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3、風と光
この回はちょっと後半部分は暗い内容です。苦手な方は回れ右でもOKです。
ふと、風が吹いた。
私は空を見上げる。
燦々とお日様の光が降り注ぐ。
今は春の季節だ。
雲雀が鳴き、綺麗な花々が咲き乱れる。
まるで天上の世界のようだと誰かが言った。
空も晴れて青くどこまでも澄み渡っている。
けど私は1人だ。
しくりと胸が傷む。
春にあの子が逝ってからもう何年経つだろう。
とても元気な子だった。
凄く長生きもしたし。
生憎、子犬は生まれなかったけど。
犬としては大往生だったね。
ねえ、あの子は今頃どうしているかな。
天国で元気に走り回っているかもしれないけど。
誰か教えてと願うが答えはない。
私は寂しいけど君が見守ってくれていると信じるよ。
だから、ゆっくりと眠って時には好きなだけ走り回って元気に過ごしてね。
さようなら。