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第15話 ヤンキー、舎弟が予想外に増える

「金をとるだとぉ!? ふざけるなよ!? 俺達は、リューさんの舎弟だぞ!?」


「そう言われましても、お金は支払っていただかないと……」


「リューさんを敵にしてどうなるかわかってんのか!?」


聞いた限りだと、リューの舎弟だとそう言っている輩がいるが、見たことのない人物である。


そうした騒動が、リューの身に降りかかる。



宿を出たリュー達は王都を散策しようとしていた。


すると、警備隊に取り囲まれる。


「おまえ、リューと申すか!?」


「あぁ。俺がリューだ」


「コイツを連れて行け!」


すると警備隊に羽交い締めにされ、連れていかれる。


「兄貴!」

「兄者!」

「あんた達はなんなんだい!?」


ジェイク、ダイン、ララには、意味がわからない。


すると、たまたま城下町に遊びに来ていたローグがそれを見ていた。


一緒に警備隊の屯所に向かう。


「リューというのは、そなたで間違いないな?」


「そうだが?」


「貴様を威力業務妨害で引っ捕らえる!」


「はあ?」


「何じゃ!? その顔は!?」


「おれは、悪さはしてねぇ」


「しかし、リューの部下だと名乗る者が無銭飲食をしてだな……」


リューと警備隊が話をしていると。


「そいつはそんなことをするようなやつじゃないよ?」


「なぜ分かるんだ? って陛下!? なぜこのような所に!?」


「リュー達がつれていかれるのを見たからねぇ。 彼はそんなことをするような器じゃないよ」


「しかし、リューと敵対したらどうなるか分かるだろう?というようなことを言いながら金を払わずに帰ったようでして」


「リュー、心当たりは?」


「ねぇよ? けど、1人怪しい」


そう言いながら見ると、1人ソワソワしている人がいる。


ジェイクだ。ジェイクがリューの強さとか素晴らしさを伝えていたため、こういう自体になったようである。


「す、すみません! リューさんを素晴らしいと思う人が増えてくれたらと思い、苦しんでる人にリューさんの素晴らしさを伝えたのです!」


地面に頭を擦り付け土下座するジェイク。


「そういうことか……」


リューは考え込む。


「警備の人、すまねぇが、その店に連れてってくれねぇか?」


「ふ、ふんっ! 良いだろう」


そう言うと店に連れてってくれた。


すると、またその輩が居るようである。


「俺達はリューさんの舎弟だ! 俺達に手を出して、リューさんが、黙ってると思うな!?」


そう喚いている輩がいた。


「お前らやめろ」


リューが声を掛けると。


「あぁん? おめぇにかんけぇねぇだろ? リューさんの舎弟の俺達にそんな口聞いていいのかぁ?」


輩がそう言っているのを聞いて。


「おい! ジェイク! 話したのはコイツらか?」


「いえ! 違います……」


ジェイクと話していると、大声で話してきた。


「話聞いてんのか!? リューさんの舎弟だって言ってんだよ!!」


「おめぇらよぉ、俺の名前口にするなら、せめて俺を知ってからにしろよ? 知りもしねぇのに俺の名前口にすんな?」


リューが諭すように言う。


「はぁ!? 何言ってんだ!?」


「はぁ。警備隊の人、わかったか? コイツら俺の事を知らねぇ」


「その様だな。すまなかった」


「何!? そいつがリュー!?」


拘束される輩達。


すると、リューは店員さんの前に立ち膝を少し曲げて中腰になり、手を膝に置き頭を下げる。


「怖い思いをさせちまってすまなかった。そして、金も払わずに飯を食うなどしちゃならねぇ。今回のことは俺にも責任はある。本当にすまなかった」


「い、いえ、いいんです。乱暴はされてませんし、お金は払ってもらえれば別に大丈夫です」


「そうか。これを貰ってくれ。迷惑料も入っている」


そういうと白金貨を1枚だす。


「えっ!? こんなには受け取れませんよ!」


「いや、俺の気がすまねぇ。受け取ってくれ!」


「でも、食事なんて金貨1枚ほどですよ?」


「いいんだ。おれはこれで。また来る」


再び頭を下げて店を出る。


