男と少女の物語
俺は今、呆然としている....
少女は真剣な目でこちらを見つめてくる、しかし自分が今どんな状況におかれているかというのを零はいまいち把握していなかった。
「え....あ、あのぉさぁ....人違いじゃね?」
「人違いじゃない!」
即答だった。そして、少女は続けてこう言った。
「覚えてない?昨日の事....」
「あっ!確かあの時酔ってたんだっけ?だとしても思い出してもらわないと困る!」
「思い出せって言われても....」
零には全く身に覚えが無い、とおもわれたのだが....
あっ!そういえば昨日、俺は久しぶりに友達に会って一緒に酒飲みながら話してたんだっけ?
そのあとは....そうだ!解散して1人で家に向かってたんだ!
確かその時に....やっぱり思い出せん。
零の悩んでいる顔を見て不安になった少女はこう言った。
「思い....出せないですか?」
「おう....とりあえず、話だけ聞かせろや」
「あ、あれは確か....」
どうやらこの少女は昨日の夜、4人の男に捕まり連れて行かれそうなところをある男に超能力を使って助けてもらったらしい、そしてその男はなにか用事があるならここに来いと言い住所の書かれた紙切れを渡しその場を去ったと言う。
「そういうことかぁ....けどさ、俺、超能力?っていうのは使えねぇんだけど....」
「それに、俺赤の他人に自分の住所書いた紙なんて渡さねぇよ」
「そんな....で、でも確かにあなただった」
俺じゃないっぽいけど....昨日の記憶がまずないからなぁ...
ふと零は少女の顔を見た、その顔からは少し不安に思う様子が伺えた、零はどうしたらいいか考える。
「よし...じゃあ俺と一緒にその男探すか?」
「え?どうやって...」
「俺、ブログやってんだけど...結構人いるのね?そこで<怪奇現象のようなものを目撃したらブロードンのDMにてご連絡下さい>と投稿するんだ。」
「う、うん...」
「そして、その現象を俺とお前で解決する!!それでどうだ?」
「でも...怪奇現象とその人に何の関係があるの?」
「ない!!」
「え?」
少女は予想外の返答が返ってきたため驚いた、零はその少女の反応を気にせず続けてこう言った。
「でも、次第に知名度は上がっていくだろ?知名度が上がればなにかその男に関係する情報が貰えるかもしれない。俺の知名度も上がりそして、お前は昨日あった男にも会えるかもしれない...いい考えだと思うんだが...ていうかなんでここに来たんだ?」
「なんでって...さっき説明した通り...」
「いやそうじゃなくて、その男には用があるならここに来いって言われたんだろ?その用ってのはなんなんだよ。」
「それは...その人に色々教えてもらおうと思って。」
「教えてもらう?」
「うん、私や他の超能力者は誰が超能力者かっていうのを見分けることができるの...そして、強さもその人からでるオーラの感じでだいたい分かるの。」
へぇ...そんなバトル漫画みたいなのがあるんだな...
零は今までアニメやドラマなどで見た事のあるだけで実際には知らないものだから少し興味をもった。
「で?その男の強さってのはどれくらいだったんだ?」
「私が今まで見てきた超能力者はなんというか...微妙だったんだけど...その人?あなた?は違った...別格の強さをもっていたの。」
「俺ではないんだけどなぁ...一応...」
「しつこく聞くけど、本当にあなたではないの?」
「本当に俺じゃねぇよ!!昨日は確かに友達と飲みに行ってたけど...」
「そうなんだ...」
少女はまだ、零をことを顔にだすほど疑っている。
その少女の顔を見た零は話を変えるかのようにこう言った。
「そういえば、お前なんて名前なんだ?」
「ん?名前?」
「おう...さっきから俺ら普通に話してるけど、まだ互いの名前知らないだろ?」
「そうだった...私の名前は西念寺 史華、あなたは?」
「俺の名前は寺島 零、よろしくな!!」
「は...はい!!」
こうして、唐突に始まったこの物語...果たして...
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数日後...
「ぜんっぜん連絡こねぇぇぇぇ!!!!」
どうなるのでしょうか...