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青春の始まり-06

「へぇ。じゃあ姫ちゃんは、やっぱり四六で働く事にしたんだ」


「学生やりながら、時々色んな演習とか出向いて、雷神プロジェクトの結果を見せる仕事、らしいな」


「大変じゃないの?」


「かもな。でも」


「でも?」


「初めて――戦う事以外の【夢】を、見つけられるかもしれないんだ。初めて自分の力で、何かを成す事が、出来るかもしれないって、思えたから」


「……カッコいいよ、その顔。お姫様じゃなくて、王子様みたい」


「いいね、王子様。姫なんかの百倍良い」


「でも、最近のお姫様って、すごいアグレッシブなんだよ。ボクもそんなお姫様に、なってやるから」


「哨?」


「ボクも付いていく。姫ちゃん王子がどんな事をしようと、付いていくお姫様になるって、今決めた。


 ――ボクの大好きな姫ちゃんに、何時までも付いていく」


**


「何それ、なんでそんな面白そーな事態に、アタシはディエチたちの討伐なんてつまんない事してなきゃいけなかったの!?」


「いやそれが生徒会の仕事なんだが」


「久瀬は黙っててよー! ねえねえ姫ちゃんと会長ー、その雷神って奴に乗ってアタシとヤろうよー。すっごく気持ちいい事だよー、いいじゃんいいじゃーん」


「島根さん、変な言い方は止めなさい……!」


「ていうか会長が良い子ぶりっ子してたのはもう知っちゃったんだから、普通に喋ればいいのに」


「あ、う、それは……っ」


「それはいいな。オレも楠がキリッとしてると、なんか落ち着かないから」


「お、お兄ちゃんってば!」


「じゃーアタシ、その雷神プロジェクトって奴にノったげる! そうすればもっと面白い事になるんでしょ!?」


「のどか、あなたはもう少し冷静に物事を考える事を覚えなさいな……」


「そう言う明宮姉は、雷神プロジェクトに賛同するんだろ」


「当たり前です。哨が参加するとなるならば、地獄の果てまで付いていきます。清水はどうするのですか?」


「もちろん参加する。秋風のOMSを弄るよりはるかに面白いからな、雷神のOMSは」


「会長補佐は」


「あぁ。少しばかり考えたが、僕も参加する事にする。言いにくいが、確かに面白そうだとは思う」


「明久も参加するでしょー? するよね!?」


「俺の幸運が願掛けとまで言われちゃ、参加しないわけにゃいかねぇよ!」


「よっしゃーっ! これで生徒会の全員参加決定っ!!」


「……何とも、にぎやかになりそうだな、楠」


「あはは……そうだね」


 **


「私は今回の一件で、日本に足りない物は危機感と、実戦経験の皆無さであると言う事を学びました」


「そんなに難しい話だったか?」


「その通りです。確かに雷神プロジェクトと言う計画は、一人の人間として感想を述べるのならば、素晴らしいと称賛したい。


 人の中にある心を揺さぶり、人に諍いを嫌う心を持たせる、良い計画であるとは思います。ですが、現実はそう甘くは無いのです。


 連邦同盟と新ソ連と言う括りがある以上、人類はまだまだ、戦い続けるでしょう。私は、その根本的な問題を是正したい」


「じゃあ、神崎は」


「ええ。皆さんとは違う道を選ぶ事になる――とは思います。


 ですが、だからと言って四六と言う存在を、雷神プロジェクトを否定するわけではありません。


 私は違う立場から、皆さんをサポートし続けます。正規軍人となり、皆さんの命を守っていける道を選べれば、幸いです」


「神崎も、自分の道を選んだんだな」


「――これも、貴方と言う存在のおかげです。愛しい織姫さま」

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