第2話 ありきたりな展開
毎度短くてすみません…
愚痴を言ってもいいか?これ。
なんでいきなり草原に放り出すんだよ…。
まだわからないんだぞ!いろいろ!
仕方がない、とりあえず村とか街を探そう。こんな丸腰で野宿とか、絶対何かに襲われるだろ。
周囲を見渡すと、右から太陽が上がってきている。どうやらまだ朝のようだ。元の世界の基準で考えると、右が東ってことか。じゃあせっかくだし、東に一直線にすすんでみよう。
しばらく歩くと、大きな森が見えてくる。異世界転移っぽいな、ちょっと楽しみだ。
ラノベとかだと、森から悲鳴が聞こえてきたりするんだが…。まぁ、そんな上手くいかないか。
「キャーーーーーーーー!」
森から悲鳴が聞こえてくる。
おっと?ありきたりな展開だぞ?これは行かなければ!
森に入り、さっき悲鳴が聞こえた方向に進む。するとすぐに、オークに追い詰められている少女を見つけた。中学生くらいの背だ。
あれ?オークって序盤に出てくるっけ?ゴブリンとかじゃないの?
「ファイアボール」
右手で炎の球を生成し、オークに向けて放つ。めちゃめちゃ簡単だな。ゲームかよ。
炎の球はオークにぶつかり、オークの全身をこんがり焼いた。豚肉の脂のいい匂い…。
怯えていた女性に駆け寄って声をかける。
「大丈夫ですか?怪我はありませんか?」
「ええ、大丈夫です。助けて頂きありがとうございました。失礼ですが、お名前をお聞きしても?」
「恭平といいます。」
「キョウヘイさん?珍しい名前ですね。」
多分この世界では日本名がいないんだろう。どこかの会話の中で東の国とかいって出てきそうではあるが…。
「申し遅れました。私は、カリア・クライム。カリアと読んでください。それから、敬語も必要ありません。」
「じゃあ僕のことも恭平で呼び捨てで。敬語もいらないよ。」
「いえいえ、命の恩人を呼び捨て、ましては敬語も使わないなんてできませんよ!」
「じゃあ命を助けたお礼に、呼び捨てと敬語ナシで。」
「ええ、わかった。改めて、ありがとう。キョウヘイ。」
「どういたしまして。」
話がまとまったら急に腹が減ったな。オークの肉でも焼くか。
カリアのナイフを借りてオークの腹の肉を取り出す。豚バラっぽい部位があるのが嬉しい。穴を掘って平らで大きい石を入れ、ファイアボールで熱する。これで簡単なホットプレートの完成だ。肉を焼ける熱さを維持するために、石の下にファイアボールをたまに放つ。
「さぁカリア、焼こうか。」
カリアはオーク肉をまじまじと見つめている。きっとお腹が空いていたんだろう。
それにしても、夜に女子と二人きりなんてリア充みたいだな。
一夜限りのリア充だし、楽しもう。
読んで頂きありがとうございます!
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