拘束された2人の輩がいた。


「おめぇら、何でこんなことした?」


「リューって人がすげえ強えって話を聞いて、それなら、その人の名前を使えば何でも許されるんじゃねぇかって話になって……腹減っても食うもんがねぇから……」


ウンウンともう1人も頷いている。


「お前らスラム街の人間か?」


「あぁ。そうだ」


「お前たちみたいに働けてないやつが腹ぁ減らしてんだろう?」


「そうだ。働けねぇから金がねぇ。金がなきゃ何にも食えねぇだろう!」


「俺が働かせてやる。今日はカンカン入って反省して、明日、働いてねぇやつ全員連れてこい。俺は、ギルド近くの宿にいる」


「本当か!? わかった!」


話が終わると連行される。

警備隊の人に声を掛ける。


「こいつらの事頼んます」


「あぁ。まぁ、暴れちゃいねぇし、金は払ったし、少し牢屋に入って終わりだな!」


「有難う御座います」


「いいさ。陛下もいらっしゃるしな」


ニコッと笑って去っていく警備隊の面々。



次の日の朝


宿を出るとズラリと20人くらい居るだろうか。


男達が並んでいた。


「おう。来たな。お前達、冒険者登録はしてるか?」


1人が答える。


「してるが、武器がなくて魔物とは戦えねぇ。だから、薬草を拾うしかなくてよぉ。それならただ飯食った方が良いってなっちまったんだ」


「そうか。わかった。じゃあよぉ、まず買い物すっか! 付いてこい!」


ゾロゾロとついて行く男達。

若い者が大半だ。


まずは、服屋に行く。


「ここで、好きな服選んで着ろ。金は俺が持つ」


各々好きな服を選び着替えていく。


次々に防具屋、武器屋と店を巡る。


「よしっ! 一通り揃ったか。じゃあ、飯食うか」


そういうと、前日に迷惑を掛けた店に来た。


「お前らここで迷惑かけただろ? しっかり落とし前つけろ……あぁ、謝れってことだぜ?」


「おす!」


ゾロゾロ店に向かうと中から店主を呼んだ。


ザッと一斉に土下座をする。


「迷惑かけてすみませんでした!」


「「「「「「すみませんでした!」」」」」」


「分かってくれればいいです。お金もリューさんに沢山貰いました! 今日は好きなだけ食べていってください!」


「いいのか?」


「えぇ! 貰いすぎましたし」


ニコッと笑う店主に男共は見惚れる。


「あ、有難う御座います!」


「「「「「有難う御座います!」」」」」


「よしっ! じゃあ食うぞぉ!」


リューが中に入るとゾロゾロ入っていき、ガツガツと飯を食べ始める。


中には泣きながら食べている者がいる。

それを微笑ましそうに眺めているリュー。


食べ終わるといよいよ本番だ。


「よーし! 食ったら魔物倒しに行くぞぉ!」


「「「「「おす!」」」」」


「ちょっとララ連れていくわ」


宿に寄ってララと合流する。


「ララ、手伝ってくれ」


「良いわよぉ」


腕に絡みつくララ。


男共には目に毒だったが、仕方ない。


「姐さん、よろしくお願いします!」


王都を出ると、索敵を始める。


「ララ、魔法使ってくれ」


「えぇ。サーチ!」


索敵をしてもらい、魔物の所へ行く。


「あっちよ!」


「うーし! 行くぞぉ!」


「「「「「おす!」」」」」


向かうと、ゴブリンの小規模な村が出現していた。


「3人くらいで一体に当たれ!」


指示の通りに男共がゴブリンを倒していく。

順調かに思われたが、奥から大きなゴブリンが現れた。


「リューさん! なんか強そうなのが……」


「おう。任しとけ」


前に出るリューは赤いオーラを放っていた。


『ブギィィ』


「オラァ!!」


ズドォンッ


ハイキックを食らわせ一瞬で魔石にする。


「す、すげぇ」


男共が興奮している。


「よーっし、魔石回収して戻るぞ」


「「「「「おす!!」」」」」


心なしか力がこもった返事である。

王都に戻るとギルドに行き、報告をすることにする。


スラム街の飯を食べれなかった男達。

リューのおかげで仕事が出来るようになったのである。

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