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第14話 ヤンキー、女に手を出される

護衛依頼を終えた次の日。


街を散策していた4人。


「久々にゆっくりする気がするな?」


リューがいうと。


「そうですかね? 僕はまだそんなにリューさんと長くいないですからねぇ」


「私もそんなに長くないから……」


ララは寂しそうに言う。


「ワイは確かに久々な気ぃすんな!」


ダインはそう答えた。


うまいのでも食おうや。


そう言って美味しい店と評判の定食屋に入る。


それぞれ、好きなのを頼み、来るのを待っていると。


『こんなの私の食べるものではない! なんてもの出すんだ!!』



怒鳴り声が聞こえた。


『こんな生もの食べさせて、私を殺そうというのか!? 不敬罪だ!』


『めっそうも御座いません! これは刺身という歴としたお料理でして……』


『私が料理も知らないのいうのか!?』


そんな声が聞こえてきた。


「ちょっと私行ってくる!」


気に入ってた店を汚されてララが怒り、文句を言いに行く。


『この料理の良さが分かんないなら帰んな!』


ララが言っている声が聞こえる。


『そなた! なんと奇麗な人か! この人に免じて許そう! そなたは我と来るといい!』


ドタドタと音が聞こえる。

「やめなさいよ!」と聞こえたと思い、リューが駆けつけると遅かった。


店員さんに聞くと連れ去られたという。


リューは家族に手を出されて黙ってはいない。

店員に何処の者かを聞くと隣の街の貴族だという。


店を出ると、行きそうな場所を探そうとするが、見当がつかない。


しかし、イテーサ家の者だと教えて貰ったので、ギルドを頼る。


勢いよく中に入ると、エリーの元へ行った。


「エリー! 大至急、イテーサってやつの屋敷を教えてくれ!」


「は、はい! イテーサ家がどうかしたんですか!?」


「おう! 俺の女連れ去ったんだ。俺の家族に手を出して、タダじゃおかねぇ」


「そ、そうなんですか!? 確かに色欲家として知られてますね……今、場所を調べますね!」


いそいそと調べるエリー。


「ブラウズの街に一個家があります! 貴族街の東側の角地です!」


そう言われた瞬間、ギルドを出て走っていく。

後の2人も追いかける。


しかし、オレンジのオーラを纏ったリューには、追いつけない。


貴族街の角地が見えてきた。


すると、門の前にガタイのいい大きな護衛が立っていた。


リューは。


そのまま突っ込んだ。


「止まれ! 何の用ベブッ」


ぶん殴られて吹っ飛んでいく。


ズガァァァァン


門も吹き飛んでいる。


「ジョーーーートォーーーダゴラァァァァァァァーーー!!」


屋敷に乗り込んでいくリュー。


屋敷の使用人と護衛と思わしき者達が次々と来るが、止まりはしない。


「誰の女に手ぇだしたかぁぁぁぁぁわからせてやるぜぇぇぇぇぇぇ!!」


バッタバッタとなぎ倒し、屋敷に入ってくる。


ある扉の前で冒険者らしき者がいた。


「お前! 俺の相手はやめた方がいいぜ? おれは、A級冒険者だぜ? 勝てっこないだろ?」


「【しゅん】【げき】」


ドパァァァァァン


護衛は無惨にも塵と化した。


ドガァァァァン


扉を蹴破ると、ララとイテーサがいた。


「か、金は出すぞ! いくらでこの女を売る? 白金貨だ──」


ズガァァァァァン


イテーサのすぐ横の壁の風通しを良くする。


「お前、カンカン行きだ」


イテーサは放心状態で下の物を漏らしている状態であった。


「ララ!」


「リューくん! ちょっと怖かったけど、絶対助けに来てくれると思ってたよ!」


「当たりめぇよ! 女取られて黙ってる訳がねぇだろ!?」


「フフッ。そうよねぇ!」


リューに抱きつくララ。


ララを救出した後は、警備隊に知らせて事後処理を任せてリュー達はその場を後にした。


後日、ギルドに行くと。


「おはようございます! ララさんを攫った貴族は、数々の悪事が明るみになり、取り潰しになる事になりました! そこで、何故が国王から感謝状が届いており、王都に来て欲しいとの事です!」


「んだとぉ? めんどくせぇよ! 王とかはよぉ」


嫌がるリューを説得するジェイク。


「ですが、これを断ると、後々不敬罪とかで死罪になりかねませんよ!? 取り敢えず行くべきですって!?」


ジェイクの熱意に負け。


「わぁたよぉ! いきゃあいいんだろぅ!?」


根を上げたリュー。


ジェイク、リューが嫌なことを説得してやらせるなんて凄いことだ。


数日後に王都に旅立ったリュー一行。



王都に着き、デカい冒険者ギルドに報告に行くと、すぐに王城に行くように言われて向かう。


途中物乞いにあったが、急いでいたためそのまま王城に行く。


すぐに謁見すると言う王。


礼儀を知らないリュー達は謁見の間でも立ち尽くす。


「頭を下げんか!」


そう言われたが、下げないリュー。


「不敬罪だぞ!」


「いや、いきなり連れてこられて頭を下げろって言われてもなぁ。なんで下げなきゃいけねぇ?」


「なぜって……」


「よい!」


「しかし!」


「良いと言っておる!!」


引き下がる家臣。


「この度は呼び立てて悪かったな! 礼を言いたかったのだ! 俺はローグ・ロベルタという!」


「おう。リューだ」


リューが応えると。


「貴様!」


「良いと言っておる! 口を挟むな! 退出しろ!」


他の者を退出させる。


「お主のおかげでな、腐った膿を出せたのだ! この度はありがとう!」


頭を下げる王。


「いや、王様に頭を下げられる程のことはしてねぇ。俺は、自分の女を助けるために殴り込みに行っただけだ」


「そうだったな! それは、家の家臣がすまないことをした! 無事でよかった!」


「俺は、あの程度の輩にはやられねぇ」


「そうか。頼もしいな! 家臣にしたいくらいだ!」


「ララを攫った奴も家臣なのか?」


「そうだ。本当にすまなかった。」


頭を深く下げるローグ。


「わぁったよ! もう忘れたわ!」


「許してくれるのかい!?」


「許すか許さないかは、ララが決める。ララ、どうする?」


「私はリューが来てくれたからなんでもいいわ」


ララがそう言うと。


「本当に君達は信頼しあっているんだな? 羨ましいよ」


「そうか? まぁ、ララが許したならいいぜ」


「すまなかった! 少しだが報酬金もギルドに送っておくから!」


「おう!」


「君は気持ちがいいやつだなぁ! ぜひ、友達になりたいね!」


「俺は、構わねぇぜ」


「そうかい!? じゃあ、今度城下町で1杯やろう!」


「いいぜ」


王様とも友達になってしまうリュー。

その人脈は恐ろしい。



リューが王城に謁見していた頃。


物乞いをしてる子にジェイクが話しかけていた。


「兄貴は凄いんだぞ……」


リューの凄さを話していたら、人が集まってきた。


リューは、知らない間に神のような存在に認識されており、スラム街の人に崇められていた。


どんな人の面倒でも見てくれるとジェイクが諭し、人を集めたようだ。


そのシワ寄せが、来るのは予想出来なかった。

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