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30、しおれた花

 夏の朝に咲く花。


 凛と咲いていた。


 白に薄紅に。


 水面に浮かぶ睡蓮。


 美しいと私はため息をつく。


 けれど。


 昼間になったらしおれてしまう。


 とても儚いと感じた。


 まるで一時の短い夢のようだ。


 夕方になったら。


 月下美人の時間だ。


 甘やかに香る芳香に反する真っ白な花はとても淑やかで。


 これも朝にはしぼんでしまった。


 儚いとまた思う。


 あなたはどちらが好き?


 私は睡蓮がどちらかと言うと好き。


 涼し気な感じがね。


 私は家路につく。


 すうと涼し気な風が吹いた。

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