第18話 ヤンキー、役職を決める
掃除をして大体の部屋割りを決めた後、リュー、ダイン、ララ、ジェイク、グレンの主要メンバーで集まっていた。
「まずは、家は手に入った。そしたらよぉ、一応役割を決めようと思ってな」
「役割ってぇと?」
ダインが聞き返す。
「家の管理と、あと白竜の取りまとめる役割よ」
「家はメイド長とかってことか?」
「メイドっつうのが良く分かんねぇからジェイク! 貴族の家の役割を教えてくれ!」
ジェイクは嬉しそうに話し始めた。
「はい! 家の掃除、洗濯など家事全てを管理する人が執事です。それをサポートするメイド長といった感じでしょうか。あとは、それぞれ掃除担当、洗濯担当等、決めればいいのではないでしょうか」
「なるほどなぁ。まぁ、執事だけ決めればいいか。あとは、執事に任せっかなぁ。あとは、白竜の方か」
「白竜のこたぁ、兄者がクランマスターやるしかねえだろう?」
「くらんますたー? ってなんだ?」
「リーダーのことだ! あと、副マスターだな2番目も決めて……」
「わぁーった! ちょっと待て!」
「白竜の方は、俺に少し考えがある。頭は俺だが、副マスターだがグレンにやってもらおうと思う」
リューはグレンを指名した。
それに驚いたグレンは飛び上がる。
「自分っすかぁ!?」
「あぁ。白竜の大半はスラム街の連中だ。それをまとめてたグレンがまとめるのが一番いいだろう。それで、4人パーティ毎にまとめるのがいいかと思うんだが、どうだ?」
皆の顔を見回していうと、皆が頷いて返す。
「俺と、ダイン、ジェイク、ララが0(ゼロ)番隊、グレンが1番隊の隊長をしろ。後の隊は、エリーに鑑定してもらってきめっかな」
「「「「了解!」」」」
一様に頷いて、白竜の体制に関しては早々に決まった。
続いて決めるべくリューが話を進める。
「グレン、なんか執事できそうなやつ心当たりあるか?」
「そうっすねぇ。自分の弟がいるんすけど、頭はいい方だと思うっすよ」
「そうか。連れてきてくれねぇか?」
「はい。ちょっと連れてくるっす」
少ししてノックが聞こえる。
「おう。いいぞ」
「失礼します。私は、バルトと申します。よろしくお願い致します。この度は、我々を助けて頂き有難う御座いました」
現れたのはシャキッとした男だった。
綺麗な礼をしている。
「お、おう。おい、グレンお前血が繋がってないのか?」
「それが、血が繋がってるんっすよ」
グレンが平然と血が繋がっていると言っているが、リューには兄弟で差がありすぎるように感じた。
しかし、こんな兄弟もいるのだろう。
「本当か!? こいつぁグレンと違いすぎる! まぁ、いいことか! バルト、この家の執事になってくれねぇか?」
「私にはもったいないくらいの地位でございます。精一杯務めさせて頂きます」
「おう。でだ、メイド長っつうのと家の事の割り振りを任せたい。戦えない奴らには仕事を与えてやれ。それぞれに金も出す」
「わかりました。お気遣い有難う御座います。さっそく話し合ってきてもよろしいですか?」
「あぁ。頼む」
「かしこまりました。失礼いたします。」
部屋を出ていくバルトを見送る。家の方は片付きそうだ。
「じゃあ、戦闘員の白竜連中連れてギルド行くぞ。エリーに鑑定してもらう」
「みんな呼んでくるっす」
グレンが白竜の戦闘員を集めてくる。
みんな揃ったところでギルドへ向かう。
ギルドに行くと注目を集めていた。
それはそうだろう。ゴロツキのような輩が沢山ギルドにきたら何事かとなることだろう。
「おーっす。エリー、料金払うから白竜メンバーを鑑定してやってくれねぇか?」
「突然大人数を連れて来たと思ったらそういうことですか。わかりました。順番に前に来てください」
一人一人前に出てくる人に丁寧に対応し、鑑定結果を伝えて行くエリー。
