


「た、大変だ!」


「どうしました!?」


受付嬢が対応する。


「魔物の大群がこの街に押し寄せてくる! 東の方向だ! 依頼をこなしに行ってたら見えたんだ!」


「そうですか。報告有難う御座います! ちなみに、魔物はどれくらいの規模ですか?」


「見る限り前方は魔物だらけだ!」


「わかりました」


受付嬢はそう言うと奥へ消えていった。


暫くすると、ギルドマスターを伴ってやってきた。


「皆さんに緊急依頼を出します! この街はスタンピードの危機に晒されました! 守って頂けませんか?」


「俺たちの街だ! 守ってやる!」

「スタンピードから守ってみせる!」

「皆で守ればできるはずた!」


ベテラン冒険者を筆頭に人が集まりだした。


「よし! 俺達はA級冒険者だ! 今、S級冒険者は不在だ! 俺達が指揮を執る!」


その場にいたA級冒険者が指揮を執るという。


リューは従うつもりは無い。


「俺達、白竜はクランで動く」


そう言うと


「あぁ! 協力しよう!」


「あぁ。良いが、俺達に付いてこれたらな?」


「俺達はA級だぞ!?」


「だから、なんだ? 従う義理はない。じゃあな」


「なんなんだ! アイツらは! 一緒に戦うやつ…………」


ギルドを出るリュー。


「俺達、白竜はこの街の防衛をする! 必要な物資を集めろ! そして、屋敷にいる使用人も総出で物資の運搬に務めろ! 東に拠点を構築する!」


「「「「「おう!」」」」」


東門を出たところに野営を設営し、回復薬などを集める。


「2番隊! 魔物の群れの様子を観察しながら、報告しろ!」


「わかったのじゃ!」


「4番隊! なるべく前に陣取って後ろに魔物を通すな!?」


「わがっだんだな!」


「3番隊、5番隊は4番隊が食い止めているところに攻撃を撃て!」


「我達がやってみせようぞ!」

「ぼ、僕達も、頑張ります!」


それぞれの部隊に指示を出していく。


「最後に0番隊と1番隊は……特攻する! 俺に続いて暴れまくるぞ!!」


「「「「「おぉ!!」」」」」


魔物が、近づいてくる。


ドドドドドドドドドドッッッ


「来るぞぉ! 気合い入れろぉ!!」


リューの身体からオレンジのオーラが噴き出す。


白竜と魔物の大群が激突する。


「っしゃぁ! 行くぞぉ!!」


「【瞬】」


ドババババババババババッ


周りの敵が宙を舞う。


「我流……三散華」


ザザザンッ


「ファイアーストーム!!」


ゴォォォォォォ


「サイクロンストーム!!」


ブォォォォォォ


「ビルドアップ 【アーム】」


ズゴオォォォンッ


中に切り込んでバッタバッタと魔物を魔石に変えて行く。


奥に少し行き過ぎた時


「キャァァァ!」


ララが少し身体の肩口を切られてしまう。


周りを取り囲む魔物達。


「ララ!」


ララの元へ駆けつけようとするリューだが、魔物が邪魔で近づけない。


「どけやゴラァァァァ!!」


リューを纏っていたオーラが黄色になっていく。

両手を前に合わせと、黄色いオーラが集まっていく。


「【破】ぁぁぁぁぁぁ」


────ズゥドォォォォォンッッッッ


黄色の気合いが一直線に放たれる。

ララまでの道ができた。

そこを凄まじいスピードで駆ける。


「大丈夫か!? 敵は俺が食い止める! 回復薬飲め!」


「リューくん……ありがとう」


回復薬を飲むと身体から光が溢れ出し、傷口が治っていく。


「無事か!?」


「大丈夫よぉ。ありがと!」


「よかったぜ」


会話しながらも魔物達を倒していく。


「一旦下がるぞ! アイツらの出番も作らないとな?」


「ふふっ。そうね」


「お前ら! 一旦下がれ!」


「「「おす!」」」


リューが0番隊、1番隊を一旦下がらせる。

すると、3番隊と5番隊の出番である。


「撃てぇぇぇぇ!!」


ドドドドドドッ


「「「「ファイアーストーム」」」」


「「「「サイクロンストーム」」」」


ゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォォ


魔法は炎と風の魔法が合わさり、巨大な炎の渦となり魔物を焼き払っていく。

合同魔法となるのでララとジェイクが行った魔法よりかなり大きい。


自分達が指揮をとると言っていたA級冒険者達も驚愕している。


「お、おい。あんな魔法撃てる奴いるのか?」


「一人じゃ無理だろ……」


「複数でやったって難しいぞ?」


そうなのである。5番隊は造作もなくやってのけているが、本来、合同で行う魔法は魔力の波長を合わせないと行使できない為、かなり難易度の高い技術とされていた。


「よーっし! 魔物共が大分削れた! 4番隊! 前線を押し上げるぞぉ!」


「わがっだんだな! いぐんだな!」


「「「「オオオオォォォォ!!」」」」


盾を構え前線位置を上げていく。


「オラオラオラオラァ」


次々に倒されて行く魔物達。

リュー達の前にあっけなく魔石へ変わっていく。


「俺達も負けてられねぇぞぉ!」


「行くぞぉぉぉぉ!!」


「「「「「オオオオオオォォォォォォォ!!」」」」」


リュー達に続き、ブラウズの街を救おうとする冒険者達が魔物に押し寄せる。


1時間くらいした頃、魔物の数も大分少なくなり、発生源が判明した。


2番隊から情報がもたらされた。


「奥に洞窟のようなものがあるのじゃ。そこから魔物が出てきているようなのじゃ」


「そりゃあ、活性ダンジョンってやつじゃねぇか?」


「昨日の地震はその地震だったわけねぇ」


ララが納得したように言う。


「ダンジョンができるときは、地震が起きるのか?」


「魔力がたくさん集まって地形を変えるのよ。だから、魔力の波動と地形の変動で地震が起きるのよ」


「そうなのか。じゃあ、ちょうどいいな」


「そうね」


リューとララがそう言って二人で話を進めていると、ジャックが口を挟んできた。


「あ、あのぉ、ちょうどいいといいやすと?」


「あぁ。俺達の昇級に丁度いいと言ったんだ。活性ダンジョンを攻略すれば、B級だろう?」


「なるほど」


「ちょっくらギルドに報告にいってくらぁ」


「へい!」


ジャックにそう言うとララを伴ってギルドへ向かった。



「エリー! スタンピードの事だがな、原因がわかった」


「リューさん! 大丈夫ですか!? 怪我はないですか?」


「おう。おれは大丈夫だ。それよりよぉ、スタンピードの原因は活性ダンジョンだった」


「えっ!? 活性ダンジョンが出たんですか?」


「あぁ。昨日地震があっただろう? あれの原因は恐らくそれだ」


「なるほど、調査してから攻略に移りましょう!」


「いや、魔物が噴出している状況だ。俺達、白竜が攻略してくる!」


「大丈夫ですか!? 初めての活性ダンジョンですよね!?」


「あぁ。スリルがあっていい。じゃ、そういうことでよろしくな」


「もう! こっちは心配して行ってるのに!!」


「心配いらねぇって」


そう言って背中越しに手を振りながらギルドを去っていくリュー。


(もう……いつもいつも心配ばっかりかけるんですからぁ。こっちの身にもなってくださいよぉ。そりゃあ、ララさんとか、ダインさんとかジェイクさんとか、ララさんとか、ララさんとか……みんながいれば大丈夫だんでしょうけど……)


エリーの心配をよそにリュー達白竜は突如発生した活性ダンジョンの攻略に挑む。

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