20/30
20、氷
真冬に近い寒い朝がきた。
気温は氷点下に近い。
私は家の中であまりの寒さに縮こまる。
外では氷が張っているだろう。
見てみたくはあるが。
ストーブの前で暖を取るのが精一杯だ。
ダイヤモンドダストも綺麗らしい。
友人に話してみようか。
そう思い立ってポットを手に取った。
水道の蛇口を捻って水を出す。
ポットに入れたらコンロにかけた。
火をつけてお湯が沸くのを待つ。
マグカップにコーヒーの粉やお砂糖、ミルメークを入れて。
しばらくしてお湯が沸いた。
マグカップに注いだらコーヒーの芳しくも良い香りが部屋に揺蕩う。
スプーンで混ぜてからカップを取り口に運ぶ。
鼻腔や口内に苦味や甘味が広がった。
ああ、美味しい。
氷が張る中でも私はいつもと変わりない日常を送る。




