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ズーメイ-07

 のどか機と聖奈機が60㎜機銃を放つと共に、良司機が援護として115㎜滑腔砲の砲身を試作一号機に向け、放つ。


二機は狭い通路内で、機体をジグザグに走行させ、銃弾に当たる事無くのどか機と聖奈機に接近。


のどか機はリントヴルム機が持つダガーナイフを識別すると、腕部からレーザーサーベルを展開。


 レーザーを出力して振るうと、リントヴルム機はしゃがんで光刃を避け、ダガーナイフの一突きをコックピットへ刺そうとする。


しかし、その間に良司機が入った。


双剣ユニット【四川】を握りながらリントヴルム機のダガーナイフを弾き、続けて振り切ったもう一振りの柄が、アルトアリスの顔面に当たり、機体が揺れる。



『オメェら、強くなったのか?』


『さぁ? それは、貴方が確認されれば宜しいかと』


『吠えたな! 上等じゃねぇのッ!!』



 リントヴルム機の腕部より、一撃、二撃と拳が振り込まれた後、四川を振り、器用に避ける二者の間に割って入るのどか機。


良司機とのどか機の蹴りがリントヴルム機の腹部へと叩き込まれると、僅かに機体を浮かしつつ、しかし先ほどの応対中に何時の間にか奪っていた、のどか機の60㎜機銃を構えたリントヴルム機。


放たれる弾丸。少数を甘んじて受けつつ、しかし腕部でコックピットを守る二機。リントヴルムはその間にレーザーサーベルを展開し、まずは厄介とするフルフレームへと薙ぐ。


しかし、それを受けたのはのどか機のレーザーサーベルだった。


レーザーサーベル同士を形成する磁場がぶつかり合う事で、一瞬だけ磁場形成が乱れるものの、しかし形を継続したそれを、リントヴルムとのどかで振るい、戦う。



『あちらは、何とも楽しそうな事になっていますね』


『アンタは日本語喋れんだ』


『だってそうしなきゃ、そこにいる村上明久君は何をお喋りしているか、わからないでしょう?』



 呑気に会話をする、オースィニと城坂聖奈。


しかし、実際の所、彼女達の現状は、まさに戦争そのものだ。


大型ブレイドを振り込むオースィニ機の動きを読み、寸での所を回避していく聖奈機と、その隙を伺い、嫌らしいタイミングでレーザーサーベルを振るう聖奈機の攻撃を避ける動き。



『村上君っ』


『ハイッ!』



そして距離が開けば聖奈機が60㎜機銃を構えて、その動きと合わせて明久機も照準を合わせ、放つ。


大型ブレイドを盾にする形で、放たれた弾丸を受けるオースィニ機は、銃弾が止んだ事を確認した後、そのまま横薙ぎでブレイドを振り込む。


その動きは、本来の明久であれば避けられるはずの無い速度。


しかし、今は違う。



『こなくそっ!』



ハイジェットパックと元々秋風に存在する汎用性を合わせた機体出力が、それをバックジャンプで避けると共に60㎜機銃の銃弾を放ち、その銃弾がオースィニ機のメインセンサに直撃したのだ。



『、っ!』



 僅かに揺らめくオースィニ機。その機を逃すかと聖奈機が踏み込み、レーザーサーベルを構えて踏み込もうとした瞬間。


何かが、聖奈機を殴打し、吹き飛ばし、それと共に放たれた銃弾によって、聖奈機の右腕がイカれた。


すぐに、距離を取る為に地面を蹴ると、それが幸いした。


途中で明久機が聖奈機の左腕を取って機銃を乱射した事により、その何かが急遽、脚部キャタピラを稼働させた。



『風神』


『……やっぱ、敵になると怖いっすね……っ』



 それは、全体を白で染めた雷神と異なり、黒色で全身を包んだ機体だ。


赤色に光るツインアイがブルリと明久を恐怖させたが、しかしガントレットより見せられた映像とは異なり、それは超起動による戦術ではなく、その手に持つ機銃を構えた。


恐怖から、明久機が先に発砲。しかし銃弾は強固なT・チタニウム装甲によって跳弾し、まるで物ともしていないと言わんばかりに、反撃の射撃を撃つ。


聖奈機が明久機に体当たりした事によって、銃弾を回避。


 そして急遽起き上がり、レーザーサーベルを投擲する事で、風神の動きを制限する事に成功。


投擲されたレーザーサーベルを、同じレーザーサーベルで弾き落とした時には、聖奈機と明久機は後退を開始。


その二機を追いかける、オースィニのアルトアリス一号機。


リントヴルムが風神を確認する為に視線を少しだけ逸らした瞬間、まるでそれを見計らっているかのように、フルフレームが四川を振るう。



『島根、頼んだ!』



 振るわれた四川をダガーナイフで受け止めたリントヴルム機。そしてその際に接触回線から、日本語で叫ばれた良司の言葉も聞こえるが、しかし日本語故にリントヴルムは分からず、だが気にする事も無くフルフレームとの戦闘を続行する。



そして、のどか機が動く。


リントヴルム機から離れるように、かつ風神へと接近するように地を蹴り、レーザーサーベルを構えたのどか機は、トリプルD稼働によって宙に浮き、地面を這う様に風神へと肉薄する。


振るわれるレーザーサーベル。それを同じレーザーサーベルで受けた雷神が、反対の左手に機銃を構えた事を確認した。

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