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ソリッド・スピリット  作者: ∞云エンド∞
4/7

できること

東京都.高橋宅付近の廃墟


「ここですか?淳子さん。」


「はい、そうです。」

「少し前から私の家の近くでなにか声がしたり...最近では私の家でポルターガイストが起きたりと...霊媒師さんとかにも聞いてみたのですが、どうも出来ないと...」


「そ、そうなんですか...なんか感じるか?史華。」


史華は零にそう言われると目を閉じ集中した、少しした後に史華は目を閉じた目を開きこう言った。


「特に何もないです...」


「そ、そうか...」

「では淳子さん、私達はしばらくこの廃墟を見てまわるのであなたはそこにいるか、自分の家で待機していて下さい。」


「わ、分かりました。」


そう言って淳子は家に不安気に向かう。

零はその歩く淳子の背中を確認すると史華にこう言った。


「それじゃ、史華...行くぞ。」


「分かった...」


そう言って2人は廃墟の中に入っていった。

その中はとても汚く、ホコリが目立つぐらいに積もっていて、蜘蛛の巣がありそこにかも普通かのように蜘蛛がはりついている。

零はその光景を見て少し気分が悪くなる、だが、その気分を深呼吸で相殺する。


「とりあえず...手分けして何かあるか探してみるぞ。」


「分かった...でも、1ついい?」


「なんだ?」


「なにかひとつでも不思議に思ったところがあったら...迷わずこの廃墟から逃げていいからね。」


その時の史華の顔は真剣な顔をしていた、どこか零に対して不安に思っているような顔だった。

零はそんな史華の顔を見て明るくこう言った。


「大丈夫!!俺を誰だと思ってんだよ!!」

「天下無敵の寺島様だぞ!!!!だから俺に任せろ!!」


「...分かった!!」


史華は安心したような顔でそう言った。


あまり腕には自身ねぇけど...こう言っとかないと、こいつに心配かけちまうからな。

「よしじゃあ、史華はあっち、俺はこっちを探索する。」


零はそう言って史華が行く場所、自分が行く場所を指さした。


「分かった...気をつけて」


史華は完全に安心しきっているか、さっきの零に対する不安がまるでなかったかのようにサラッと零にそう言った、零はその史華の言葉に少しの自信と安心感をもらった。

そして、2人はそれぞれ別の部屋へ向かう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「って...2階に来たものの対したものはないというか...」

「この2階全く家具とか物ねぇじゃん!!」


零はそう叫ぶ、零のその声は1階の部屋全体に響き渡る、しかし、零の言うとおり2階にはこれといった物が置いていないのだ。

零はその2階の部屋のドアを次々と開け、なにかおかしな点はないかと確認する。


特にこれといったものは...おっ、これで最後の部屋...


そう思い零はさっきと同じような感覚で最後の部屋のドアを開ける。

そこには、おそらく何かの意図があって置かれている指人形、そしてそれを繋げるかのように白い線が描かれてある。

しかし、零その線に何か思い当たるものがあった。


「これは...魔法陣か!!ここに住んでる人はきっと厨二心がまだ残ってたんだろな...俺も昔...」


零は学生時代の記憶を思い出しそうになるが、急にブレーキをかけるかのように思い出すことをやめた。


あまり思い出したくない。

「にしても、なんでこんな廃墟に魔法陣なんかあんだ?しかも見る限り結構最近つくったような感じだし。」

「とりあえず史華のとこ行ってこの話するか。」


そう言ってが部屋からでようとしてドアのほうをみた瞬間、零はあることに気づく。


「あれ、ドアがねぇ...」


そう、まるで最初からドアなんてなかったかのようにドアが消えていたのだ。

零は悟った自分が今とんでもない事態に陥っているということを、顔は次第に真っ青になりいかにも絶望しているような顔になる、零は少し震えた声でこう言った。


「ヤバい...」

どぉしよぉぉ!!!!これじゃ部屋から出れねぇじゃねぇか!!!!


「零さん...」


零の耳にどこか聞き覚えのある声が聞こえた。

零はその声につられその声のしたほうを向く、そこにいたのはなんと家で待機しているはずの淳子だった。


「淳子さん...なんで...こんなところに...」


淳子を見た零は急に悪寒がはしり、淳子に恐怖した、淳子はそれがまるで分かってるかのような笑みを浮かべ笑いながらこう言った。


「ふふっ!!なんでって、おかしな人ですねぇ...零さんは!!」

「なんでかとイいマスとネェ!!!!!!」


淳子は身体中の関節をボキボキと鳴らす、その姿はもう既に人間をやめているかのような姿だった、顔はまるでその痛みを感じていないかのような笑顔で零から見るみるその時の淳子はそのまま狂気と言えるほどの姿だった。

零の恐怖心はもう既に頂点に達していた、その恐怖がゆえ視界がまるでカメラのたく光のように点滅する。


「こ、これは...や、やばい...は、ははは早くこの場所から出ねぇと!!」


「ドこニにゲるんデス???????」


淳子の言うとおりだが、零はお構い無しにさっきまでドアのあった場所を向く。


早く逃げねぇと早く逃げねぇと早く逃げねぇと!!!!!!!!