中には鑑定結果に戸惑う者もいる。
その中にはグレンもいた。
「グレンどうした?」
リューが声を掛けると
「なんか、【ビルドアップ】っていう固有能力を持ってたみたいっす」
希少な固有能力を持っていた事を知り、戸惑っていた。
「どんなスキルなんだ?」
「エリーさんに聞いたんすけど、筋肉を増強させるらしいっす」
「そりゃあ強そうだな! 頼もしいぜ!」
「お役に立てるように頑張るっす!」
グレンは嬉しそうに他の人の話も聞きにいっている。
部隊を割り振る参考にしようとしているのだろう。
しばらくすると鑑定が終わった。
「リューさん、一人金貨1枚で全員で金貨20枚です」
「おう」
料金を支払うリュー。
「じゃあ、どうもな! また来るぜ」
「はい! 今度は依頼を受けに来てくださいねぇ!」
「おう!」
屋敷に戻るとホールに集まる。
「じゃあ、鑑定結果で魔法使えるやつこっちに集まれ!」
「「おす!」」
リューを中心として右手方向に集まる。
「次、前衛職の能力があるやつこっちな!」
今度は左手方向。
「「おす!」」
「それ以外のやつこっちな!」
「「おす!」」
最後に正面方向。
「それ以外のやつ! 3人いるけど、なんの能力だったんだ?」
「おす! ワシは、ジャック! 盗賊じゃ!」
「どんな能力だ!?」
「罠がわかったり、素早さが上がるんじゃ」
「それりゃいいな! 場面によっては強みがありそうじゃねぇか!」
「うっす!」
1人は盗賊だったようだ。
ダンジョン探索などに向いている能力である。
「我は、フィル! 狩人だ!」
「狩人ってぇと、弓使ったりするやつか?」
「そうだ! 弓の扱いが上手いのと、隠れることにたけているようだ!」
もう1人は狩人で遠距離攻撃が向いてそうな能力であった。
「おでは、ドムだな! 守護者なんだな。バリアーみたいなのを張れるみたいなんだな」
「守りはお前に任せられるじゃねぇか!」
「おず!」
それぞれの場面で役に立ちそうな能力を持っているものがいた為、部隊を編成する際に組み込みやすくなりそうである。
「普段はパーティ単位で動こうと思う。まず、グレンとジャック、フィル、ドムはこっちに並んでくれ」
それぞれが1列に並ぶ。
すると、リューは魔法使いの集団のとこに行き、人をじっくり見る。
「そこのお前! 名前と能力は?」
「マ、マーク、です。能力は自然魔法です」
「ジェイク? 自然魔法ってどんなんだ?」
リューがジェイクに聞く。
「僕と同じです! 自然にあるものは魔法で行使できます!」
「おう! マークすげーじゃねぇか!」
「は、はい。あ、有難う御座います!」
「こっちに並べ!」
「は、はい!」
5人が並ぶと、リューがそれぞれに指示を出していく。
グレンの前に立ち宣言する。
「よーしっ! まず、グレンが1番隊特攻部隊隊長な!」
ジャックの前に立ち宣言する。
「次、ジャックは2番隊斥候隊隊長な!」
「うっす!」
フィルの前に立ち宣言する。
「次、フィルは3番隊遠距離部隊隊長な!」
「了解である!」
ドムの前に立ち宣言する。
「次、ドムは4番隊守護隊隊長な!」
「おず!」
マークの前に立ち宣言する。
「最後、マークは5番隊魔法部隊隊長な!」
「は、はいぃ!」
皆の前に立ち、リューは宣言する。
「これが、白竜の構成とする! そして、0番から5番までに優劣はねぇ! 1番だからえれぇとかはねぇからな! わかったな!」
「「「「「おす!」」」」」
「じゃあ、バランス考えて配置するからな!」
あーでもないこーでもないと、この日は暗くなるまで部隊編成をするのであった。
白竜は、これを機に部隊のような連携をとる訓練をする様になる。
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