初めての喜びと不安
あの日、史華が家に来てから1週間...
あの日から一向にデザイナー関連のもの以外の連絡がこない。
「今欲しい連絡はそっちじゃねぇんだよぉ!!!!」
零は1人椅子に座り叫ぶ。
「なんで?本来怪奇現象って普通に起こることなんじゃないの?ポルターガイストとか、なにか視線を感じますみたいなのでいいんだよぉ!!誰か俺に連絡をくれぇぇぇぇ!!!!」
零が一人椅子に座りながらそう叫んだ次の瞬間。
ピロン♪
一通の連絡が来た...
零はオチを察しつつも渋々ブロドを開き、DMを確認する。
「どうせ、怪奇現象と関係ねぇ連絡だろな...え?」
そこには、最近近くで謎の現象が起きているのでどうにかして欲しいとの依頼だったのだ...
「来たァァァァァァァァァ!!!!」
零は大声で喜びをそのまま表にだしたかのように叫ぶ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次の日:東京都.とある駅の出入口付近
「急に連絡して...これですか...」
史華は急な連絡と駅前の人の多さにイライラしていた。
「悪かったって、だって仕方ねぇだろこんなに人がいるなんて想像つかなかったんだよ。」
「友達との約束やぶって来たんですから...さっさと終わらせましょう...」
「それはそうなんだけど...肝心の依頼者が来ねぇんだよ...」
そう、もう時間はとっくに過ぎているのだが、依頼人が来ないのだ、零は集合場所を間違えたのかと思いスマホを確認しようとした次の瞬間...
「すみません!!遅れてしまって!!」
「お?来たか?」
「...」
こちらに特に特徴の長いロングヘアの女性が走ってくる、おそらく依頼者だと零は察する。
「あなたが依頼人でしょうか?」
「はい!!そうです!!今回お世話になる高橋 淳子と申します...よろしくお願いします!」
と、この女性は丁寧に挨拶をする。
「ご丁寧にありがとうございます!!淳子さん...私の名前は寺島 零、そしてこの少女の名前は西念寺 史華と言います。」
「よろしくお願いします、零さん!!史華ちゃんもよろしくね!!」
「...」
史華は淳子の言葉には何も返さず、黙り込んだ。
「どした?史華?」
「...」
「大丈夫でしょうか?この子、体調不良とかでは...」
「心配しなくて大丈夫ですよお客様、早速ですが問題の場所に連れて行ってもらえますか?」
「わ、分かりました。」
どしたんだ?...史華のやつ...