プロローグ
この世界はゲームだ....
勉学ばかりしている人は学力、運動ばかりしている人は運動力、絵をばかり描いている人は画力、戦闘ばかりしている人は戦闘力は上がるが、その代償として他のステータスは欠けてしまう。
しかし、それに気づいた時にはもう遅い....
何故なら、社会はそういうふうにできているからだ。社会はそのステータスにあった道にしか進ませてくれない、むしろそれ以外は進めない。
子供の頃両親に「将来どんな職にでもつけるように勉強しときなさい」とよく言われたもんだが、いくら勉強をしたとしてもつきたい職につけるとは限らない。
ましてや何の努力もなしに今を生きる人なんて気づいた時にはもう立派な社会不適合者だ....
俺はそれに気づきなんとかしようと頑張った結果、今はブロガーとデザイナーをしている。当然ちゃんと生活できる程度には稼げてはいるが....
時々ブログを書く際に思ってしまう。
----なんて社会はクソゲーなんだ----
そう思いつつ俺、寺島 零はいつも通りブログを書き終え、ブロードンのDMの依頼を確認する、ちなみにブロードンとはSNSアプリの名前だ。
「今日はきてねぇ、かぁ....暇だなぁ....」
零はそういうと座っている回転椅子をギシギシと揺らし、持て余した時間を退屈そうに過ごしていると。
インターホンの音が部屋中に鳴り響く。
「なんだ?宅配便か?」
そう思い零はモニターを覗く。
誰だ?こいつ....
モニターに映っていたのは見知らぬ少女だった、黒髪ショートの小柄な少女はピシッと姿勢をただし、ただただインターホン前に立っている。
「こういうのは無視したほうがいいか....」
零は、そう言って再び回転椅子に座り、ため息をつくと再びインターホンが鳴る....が、零は一切動こうとはしない。
しかし、最終的にインターホンの音は途中で切れたような音をたてて零の耳元まで押し寄せてくる。
うるせぇ....
さすがの零も堪忍袋の緒が切れる。
「次鳴らしたらおもいっきり説教してやる」
零は荒らげた声でそう言った。
しばらく、何の音もしない時間が続いた....
さすがの零も、もう来ないだろと思い回転椅子をたった瞬間、まるで零が立つのを待っていたかのようなタイミングでインターホンがなった、零は少しため息をつくと玄関に向かう....
----もう一度いおう....社会はクソゲーだ。しかし、これだけは伝えたい----
零は玄関のドアを力強く開けると怒りのこもった声でこう言った。
「なんなんだよさっきから!」
目の前にいる少女は急に怒鳴られた衝撃でその場に立ち尽くす、その間がほんの数秒続くと少女は大きな声でこう言った。
「あの!昨日言われた通り来たんですけど!」
----こんなクソゲーでも....選択肢次第では誰もが遊んだことのない神ゲーに変わるということを----