.........え?


零が見た景色はさっきまでのような木材できた壁ではなく何もないどこまで続いているか分からないような、ただひたすらに真っ黒な空間だった。

零はその光景を見て更に絶望する。


あ、あ、あれ?さっきはここに...


「さッキハ木ザイのかベだっタデショウ??????」

「キョウフト絶望のアマリあタマがおかシクナッたのデスカ?」


「嘘だ、嘘だァァァァァァ!!!!!!!!!!」


「ダカラそウダトいッテるデショウ????」


ザクっ!!!!

零はその瞬間、背中を切られた。

背中からじわじわと...痛みから激痛へと激痛から恐怖心へと恐怖心から絶望へと...


痛い痛い痛い痛い!痛い!痛い!痛い!!!痛い!!!痛い!!!

痛い!!!痛い!!!痛い!!!!痛い!!!!痛い!!!!痛い!!!!痛い!!!!

痛い!!!!!!!!!!!!!!!

「痛いよォォォォォォ!!!!!!!!!!」


零は心の底から叫ぶ...まるで駄々をこねる子供のように転がり回りながら、痛いと...

淳子はその様子を見て頬を少し赤くしてニヤリと笑う。


「ぃいイィィいいデスネェェェ!!!!!!!!!」

「最高デス!!!!!」


ボキボキ!!


「ソノ痛みヲ伝エルサケビ声!!!!!!!!」


ボキボキ!!!!


「その痛ミに耐えキレズアバれマワル姿!!!!!!!」


ボキボキボキボキボキボキ!!!!!!!!!!


淳子は一言挟む度に自分の関節や骨を折る、その骨の音はまるで淳子自身の喜びを表すかのように生き生きとこのただただ暗い空間に鳴り響く...

絶望だけが充満するこの空間で零は必死に背中を両手で守り丸くなる、身体は震えていて今にも絶望で死にそうなくらいに追い込まれていた。


「アバレナクナリマシタネェ...ナラコウシマショウ!!!!」


その瞬間、淳子は背中から触手のようなものをだすと絶望のあまり丸くなっていた零の首を強引に鷲掴みして、そのまま自分の元へもっていった。


「あ...あぁ...」


零は首を強く絞められているにもかかわらず、苦しい素振りをみせなかった。

淳子はその様子が気に食わなかったのか、もっと強く零の首を絞める。


「ナンデアナタハクルシマナイィィ????ワタシ...ソノタイドキニキワナイ!!!!!!!」


どんどん悪化していく零の精神、身体、状況...零の命はまるで消しゴムのようにどんどん削られていく。


「サケベ!!!!!」


「あぁ...」


どんどん...


「ワメケ!!!!!!!!!」


「あ...あぁぁあぁ...」


どんどん...


「ナキワメケェェェ!!!!!!!!!!!!!!!」


「あぁ...あぁぁぁぁぁぁぁ...」


やがてその消しゴム(いのち)は小さくなっていく...

そして零の命は...もう残りわずかというところまできていた。


「あぁ...お、れ...は...」


わずかだか残っていた(いのち)がすり減って無になろうとした瞬間...


「ダメ!!!!」


何か聞きなれた声が鮮明に聞こえた。


この...声、は...

「ふ...み...か...」


「うん!!そうだよ!!」


ドゴンッ!!!!

史華は淳子の顔面を思いきり殴った、その衝撃で淳子はかなり奥のほうへとんでいき、零の首を絞めていた触手は水蒸気のように消え、零は開放された。


「よかった!!もう死んだのかと思った...でも、心と体が完全にやられて...でも心の方は少し治ってるみたい...とりあえず回復するね!!」


史華は零の頭部に手を添えると目を閉じ、集中する。

すると史華の手からでてくるあたたかい光が零の身体全体を包み込む、背中の傷は次第になくなり、ボロボロにされた零の精神も元に戻り、零は我に返る。


「はっ!!俺は何してたんだ!?」


「え?覚えてないの?」


「おう、覚えて...あぁ!!!!」


零は淳子に背中を豪快に斬られたことを思い出した。その瞬間、零は即座に立ちこう言った。


「あのクソババァ!!!!俺の背中あんなに豪快に斬りやがって!!!!」


零はそういって淳子を指差す。

淳子はその言葉を聞いてそうとう腹がたったのか荒々しくこう言った。


「ダレガ...ダレガクソババァジャァァァァァァァ!!!!」


叫び声がよほど大きかったのか、淳子から放たれる超音波が零と史華耳を襲う。


「み、耳が...」


零は耳を塞ぐ、そしてふと史華のほうを向くと史華は少しタイミングが遅かったのかうつ伏せで倒れていた。


「史華っ!!」


零は史華に聞こえるように大声で名前を呼んだが、史華はピクリとも動かなかった。


「史華のやつ...ここで気絶したのか!?」


零はもうひとつ最悪な可能性を予想したが、史華がそんなことしでかす訳ないと思い、この状況下のなか史華と生き残る方法を考える。


どうする...俺には史華みてぇな超能力は使えねぇ、かといってこのまま何もしなかったら二人とも死ぬ...なにかできることは...できること?そうだ!!俺にもできることあるじゃねぇか!!

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